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平成ボートレースの名勝負は「まくり差し」とともに……

2019/7/25 15:49 日刊SPA!

提供:日本レジャーチャンネル 提供:日本レジャーチャンネル

<平成ギャンブル名勝負第9回・ボートレース編2位3位>

 ボートレースの好きな決まり手は何か? と聞かれたらほぼノータイムで「まくり差し」と答えている。なお、次に好きな決まり手は「恵まれ」なのだがそれは別の話。というのも、まくり差しの入った1周1Mから2Mまでの展開は、まさに「水上の格闘技」めいた混戦になることが多く、そこが特に好きな決まり手なのだ。

 第1位はまくり差しを決めながら惜しくも敗れたレースだったが、2位3位の名勝負は、そのまくり差しで決まったレースを推したい。

◆第2位 【四つ巴の大熱戦】
平成15年(’03年)6月1日
ボートレース平和島 SG第30回笹川賞競走(現・ボートレース オールスター)12R優勝戦
1 今垣光太 33歳 石川 A1
2 池田浩二 25歳 愛知 A1
3 烏野賢太 35歳 徳島 A1
4 石田政吾 32歳 石川 A1
5 加藤峻二 61歳 埼玉 A1
6 平石和男 36歳 埼玉 A1
(級別・年齢は当時)

 おそらく古いファンであれば、この頃の平和島について多くを語る必要はないと思うが、敢えて言えば当時の平和島は枠なり進入で決まることが少なく、比較的他の場よりまくりやまくり差しが決まりやすいこともあって、結果「インの墓場」とまで言われていた競走水面だ。さらに言えば、常に伯仲番組を組むという客にも選手にも難易度の高い場なのだ。

 そしてこの優勝戦、確かに戦前から名勝負の予兆があった。初日ドリームメンバーの中で優勝戦まで残れたのは今垣だけ、前日の準優戦1号艇全滅、そして還暦を越えてなおA1級を維持している加藤峻二のSG優出など話題性には事欠かない中で迎えた優勝戦である。スタート展示の段階で烏野や加藤が内側を伺う気配を見せており、本番でも3号艇の烏野が積極的に内側を取りに動いた結果、本番進入は枠なりではあったが、6コース平石の単騎カマシになっての12345/6。

 スリットは全艇ほぼ同体で抜けたが、やはり最初からダッシュを選択していた平石の艇が他より伸びる。1周1M、池田のツケマイに合わせた今垣がターンマークを外した隙間を平石は逃さず一気にまくり差しを決めて先行し、1周2M加藤の年齢を感じさせないシャープなターンをうまく利用しほぼ1着を確実なものとした。

 その後2周ホームからは今垣、池田、烏野、加藤による四つ巴の2着争いが続き、烏野が2周2Mでにようやく2番手を確保。しかし3周2Mまで、こんどは三つ巴で3着が確定しない大熱戦となった。ターンマークごとに順位の変わる展開、エキサイトする実況、舟券の当たり外れ関係なく満員の場内に響き渡る歓声と溜め息。

 平石の大舞台での記録にも記憶にも残るまくり差し、そして最後までレースを諦めない2着3着争い。確かにこの時、平石和男はSG優勝とともに名勝負をまくり差し一本で作り上げていた。

◆第3位 【水面と進入と】
平成11年(’99年)10月11日
ボートレース戸田 SG第47回全日本選手権競走競走(現・ボートレースダービー)12R優勝戦
1 江口晃生 34 群馬 A1
2 今垣光太 30 石川 A1
3 濱野谷憲 25 東京 A1
4 山室展弘 38 岡山 A1
5 岡本慎治 36 山口 A1
6 倉谷和信 35 大阪 A1
(級別・年齢は当時)

 関東の競走水面はそれぞれクセが強く、ここ戸田も例外ではない。

 当時の戸田は競走水面の狭さに加え、出走ピットの位置と枠順、待機行動水面までの距離の短さと待機行動時間の長さ、これらの要素が重なり、進入コースを含めた展開予想が立てにくい場であった。

 あげくの果てに進入がごちゃつくせいもあり、いまのボートレースのスタートのようにきれいに折り合った形でスタートを切ることも少くない。そういった特性もあり、この戸田水面もまたまくりやまくり差しが決まりやすい水面でもある。

 レースは5枠岡本が内にこだわり1枠江口とコースを競る、それを見越して進入が深くなるのを嫌った3枠濱野谷は6コースに回り、150m起しの位置ではあるが山室にカドが転がりこんで、15/462/3。

 スタートはほぼ同体か内側が少々ヘコみ気味、そしてコース取りの影響で山室の隣の倉谷とはかなり間が開いている、同様にスローの江口も岡本も進入が深くなり助走距離が足りないせいかスリット後の伸びが甘い。

 そうなると山室のまくり差しの出番。最初からこの展開を見て狙っていたとしか思えない躊躇のなさで岡本をまくり、そのまま江口を差しきるという、まくり差しのお手本のような1周1Mでの走りを見せて優勝、SG出場20回目にして初優勝であった。

 もちろん、まくられた岡本も差された江口もそのまま終わるわけもなく、追撃を試み諦めないレースで決して山室の勝利を楽なものにはさせなかった。

 山室を追撃しつつ2着争いを繰り返す江口と岡本。山室がほぼ1着を確定させてもまだ2着争いには決着がついていなかった。4-1か4-5か、それぞれの舟券を握り締めた客たちの声援と絶叫が最後まで場内に響いていた。

 このレース、山室のまくり差しの勝利は当然として、2着争いもまた名勝負と呼べる大熱戦だったことは間違いない。

「夢とか希望とかは与えることはできないと思います。しかし、少しの、ほんの少しの感動を覚えていただけるような、そういうレースができるよう……」

 その後の優勝祝勝会でのスピーチの一部だが、山室展弘の走りと勝利は「ほんの少しの感動」などではないと思っている。

(本文中敬称略)

【江戸川乞食】
シナリオライター、演出家。親子二代のボートレース江戸川好きが高じて、一時期ボートレース関係のライターなどもしていた。現在絶賛開店休業中のボートレースサイトの扱いを思案中

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