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「モラハラは離婚原因として認められるようになってもいい」弁護士が解説 “話し合い”での解決は難しい

2019/7/4 07:00 キャリコネニュース

証明が難しいのが難点です 証明が難しいのが難点です

配偶者やパートナーから精神的な暴力を受けるモラル・ハラスメント、いわゆる「モラハラ」で苦しむ人がいる。身体的な暴力と違い痕跡が残らないため、離婚時の裁判では証明が難しいとされている。

7月2日放送の「モーニングcross」(TOKYO MX)に弁護士の山岸久朗氏が出演し、モラハラについて「本当に悩んでいる配偶者の方が多いので、国民的な議論が必要だと思います」などと考えを述べた。(文:篠原みつき)

「夫の帰宅時間が近づくと動悸がしたり緊張して体がこわばる」という人も


民法770条1項では、離婚の訴えを提起できる5つの条件を、「1.配偶者の不貞行為、2.配偶者から悪意で遺棄されたとき、3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、4.配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき、5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」としている。

モラハラについての規定はなく、「5.その他」が適用されそうに思うが、「現実の裁判ではほとんど認められない」という。しかし山岸氏は「それでいいんですか」と疑問を投げかけている。5月23日付けの朝日新聞の記事から、加害者の典型的な特徴を次のように挙げた。

・自分は特別扱い、他人には厳しく冷淡
・自分の利益のために平気で嘘をつき他者を駒のように扱う
・弁は立つが話し合いはできない
・妻の向上心や楽しみを否定する
・何時間もしつこく説教する

加害者と被害者は夫妻逆転する場合もあるが、弁護士の実感としては夫が加害者の場合が多いという。

一方、被害者(妻)は上記のような配偶者と暮らすうち、「夫と一緒にいる時が息苦しい」「夫の帰宅時間が近づくと動悸がしたり緊張して体がこわばる」「機嫌を損ねるのが怖いので夫の表情を読み取り不測の事態に備える」「失敗した時夫の激怒した顔が浮かぶ」 といった症状が表れるとのこと。

「モラハラはもっと注目されて、離婚原因として認められるようになってもいい」

山岸弁護士は、妻はこう、夫はこうという「区分けは間違い」と指摘している。被害者である妻の心的ストレスは「カサンドラ症候群」と呼ばれることにも触れ、加害者が酷い態度をとることは、「生まれつきのことが多いんですよ」と語った。カサンドラ症候群とは、配偶者が自閉症スペクトラム障害で、情緒的な関係が結べず心的ストレスから不安障害やうつ状態などに陥る心身症状を指す言葉だ。山岸氏は、

「要するに、『他人の思いを理解できない人』にモラハラ的な特徴が多く表れる。生育環境もありますが、生まれつきのほうがもっと多い。だから話し合いで解決できる問題じゃないんです」

と主張。「モラハラはもっと注目されて、離婚原因として認められるようになってもいいと思います」と語った。

実際、モラハラで悩む人は少なくないようで、先日のキャリコネニュースで、コミック『夫の扶養からぬけだしたい』(ゆむい著/KADOKAWA)が紹介された際には大きな反響があった。「総額たった40万円で共働きって堂々と言えんの?」「そんなに家事ができないって言うなら僕と同等に稼いでみなよ!!」などの夫の言葉がネット上で注目され、「うちのことかと思った」といった声が上がっている。

2ちゃんねるにもスレッドが立ち、「なんでそんなのと結婚してんの?早く別れなよ」という声や、「この奥さんは被害者意識が強すぎ」など様々な意見が出ていた。

コミックに登場する夫は、先述の特徴に当てはめるならば、「弁は立つが話し合いはできない」「妻の向上心や楽しみを否定する」が思い当たる。診断されていなくても、グレーゾーンの人は多いのではないだろうか。

この妻の場合は、夫の協力を諦め自分で稼ぐ道を模索し前向きになれたので良かったが、もっと酷い場合は自尊心が破壊され、さらに自立できない悪循環に陥ってしまう人もいるだろう。モラハラという目に見えない暴力について、離婚要件も含め理解や議論が深まって欲しい。

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