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【沼にはまる女たち】まだ足りない!もっと頑張らないとどん底に落ちてしまう!資格マニアの沼~その1~

2019/7/20 19:00 Suits-woman.jp

どこにでもいる女性でも気が付くと、その世界の『沼』にハマってしまうケースを紹介する本シリーズ。今回の沼は、いつか夢に追いつくのではないかと思い資格ばかり取り続けてしまう資格マニアの沼です。

「今の日本の労働者は常に下りのエスカレーターに乗っているようです。努力してもまったく報われない。でも、立ち止まれば、気づいたらすぐエスカレーターの下の方にいるんですよ。私、必死で下がるエスカレーターの階段を駆け上がっています。」

そうやってため息をついたのは山地弘子さん(39歳)。きちっと髪を束ねて色味の抑えたワンピースを着ている姿は彼女のまじめな性格を物語っているようです。現在、弘子さんは地元の有名進学校で国語の非常勤講師を勤めています。5歳の息子さんがいるシングルマザーです。現在、30近くの資格を持っているということですが、大学で教鞭をとるという夢を抱いて、今も資格を取り続けているといいます。

大学院まで進学したのに希望の就職ができず、高校の非常勤講師へ

「本当は大学教授になりたかったんです。ですが、1度も大学で教鞭をとったことはありません。私が新卒の時は就職もよくなくて。だったら、大学院に行ってもっとキャリアを積んで、大学教授を目指したいって思ったんです。しかし実際、有名国立大学の大学院に入って意気揚々としていられたのは大学院時代だけでした。有名国立大に入って将来約束されたつもりでいたんですけどね。でも、世の中はそんなに甘くなかったです。大学って論文数が実績になり、評価されるので、論文を人一倍たくさん書いていたのですが……。私が専攻していた国文学は、私が大学院を卒業するころにはもう求人自体があまりなくて。それに、あったとしても私のような人が殺到するからなかなか選ばれません。文学部って当時はたくさんあったのに、今は多くの大学でかなり淘汰されちゃっていますからね」

弘子さんは、大学の求人はかなり厳しいと言います。

「最近、大学はどこも求人は専任講師は少なく非常勤講師ばかりで任期のあるものばかりなんです。これでは生活が安定しないですよね。しかもその非常勤講師の職でさえなかなか手に入れることはできません。応募する際の提出書類だって、大学となると履歴書だけでなく、業績や論文の提出までしなくてはなりません。その書類は書くだけでも一苦労だし、それぞれの形式に合わせて一つ一つ作成するんですよ。論文だって全部コピーして。郵送料だってけっこうかかります。なのに、受からない、でも、実績を上げるために論文は書き続けないとならないって……けっこう辛いです。」

そう言いながら苦笑いをした弘子さん。大学の求人の募集は国文学があれば、場所や条件にもこだわらずすべて応募したそうですが、いまだに何も実っていないそうです。そんな弘子さんが資格にこだわるようになったのは、今の仕事と別れた旦那さんとのことが関係するといいます。弘子さんが離婚を決意したのは、息子さんが1歳の時だったそうです。

生活苦で旦那さんと別れることになり、資格の大切さを痛感

「主人は大学院時代の同級生なんです。彼と別れた理由は生活苦です。子供が生まれたのに、彼にはちゃんとした就職がなく、私が家計を支えていたんです。だから、私は産後なのに慣れない育児をしながらお金も稼がなくてはならなくて。結局別れるしかありませんでした。彼は大学で法学を専攻していたのですが、私と同じく法学も就職からはあぶれていて。でも、当時私は教職の資格を取っていたから、高校で教えることができたんですが、彼は研究職しか狙っていなかったのでまったく実を結ぶことがなかったのです。ほかの仕事と言えばせいぜい塾や予備校で教えて終わりです。資格がないばかりに彼は大学生のアルバイトと肩を並べて教えないとならないんですよ。こんなの教え方や技術なんて何の評価もされませんから。資格ばかり持っていても、その仕事にはつけないかもしれないけれど、私の場合、資格のおかげで今の仕事につけているとも言えるんですよね。」

弘子さんと旦那さんの収入の決定的な差は、資格があるかどうかで分かれたといいます。実は塾の講師と高校の非常勤講師は給与体系ではかなり大きく違いがあるそうです。

「塾の講師の単価は年々下がってきています。少子化ですからね。それに塾の講師と高校だと待遇が違うんです。高校教師は夏休みなどの長期休暇の間は実質仕事がありませんが、休み中でもしっかりお給料をいただけるのに対して塾の講師は実働分のみです。塾の講師は合格発表前後には授業がないのでがくんと収入が減ります。彼も私も同じ大学に入って、学力的には大きな差はないと思うんですけど……違いは資格があるかどうかだけですよ。彼だって、もっと早くそれを知っていれば教職の単位を取れないことはなかったと思います。大事なのは実力ではなくて、形式なんでしょうね。これだけで、年収100万円は違ってきましたから。私たちにとっては大きなことでした」

弘子さんにとって、旦那さんとの別れはお互い嫌いになって別れたというわけではないだけに、かなりショックを受けたそうで、複雑な思いを今も抱いているそうです。

「いうなれば、私たち家族は国の制度や経済に翻弄された被害者ですよ。当時、国は大学院進学のいわば旗振り役だったんですよ。法科大学院なんて弁護士の道が約束されているように見えていました。なのに、現実は法科大学院自体が淘汰されていて、今は弁護士自体も淘汰されちゃっていますよね。大学院まで行って、こんなに稼げないなんて思わないじゃないですか。いい学校に入って、いい大学に入って、いい大学院に入って、これだけ人生お金も時間もかけて勉強してきて、それでもこんなに必要とされてないなんて。国も少子化対策なんていってるけれど、これだけ高学歴で能力だってつけてるのに、家庭ひとつ守る経済力が得られないで離婚なんて、少子化の歯止めがかかるはずがないですよね」

弘子さんは、様々な思いの中で、資格を取り続けないと不安を感じるようになっていき……~その2~に続きます。

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