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何やってんだNHK!宇宙の人気番組「新銀河紀行」滅びた地球をテレビで見せられた不思議体験をご報告

2019/8/24 09:45 エキレビ!

『宇宙の人気番組「新銀河紀行〜驚異の地球文明〜」』より。筆者のパワポによるタイトル画面再現。 『宇宙の人気番組「新銀河紀行〜驚異の地球文明〜」』より。筆者のパワポによるタイトル画面再現。


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8月19日。NHK総合『ニュースウォッチ9』が終わった午後10時。その奇妙な番組は何の前触れもなくはじまった。

画面に「太陽けレ|第ヨ惑星 土也 王求」と、かなと漢字が軽くバグったテロップが表示される。ナレーションによれば、地球は人口爆発、食糧危機、環境破壊によって、全ての生命が息絶えたという。「そんな絶滅した地球人類の謎に迫る人気シリーズ」という前振りで、ズバーンと出てきたタイトルが「新銀河紀行〜驚異の地球文明〜」

なんか地球が滅びたらしい。番組表を確認すると『宇宙の人気番組「新銀河紀行〜驚異の地球文明〜」』とある。

報道スタジオ(みたい場所)に画面が切り替わる。「こんばんは」と頭を下げた2人のキャスターは、完全に見た目がおかしい。巨大な玉ねぎ頭の女性「クサノ」(草野満代)と、グレーの髪を逆立てたメガネの男性「イシザワ」(石澤典夫)。2人とも大きな耳の先端はとがっていて、体にはイソギンチャクのようなマカロニのような突起物がウネウネと生えている。

「かつて存在した地球の文化・文明を、膨大なアーカイブから探求する番組」という説明のあと、ゲストの「地球人の数少ない生き残り」が紹介される。

2人から離れ、おどおどした顔で座っていたのは、絞り染めのシャツを着た普通の地球人「カトう」(加藤諒)だった。

滅びた地球の文明をVTRで解説


宇宙人を前に、ノーマルな地球人として紹介された加藤諒の姿はそれだけで出オチである。しかも宇宙人を前に「すっごいアウェイですよ今」という。そりゃそうだ。滅んでだから地球は。アウェイ中のアウェイだ。

もはや『LIFE!』のコント(宇宙人総理とか)なのだが、これは地球文明を探る教養番組である。テーマは「なぜ地球人類は、あまりうまいと絵とは思えないゴッホの『ひまわり』に心を奪われたのか」。イシザワに「あのゴッホの絵は、ホントにうまいと思いますか?」と問い詰められた加藤諒、「僕よりはうまいと思います……」と返すのが精一杯。

番組はVTRへ。ワイプにキャスターの2人が映っているのだが、玉ねぎ頭が入るようにワイプも縦に長い。

VTRには「乱暴に描かれた絵」などちょいちょい雑なワードが登場し、有識者への取材は「地球人のインタビューが残されていた」という体になっている(絶滅しているから)。とはいえ、VTRの作りはいたって真面目で、ゴッホの生い立ちと絵のタッチの変化を解説。その壮絶な人生が作品に付加価値をつけたのかもしれない、と締める。

構造だけ取り出せば、素朴な疑問と解説VTRだ。同局の『チコちゃんに叱られる!』と同じである。ただ、イシザワは顔を真っ赤にして怒ったりしない。ベテランの風格から織りなす、徹底した無のリアクション。メガネの奥の細い目は動かない。その無言の間がカトうを追い詰める。

イシザワ「カトうさん、VTRになかったゴッホの『ひまわり』について補足情報、おありでしょうか?」
カトう「え〜どうだろう!? 他になにかあるかな……」
イシザワ「……」
カトう「他には……? え、他には!?」
イシザワ「……」
カトう「……すごい有名な絵です!」
イシザワ「……だそうです」

番組の最後はクサノの「素晴らしき地球文明。愛すべき地球人類。なぜ滅んでしまったのでしょう。本当に残念です」という言葉でお別れ。なんだったのか……という余韻も束の間、立て続けに「茶の湯」「ゴルフ」の回が流れる。こんな面倒なことをなぜやるのか、こんなことがなぜ人気なのか。宇宙人の素朴な疑問に応え続ける50分間であった。

「大雨警報」のテロップに興奮する


そんな『宇宙の人気番組「新銀河紀行〜驚異の地球文明〜」』に、ちょっと興奮した瞬間があった。

番組の最中に「大雨警報 東京都 昭島市」のテロップが出たのだ。

地球は滅びたことになっているのだ。これから大雨が降る東京に、もう人類はいない。もちろん気象警報なので必要な情報なのだが、番組の世界観を壊すことになりかねない。

ただ、このテロップを番組の世界観に取り込んだら……と考えたのだ。カトうのほかにも、地球人類の生き残りはいるはずだ。地球を脱出して、他の星に居を構えたりするだろう。その場所を「東京」と名付けたりするかもしれない。もう戻れない地球への思いを、地名にこめて暮らしているのかもしれない。

その「東京」で『新銀河紀行〜驚異の地球文明〜』を見ていると考えるのだ。母なる地球をテレビが取り上げるとなれば、そりゃ絶対見るだろう。『秘密のケンミンSHOW』に出身県が特集されるようなものだろう。そこに「大雨警報 東京都」のテロップが出る。あの東京とは違う、銀河のどこかにある「東京」に雨が降る。

それをリビングで見ている僕はどこにいるのだ。ここは地球か。地球じゃないのか。カーテンを開ける。地球だ。よかったよかった。

取り急ぎご報告したいことは以上です。
(井上マサキ タイトルデザイン/まつもとりえこ)

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