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天体写真家が発見した「彗星の子」が儚くも美しい

2019/8/19 13:00 ギズモード・ジャパン

Image: ESA/Rosetta/MPS/OSIRIS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA/J. Roger via Gizmodo US Image: ESA/Rosetta/MPS/OSIRIS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA/J. Roger via Gizmodo US

小さな大発見。

スペインの天文写真家、Jacint Rogerさんの丹念な画像解析のおかげで、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(登録番号67P)から派生した天体が「月」のように周回する様子が公開されました。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のまわりを衛星のように巡っているので「Churymoon(チュリィムーン)」とヨーロッパ宇宙機関(ESA)の研究者、Julia Marín-Yaseli de la Parraさんによって名づけたこの天体。でも「月」というよりは、むしろ彗星から生まれて懸命に母体にまとわりついている子どものよう…と愛着を感じてしまうのは私だけでしょうか?

gizoytizy738frmorkfb-minImage: ESA/Rosetta/MPS/OSIRIS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA/J. Roger via Gizmodo US

これまでもいくつもの「Churymoon」が観測されてきたそうですが、この「彗星の子(勝手に命名)」が今までで一番大きいそうです。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、2004年に打ち上げられたESAの探査機ロゼッタのターゲットに選ばれたことでも有名。2014年にはロゼッタが彗星の周回軌道に乗り、着陸機フィラエが世界初の彗星着陸を成功させました。以来、ロゼッタは彗星とともに宇宙を旅しながら、彗星の画像を地球に届けてくれています。

Rogerさんは、そんなたくさんの画像の中から見事この「彗星の子」のイメージをつなぎ合わせたというわけです。

宇宙を横切る雪だるま

そもそもチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星自体が不思議な天体です。

まるでふたつの岩のかたまりが別々の方向からゆっくり接近して合体したような、いびつな雪だるまみたいなかたちをしており、大きなほうのかたまりは最長約4キロメートル、小さいほうは最長約2.5キロメートル。極端な楕円形軌道で太陽を周回する途中で、地球と木星の軌道にも接近します。

彗星は氷と岩石とでできた小さな天体です。太陽に接近すると、その熱で融け出したガスと塵が放出されてコマを形成します。いわゆる彗星の「尾」は、このコマが太陽風にあおられて、たなびいている姿。

2015年夏、ESAの探査機ロゼッタが見守る中、太陽に接近しつつあったチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にコマができ始めました。そして同年10月21日、吹き出すガスや塵に混ざって長さ4メートルのかけらが砕け飛びました。これが後にRogerさんの手によって世に知られることとなった「彗星の子」の誕生でした。

ESAはその後の動きを追跡したものの、やがてチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のコマの明るさにかき消されてしまい、10月23日以降は行方知らずとなってしまったそうです。

未知の可能性

ESAの研究者は、今回の「彗星の子」に限らず、すべての「Churymoon」のかたちや大きさ、そして派生した後の動きに注視しています。彗星から分離した後も彗星の影響を受けて変化していくのか、あるいは変わらないままなのか…。

特にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の場合、微生物の存在をほのめかす有機物質が検出されていたり、分子酸素の存在が確認されているために、「Churymoon」の成り立ちや成分も気になるところ。

ロゼッタからは相変わらずチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の画像データが送られてきており、これらは一般人もアクセス可能です。

画像解析に腕の覚えがある方は、ちょっと覗いてみてもいいかもしれません。Rogerさんの時のように、どんな発見が待っているかわかりませんから。

Reference: ESA

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