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森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★政府がひた隠す不都合な真実

2019/7/4 06:00 週刊実話

 2004年の年金制度改革で、政府は5年に一度、公的年金の将来見通しを明らかにする財政検証を行うことになった。今年がそのタイミングにあたり、本来であれば6月にも発表される予定だった。ところが、根本厚生労働大臣は、「作業が完了次第発表する」と答弁するのみで、いまだに公表予定さえ明らかにされていない。おそらく、参議院選挙後まで、発表を引き延ばす戦略なのだろう。

 一部の報道では、検証作業自体はすでに完了しているというのに、一体、何を隠そうとしているのか。

 ヒントは、5年前の財政検証にある。同検証は、年金の将来見通しをケースAからケースHまで、8パターンに分けて推計する。ケース分けは、年平均の賃金上昇率が高い順に並べられ、最も高いケースAが4.3%で、順に低くなり、最も低いケースHが1.3%だった。

 推計結果のうちケースA〜Eという5つのケースは、所得代替率が今後も50%を維持できる結果となっていたが、ケースF〜Hは、50%を大きく割り込む推計だった。

 所得代替率とは、現役世代の手取り収入の何パーセントを年金で得られるのかという数字で、厚生労働省はこれまで一貫して厚生年金をフルに払い続ければ、現役世代の手取りの半分以上の年金を支払いますと約束してきた。その約束を守れるのは、賃金上昇率の高い5つのケースしかない。当時、メディアは「年金制度を守るためには経済成長が不可欠」と一斉に報じた。

 しかし、それは誤報だ。賃金上昇は、年金制度にほとんど影響を与えない。確かに賃金が上昇すれば、比例して年金保険料収入は増えるが、同時に年金給付も増やさないと、所得代替率が維持できないからだ。

 なぜ5年前の財政検証でケースA〜Eの5つが、所得代替率50%を確保したのか。それは、60代後半を働かせるようにしたからだ。ケースA〜Eは、60代後半の労働力率が67%に上昇すると見込んだのだ。

 65歳の年金支給開始とともに引退して、年金生活に入られたら、年金制度は維持できない。だから、3分の2の男性が70歳まで働き続けてくれれば、年金給付はなんとか維持できますよというのが、5年前の財政検証の答えだったのだ。

 それでは、今回の財政検証では、どうなったのか。実は、将来労働力の推計は、財政検証が行われるのに先立って、厚生労働省に設置された雇用政策研究会が行うことになっている。雇用政策研究会は、すでに今年の1月に報告書をまとめている。この報告書で、「経済成長と労働参加が進むケース」に示された男性60代後半の2040年の労働力率は70・1%だ。7割の男性に70歳まで働けと言っているのだ。女性も53・7%と過半数が働く想定だ。

 この数字が今回の財政検証に使われているのは、確実である。つまり、「男も女も、70歳まで働き続けろ。そうしないと年金制度が破綻してしまうぞ」というのが、今回の財政検証の核心であり、政府が隠したい不都合な真実なのだ。

 すでに政府は70歳までの就業機会の確保という美名の下で、就労促進を図っている。それに乗った国民はどうなるのか。いま、男性の健康寿命は72歳。ようやく年金がもらえるようになったら、たった2年で介護施設行きになるのだ。

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