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やくみつるの「シネマ小言主義」 期待にたがわない!『カメ止め』次回作「イソップの思うツボ」

2019/8/25 06:00 週刊実話

提供:週刊実話 提供:週刊実話

 2018年最大の話題作となった映画『カメラを止めるな』の上田慎一郎監督の次回作。みんなが期待して待っている分、相当なプレッシャーがあったかと思います。『カメ止め』の助監督を務めた中泉監督。そしてもう1人、スチールを担当した浅沼監督。なんと、異例の3人体制で演出した作品が、ついに公開です。製作期間3年とあったので、『カメ止め』のヒット前から構想されていたのかもしれませんね。彼らの創造力にはまだ大きな可能性があるということでしょう。

 さて、『カメ止め』もそうでしたが、今回も「ネタバレ厳禁」です。題名の『イソップ〜』も、妙に可愛い動物キャラになっている美少女3人のポスターも、何のヒントにもならないと申しておきましょう。何しろ、試写会の案内にもごていねいに「3家族の正体について」「各登場人物が山小屋に集まって以降の後半の流れ」を解禁留保情報として、念押しされているほど。だから、このコラムでも展開は何も申し上げられないのが残念ですが、一つだけ、冒頭からの何気ない母子の団らんなど、ちょっと間延びしてるんじゃ? と思うエピソードですら、あとできっちり回収されていきますので、気を抜かずに見て、記憶に残していただきたい。「なんかこの家、玄関の照明がやけに薄暗いなあ」と気になっていたら、そんなことすら確かな伏線になっていました。

 前作は後半のあっと驚くどんでん返しが評判でしたが、さすがに2度は同じ手を使えない。でも、何かやってくれるに違いない…と思っていたら、期待にたがわず!! です。

 以前、上田監督が前作のインタビューで「100年後も面白がらせる作品を作りたい」と話されているのを読みました。次回作を期待され、全く違うテイストで期待を超えていくあたりは、故・伊丹十三監督を彷彿させます。伊丹監督は、芸達者な役者陣をずらりと登場させましたが、本作は有名どころといえば、佐伯日菜子ぐらい。昨今のホラー映画に欠かせない佐伯さんが出てくるだけで、画面の雰囲気がおどろおどろしくなるから、いいスパイスになっています。あとは、主役に新人を抜擢するなどインディーズ感はそのままに、相変わらずのスピード感とグルーブ感。観客は渦に巻込まれていきながら、結果として日本人が最も好きなテーマに落とし込まれていく。実にお見事です。

 ネタバレさせず、SNS等での拡散も案内状に推奨されていましたが、当方、SNSの類いは一切やってませんので本欄に頼る次第です。

画像提供元:(c)埼玉県/SKIP シティ彩の国ビジュアルプラザ

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■イソップの思うツボ
監督/浅沼直也、上田慎一郎、中泉裕矢 出演/石川瑠華、井桁弘恵、紅甘、桐生コウジ、川瀬陽太、渡辺真起子、佐伯日菜子、 配給/アスミック・エース 8月16日(金)全国ロードショー。
■シャイな大学生の亀田美羽(石川瑠華)は、カメだけが友達の内気でシャイな女子大生。超売れっ子“タレント家族”の娘で大学生の兎草早織(井桁弘恵)は、いつも恋愛を求めている。戌井小柚(紅甘)は、父と2人で“復讐代行屋”として、その日暮らしの生活を送っていた。ウサギとカメ、イヌの名前を持つ3人が出会う時、最高の奇跡が起こる。

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やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中。

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