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“令和の怪物”佐々木朗希、甲子園までの5つの関門。弱小校に負けた過去も

2019/7/18 08:50 日刊SPA!

写真はイメージです(以下同じ) 写真はイメージです(以下同じ)

 もはや異常である。いや、前代未聞である。歴代高校生最速となる163キロをマークした大船渡高校(岩手)のエース・佐々木朗希を巡る大フィーバーのことだ。これまで1度も甲子園に出ていない高校球児がここまで騒がれるというのはいまだかつてない史上初の出来事。

 そんな“令和の怪物”を擁する大船渡は夏の甲子園に向け、県大会初戦の遠野緑峰戦で14-0と圧勝。順調なスタートを切った。だが、この快勝で“甲子園に向けて視界良し”とは決していえないのも事実なのである。そこで今回は佐々木擁する大船渡が甲子園に行くために乗り越えなければならない“5つの関門”を検証してみたい。

◆関門その1 盛岡四

 大船渡が勝ち進めば最初の強敵となるのが、4回戦での対戦が濃厚な盛岡四だ。同校はこの春の県大会では20年ぶりに決勝戦へと進出。花巻東の前に3-9と大敗したが、見事、準優勝に輝いた。その原動力となったのがエース・菊地芳と先発完投能力を持つ2年生左腕の山崎諒。この投手陣2枚看板に加え、打線も上位を任される高見怜人、主将の畠山航輔らを中心に粘り強い。準決勝では強豪の盛岡大付相手に接戦に持ち込み、最後には3-2でサヨナラ勝ちを収めるなど、戦いぶりもしぶとく厄介な相手だ。

◆関門その2 盛岡大付 

 2012年に花巻東時代の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の160キロを攻略し、夏の甲子園出場を果たしたことで一躍話題に。今や県内でその花巻東と2強を形成するのが準決勝での対決が予想される盛岡大付だ。当時、大谷攻略の秘密兵器となった超高速のピッチングマシンは“対・佐々木仕様”にさらに進化。常時160キロが出るように設定されている。それだけに当然、同校の自慢は“打力”。昨年秋の県大会では準決勝で当の佐々木を打ち込み、7-5で勝利するなどすでに実績もある。

 そんな強力打線は1番・佐々木俊輔に2番・峰圭哉、3番・岡田光輝を中心に今年も健在。そこに1年生ながら大器と噂される松本龍哉が加わり、さらにパワーアップした。投手陣も今春の選抜を経験した制球力抜群の左腕エース・阿部秀俊を中心に木内優成ら層が厚く、継投である程度試合が作れるのが強み。まさに強敵である。

◆関門その3 花巻東

 仮に大船渡が準決勝で盛岡大付を倒したとしても、決勝戦でラスボスとして待ち受けるであろう可能性ほぼ100%なのが、泣く子も黙る花巻東。あの菊池雄星(シアトル・マリナーズ)と大谷翔平の母校と言えば、もう説明は不要だろう。現・メジャーリーガー2人を輩出した強豪には今年も注目の好投手が存在する。下級生時には127キロだった最速が147キロに達したエース右腕・西舘勇陽だ。昨年春夏の甲子園を経験している点も心強い。

 この西舘に加え、左腕の中森至との継投で春の県大会を制した投手陣はほぼ盤石。攻撃陣も1番・向久保怜央&2番・高橋凌のうるさいコンビに強打の4番・水谷公省がどっしりと座る打線は強力。それでもこの夏の初戦は伏兵の花巻北相手にまさかの延長10回サヨナラ勝ちと苦戦を強いられたが、気持ちを引き締める意味では逆に良かったのでは。何より“元祖・160キロ右腕”を輩出しているだけに、佐々木にはなんとしても負けられない。大船渡にとっては苦戦必至の難敵となろう。

◆関門その4 試合日程

 大船渡にとっての敵は対戦相手だけではない。試合日程も、甲子園に行くためには乗り越えなければならない大きな壁となって立ちはだかっている。というのも、7月に入ってもまだ梅雨かと思わせる長雨の影響で(これは岩手県だけでなく全国的にだが)、試合日程が狂ってしまったからだ。

 当初、大船渡の初戦は15日が予定されていたが、雨天中止となり16日にずれ込んだ。これにより、24日の決勝戦まで9日間で6試合に勝利しなくてはならなくなってしまったのだ。春の県大会以降、チーム力の向上は認められるものの、やはりここ一番で頼りになるのはエース・佐々木。連戦が続く終盤にはその起用法がカギとなろう。

◆その5 監督采配。かつては部員11人のチームに敗北も…

 これは前述した佐々木の起用法とも関わってくるのだが、チームを率いる國保陽平監督の采配も注目点だ。というのも、今年ほどの騒ぎにはならなかったが、昨年夏も佐々木はチームのエースとして君臨。熱心な高校野球ファンの間ではすでに名の知られた存在だった。その佐々木擁する大船渡の昨年夏の成績は……というと、3回戦敗退。しかも2-0で迎えた7回に3点を奪われての逆転負けだったにも関わらず、この試合、佐々木の登板はなかったのである。さらに付け加えると対戦相手の西和賀はボート部からの助っ人を含む部員わずか11人という、悪い言い方をすれば“弱小校”。

 一部ネットでは監督の“やっちまった采配”と揶揄されたほどだ。今春県大会でも佐々木を登板させないまま初戦でサヨナラ負けを喫している。余計な深読みをすれば、もはやこれだけプロの目玉になっている佐々木にケガをさせてはいけない、無事にプロに送り出さなければならない……という思いが働いていても不思議はない。だが、佐々木本人にとっては最後の夏。悔いのない投球を披露してもらいたいものである。

――以上、5つの関門を無事突破して、佐々木擁する大船渡は甲子園にその姿をみせることが出来るのか? ファンにとっては全国の舞台で活躍する姿を見てみたいのだが、果たしてどうなるか。<文/上杉純也>

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