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JR東日本は太田、西田ら豪華投手陣だけじゃない 捕手の渡辺にも注目【都市対抗野球】

2019/7/5 10:54 SPAIA

JR東日本・渡辺和哉ⒸSPAIA JR東日本・渡辺和哉ⒸSPAIA

太田のストレートにどよめき

気持ちがこもったそのストレートは球速がぐんぐんと上がって行った。

6月5日、明治神宮野球場。都市対抗野球東京二次予選、第3代表決定戦。JR東日本・太田龍(鹿児島県・れいめい高卒)は、味方に1点をリードしてもらった直後の5回裏、相手の4番、泉澤涼太(明治安田生命)を迎えると、もう一段ギアを上げて、己の力を解放した。 145キロ、148キロ……。

センターバックスクリーンに球速が表示されると、その度にスタンドからどよめきが広がった。

「もう、余計な球はいらない」

そのボールに手応えも感じていたキャッチャーの渡辺和哉(専修大卒)は、3球目もストレート勝負を選択。すると、センターバックスクリーンに表示されたスピードガンの数値はこの日最速の151キロ。泉澤のバットはみたび空を切った。

この予選期間、太田は苦しいピッチングが続いていた。

最初の躓きは5月28日に行われた第1代表決定トーナメントの準決勝・鷺宮製作所戦だ。

この日先発でマウンドに上がった太田だったが初回、先頭打者の竹原祐太の中前安打と盗塁で1死二塁のピンチを招くと、鷺宮製作所の3番、茶谷良太の3球目、カットボールがキャッチャーの構えるミットから外へ大きく外れて三塁進塁を許す。さらに6球目、外の変化球をワンバウンドの暴投にして先制点を与えてしまい、終始波に乗り切れないまま1回2死1失点で降板した。

その2日後、3連投で迎えた5月30日の第2代表決定トーナメントの準決勝(明治安田生命戦)でも、6回から登板し、6、7、8の3イニングを無失点に抑えたが、2対1の1点リードで迎えた9回に相手の8番、道端俊輔に同点適時打。延長10回には6番、大東孝輔に勝ち越し適時打を打たれるなど3失点。傷心で明治安田生命との第3代表決定戦を迎えていた。

苦戦の原因はバッテリー間の食い違い

調子自体はけっして悪くなかった。

5月28日の鷺宮製作所戦の試合後には、キャッチャーの渡辺と簡単な話し合いをもった。もっと直球で圧したいと考えていた太田と、変化球中心の配球になっていた渡辺の間で食い違いが生じていたのだ。

渡辺が言う。
「(太田から)変化球が多いという話がありました。最近の試合でもそういう状況が続いたので、そこで二人で話をして、『もう少し直球を増やしていこう』という話になりました」

普段は口数が多くない太田のめずらしい自己主張だった。

すると、翌5月29日の第2代表決定トーナメント2回戦(東京ガス戦)では8回裏、8対7、1点リードの場面で登板すると、相手9番の小野田俊介を高めのストレートでセカンドフライに抑え、二死1、3塁の窮地もあっさりと切り抜ける。さらに9回も先頭の笹川晃平を落ちる変化球で空振り三振に斬ってとると、その次も三振を奪うなど圧巻のピッチングで試合を締めた。

「あいつ自信も吹っ切れただろうし、チームももう1回『太田(で行こう)!』ってなるには、もう本当にあそこでね。三振が獲れる子なのでここで勝負をかけようかなって思いました」

指揮を執る堀井哲也監督の表情も満足げだった。気持ちの部分でもスッキリした太田のボールは本来のキレを取り戻した。

本大会出場を決めた6月5日の第3代表決定戦でも、ストレートを中心にスライダー、カーブといった持ち球を活かして相手打者から4つの三振を奪う快投。予選前半の不振が嘘のようなピッチングを見せた。

豪華投手陣をリードする渡辺和哉に注目

この太田を中心に今年もJR東日本の投手陣は豪華だ。

140キロ後半の速球と切れ味鋭いスライダーを武器に空振りが獲れるピッチングの西田光汰(大阪・大体大浪商高卒)はプロのスカウトが注目する一人。他にも2016年のドラフト会議で北海道日本ハムからドラフト指名されながら、あえて社会人野球の道を選んだ左腕・山口裕次郎(大阪・履正社高卒)、昨年、一昨年と大学JAPANにも選出されている新人左腕の伊藤将司(国際武道大卒)など、さすが「名門」と言えるほど今年も好投手揃いだ。

彼らをリードするキャッチャー渡辺の存在も魅力だ。

この予選期間は投手陣の苦しい展開が続く中、試合で打たれてもそのマイナス分を翌日には引きずらず、切り替えの早さも光った。

「負けても都市対抗予選は連戦が続くので、いかに気持ちの切り替えが出来るかが大切だと思うんです。試合の中でもそうですけど、仮に自分達が劣勢であっても、いかに最少失点で切り抜けるかが大事だと思いますし、そこを意識して出来れば中盤で逆転する試合も産まれてくると思うんです」

渡辺の言葉通り第3代表決定戦では5回に自身の二点本塁打から反撃。逆転勝ちを収めて、チームを本大会に導いた。

6月25日からさいたま市のNITTSU浦和ボールパーク(日本通運グラウンド)で4日間に渡って行われた「BFAアジア選手権大会 侍ジャパン社会人代表選考合宿」にも、その渡辺の姿があった。

同僚の佐藤拓也、丸子達也もこれに参加。プロのスカウトも注目する中、日頃とは違う経験を積むことで、チームに多くの財産を持ち帰った。

「(昨年は)ドラフト漏れ(の悔しさ)もありましたけど、それよりも今は昨年の都市対抗野球の悔しさの方が自分の中では強くて…。そんな中で今年を迎えて、『チームのために』と思う気持ちもより一層強くなっている気がします。『今年こそは』って感じです」

昨年は優勝した大阪ガスに準決勝で敗れ、惜しくもベスト4に終わった。渡辺でなくても「今年こそ」の想いは強い。

大会初戦は7日目の第3試合、七十七銀行(仙台市)とヤマハ(浜松市)の勝者と、シードとして対戦する。

昨年、惜しくも届かなかった黒獅子旗を手にすることが出来るか。他チームも羨む豪華投手陣を、社会人屈指の好捕手がリードする。

記事:永田遼太郎

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