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経産省の脅迫か。各紙の伝え方が炙り出す「消費増税とコンビニ」

2019/8/23 04:45 まぐまぐニュース!

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10月1日に引き上げられる消費税の「周辺」がさらに騒がしくなってきました。コンビニ大手は、増税に伴う2%のポイント還元を支払い時に行うことを決定、新聞各紙も大きく報じています。この動きについて「釈然としない」とするのは、ジャーナリストの内田誠さん。内田さんは自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で各紙の報道を詳細に分析するとともに、ポイント還元制度について否定的な見解を示しています。

「消費税とコンビニ」、各紙の伝え方はどうだったのか?

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「被災地職員 過労死ライン」
《読売》…「徴用工解決へ意思疎通」
《毎日》…「日韓 安保も平行線」
《東京》…「小売業 自ら中小企業化」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「象牙規制 国内市場が焦点に」
《読売》…「日韓「対話」は復活」
《毎日》…「こじれる日韓 観光直撃」
《東京》…「国内事情で譲れぬ日韓」

プロフィール

きょうのテーマは「消費税とコンビニ」です。統一したテーマとは言いがたいところがあり、また新聞によって濃淡はありますが、全体に大きく取り上げられています。

■大手の「例外」を簡単に認める経産省■《朝日》
■コンビニ店主の嘆き■《読売》
■コンビニ業界の理想の姿は■《毎日》
■偽装中小企業■《東京》

大手の「例外」を簡単に認める経産省

朝日】は3面にコンビニ大手のポイント還元について比較的大きな記事を書いている。これは、昨日の《毎日》朝刊4面に短く掲載された独自記事を後追いして大きな記事にしたものとみられる。《朝日》も独自の取材を加えているので、新しい内容も見られる。

見出しは「消費増税 ポイント即還元」「コンビニ大手 キャッシュレス決済2%分」「実質値引き消費減防止へ」「例外扱い■表示には制限」となっている。

《毎日》の昨日の記事では「コンビニ大手3社」(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)となっていたが、今朝の《朝日》ではミニストップが加わって「コンビニ大手4社」に。「3社は直営店加盟店ともに実施ミニストップは直営店でも実施するか検討中とのこと。スーパーが追随する動きについては昨日から報じられているが、《朝日》は全国の中小スーパー211社が加盟するシジシージャパンは関連会社が運営する電子マネーを使えば5%分を還元支払いと同時にチャージされるという。

ポイント還元は本来、買い物ごとに溜まっていったポイントを事後的に現金として使えるようにする仕組み(10月1日から9ヶ月間)だが、「経産省はコンビニ大手などが導入する即時還元を例外として認める方針だ」という。「例外」はもう一つあり、大手カード会社(現状、キャッシュレス決済の大半を占める)は、毎月の請求額から還元分を相殺する方法を採用する見込みで、これも「例外」だという。

どうもこの話、釈然としない。全国に200万店あるといわれるポイント還元策対象の中小店舗のうち、参加登録は今のところ24万店しかない(急増中で、既に40万件に達したという情報もある)。コンビニにせよ大手カード会社にせよ、「2%組」の例外を広く認めてしまえば、大手での買い物はキャッシュバック感が強くなり中小は今以上に競争上不利になりかねない。禁止されているはずの事実上の「キャッシュバック」を経産省が「例外」として認めるのは、まだ登録していない中小店舗にとっては、一種の“脅迫”に見えないだろうか。売り上げを増やし、利益を増やさないと、年度末の消費税納付は大変になるよ…というような脅し。おそらくは“脅迫”の甲斐あって、登録店舗数は急速に増えていくのだろうが。

コンビニ店主の嘆き

読売】は、2面で経産省が始めたコンビニオーナーに対する聞き取り調査について報じている。見出しは「コンビニ店主「負担」口々に」「「人手不足」「24時間 分担制に」」。

24時間営業や人手不足を巡る軋轢が表面化して、経産省も実態把握に動き出さざるを得なくなったということだろう。経産省が設置した有識者会議「新たなコンビニのあり方検討会」が行ったヒアリングで、オーナーらからは「チェーン本部と加盟店の関係の見直しを求める声や、人手不足で24時間営業が難しくなっているといった意見が相次いだ」という(会議は非公開)。

経産省が出席者を募集したところ、応募者1,600人、そして抽選で選ばれたのが120人。今回は首都圏などのオーナー約20人が出席したという。終了後取材に応じた委員の1人は「環境が変わっているのに本部と加盟店の利益配分は変わらず加盟店の負担が大きいという意見が多かった」(消費者団体代表)と話したという。その他、参加したオーナーらからは、作業が増え人件費が増えるなか、24時間営業をやめようとすれば契約が更新されないかもしれないという「本部の圧力」などが話されたという。

この記事の下に、ローソンが軽減税率適用商品の値札に「軽」という表記を入れ、レシートにも反映させるとの記事。

コンビニ業界の理想の姿は

毎日】は6面経済面に2本の記事。《読売》と逆で、ローソンの記事が先に来て、オーナーからの聞き取りの記事が後。いずれも扱いは大きくない。

まずはローソンについて。見出しは「ローソン、値札に『軽』減税率」。ローソンは、「増税後は軽減税率が適用されるテークアウトの総菜の需要が高まると見込んでおり、9月初旬から総菜などの新商品を順次発売する」という「逞しさ」を見せている。

コンビニオーナーらからの聞き取りについては、「9月に掛けて全国8都市で121人を対象に実施する」という。オーナーらからは、本部に支払うロイヤルティー加盟店指導料が高いとの声、あるいは国に対しても「業界をどうしたいのかが見えない」との批判の声も上がっていたという。《読売》でも見解が引用されていた消費者団体の代表は、「国としても何らかの望ましいビジネスモデルを示す必要があるのではないか」と踏み込んだ発言をしているようだ。

偽装中小企業

東京】は1面トップと3面に続く特集「消費税8から10」。見出しは「小売業 自ら中小企業化」「ポイント還元狙い資本金減ラッシュ」「税金投入 正当性に疑問」(以上、1面)、「小売り間競争に不公平感」「減資ラッシュ 決済端末補助など目当て」「ポイント還元策の副作用」(以上、3面)。

1面記事。キャッシュレス決済のポイント還元制度に参加して、「国からの支援を受けて集客する狙い」で、資本金を5,000万円以下に減らして中小企業になる事例が続発しているという。

キャッシュレス決済時に5%のポイントを還元する制度の対象は、「資本金5,000万円以下または従業員50人以下」の中小店舗のみ。端末の補助金も中小店舗なら実質負担ゼロになる形で受けられる。

帝国データバンクによれば、「減資」が確認されたのは2018年1~7月が252件だったのに、2019年の同期には412件と大幅に増加。7月には神奈川県内のスーパーが1億円から5,000万円に減資。3月には埼玉県の百貨店も1億円から5,000万円に減資。《東京》がその理由を尋ねると、両社は「今後の資本政策の柔軟性や機動性を確保するため」などとして明言を避けたという。

このポイント還元の原資は国民の税金。本年度2,800億円の予算が組まれている。大きな企業が「減資という帳簿上の操作で恩恵を受けるなら税金投入の正当性に疑問が生じるのは必至」とする。世耕経産相は、「期間終了後、再度増資するというケースが見られた場合には申請時点にさかのぼって対象外としたい」と言っているが、これはあやふやな話。

キッチリ5,000万円まで減資しているところから見ても、実態としては「減資のふり」、「偽装減資」と言えそうだが、ほとぼりが冷めるまで増資しなければ、スンナリ切り抜けられてしまう。世耕大臣が口にしたような曖昧な対策では対処のしようがない。また企業側からすれば、ポイント還元制度に参加するために「減資して何が悪い」ということにもなるだろう。記事によれば、中小企業向けの優遇税制を狙った、節税のための減資も存在しているくらいだという。

しかし、こんな、企業の怪しげな動きまで誘発するようなポイント還元制度は、そもそも消費税率の10%への引き上げという政策の危険性をできるだけ消費者に実感させないようにするための小細工にすぎないというところに根がある。

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