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電撃的な米朝トップ会談…トランプ大統領の腹の中

2019/7/2 08:30 日刊SPA!

写真/AFP=時事 写真/AFP=時事

「当面、中国に対する関税は引き上げない」

「大量の米国製品がファーウェイのさまざまな製品に使われており、(事実上、禁止としていた)取引を続けてもかまわないと思っている」

 6月29日、米国のトランプ大統領は、G20大阪サミット閉幕後の記者会見で、中国との貿易交渉を継続させることを明言した。

◆なぜトランプ大統領は中国に譲歩したのか

 今回のG20最大のテーマは、言わずもがな、目下、世界経済の下振れ要因となっている「米中貿易摩擦」の緩和だった。議長国・日本の安倍晋三首相も、G20初日に「対立を際立たせるのではなく互いの共通点を見いだし、ウィンウィンで持続可能な世界を実現するサミットにしたい」と意気込んでいたが、最終日に行われた米中のトップ会談で、どうにか「全面衝突」だけは回避された格好だ。

 トランプ大統領は、中国が米国産農産物の買い取り拡大を決めたのと引き換えに、対中制裁第4弾となる3000億ドル(約32兆円)の追加関税を見送り、中国通信機器大手・ファーウェイの輸出全面禁止措置も解除したが、なぜ、トランプ大統領はこれまでの強硬姿勢を一変させて中国に譲歩したのか? 過去に米国「ヘリテージ財団」でシニア・客員フェローを務めた、東洋大学教授の横江公美氏が話す。

「トランプ大統領は28日夜の文化行事に1時間半、29日の女性の社会進出に関する行事に30分それぞれ遅刻し、大阪城前の記念撮影でも到着は最後と、G20の開催期間中、まともにこなしたのは習近平国家主席との貿易交渉だけでした。なぜなら、中国との交渉は大統領選のカギを握っているからで、それ以外の時間は、頻繁に民主党の党大会をディスるツイートをしていたくらいです。

 そもそも一連の米中貿易摩擦は、米国が一方的に仕掛けた言いがかりにすぎず、米中間に問題は何も存在しなかった。それなのに、米国が中国に①貿易赤字の大幅削減、②知的財産権の侵害(技術移転の強要)停止・保護、③産業補助金の削減と廃止、そして、④合意検証メカニズムを構築しろ、と条件を突き付けてきた。中国はやむなく①と②をのんだが、米国は③や④も言う通りにしろと恫喝する……。

 これらは共産党の一党支配体制を脅かすもので到底受け入れられないが、トランプ大統領にすれば、ゼロ回答でなければプラスと捉え、大統領選を有利に戦えると踏んでいたはず」

 G20開催前の18日、トランプ大統領は次期大統領選への出馬を正式に表明している。「Keep America Great(米国を偉大なままに)」を新たなスローガンに掲げ、政敵・民主党の候補者に対し「民主党に投票すれば過激な社会主義を高揚させ、アメリカンドリームを破壊する!」「民主党は国の分断を望んでいる!!」などと、本番さながらのボルテージで批判を展開している。横江氏が続ける。

「G20開催初日の28日、民主党の大統領候補によるテレビ討論会が行われ、多くの候補が『米国に企業や雇用を戻す』と口を揃えていたが、どの候補者も手法が少し違うだけで、本質的にはトランプ大統領の高関税政策と代わり映えのしない公約を訴えています。つまり、現在、中国脅威論が渦巻いている米国では、毅然とした態度で中国に臨む姿勢が好感され、大統領選においても民主党の支持票をも呼び込める耳あたりのいい政策だということ。

 当然、トランプ大統領はこれを理解してあえて強気な姿勢を続けてきたが、これは、対日政策にも当てはまるので、日本にとっても決して対岸の火事ではない」

◆中国の習主席はどのような青写真を?

 一方、中国の習主席はどのような青写真を描いていたのか……。共同通信社客員論説委員で星槎大学大学院教授の佐々木伸氏が話す。

「習主席は、今回の会談が不調に終わっても、来年の米大統領選まで待つ腹づもりだった。G20直前、習主席は紅軍(中国共産党)の長征(1934~36年)出発地を訪れ、『我われは今こそ新しい長征に出る』と長期戦を示唆したのがその証しであり、選挙を控えたトランプ大統領は、そこまで突っ張れないだろうという読みがあったのでしょう。

 というのは、制裁第4弾が発動されれば、中国へのダメージを受けるのはもちろん、制裁対象はアップル社の製品をはじめ一般市民の生活に影響が大きい品目が大部分を占めており、米国の好景気を支える旺盛な消費に影を落としかねず、米国経済も少なからず返り血を浴びることになるからです。

 今回、トランプ大統領が譲歩したことで話が前に進んだという見方は誤りで、中国の顔を立てたかのように見えるのは交渉再開の口実を中国に与えるためであり、中国から何らかの “見返り”があったと見るべき。G20前から交渉の切り札として中国はレアアースの全面禁輸をちらつかせましたし、今回は北朝鮮カードも切ったのではないか」

 G20最終日の午前8時すぎ、トランプ大統領は突然、自身のツイッターに「もし金(正恩・朝鮮労働党)委員長がこれを見ているならDMZ(非武装地帯)で握手してあいさつする用意がある!」と投稿。これを受けて、北朝鮮の崔善姫第1外務次官が「非常に興味深い提案だ」とする談話を発表し、一気に30日の電撃会談が実現する流れとなった。

「この場所でお会いできるとは思っていなかった」

 板門店でトランプ大統領と堅い握手を交わした金委員長はそう歴史的な邂逅を評したが、今回のトップ会談がトランプ大統領の気まぐれで実現したわけではなく、あらかじめ用意されていたサプライズ演出だったと見るほうが自然だろう。これまで仲介役を自認していた韓国の文在寅大統領が板門店の会談では蚊帳の外に置かれていたことからも、今回の会談をセッティングしたのはG20直前に金委員長と会談していた習主席なのではないか、といった憶測も飛び交っている。佐々木氏が続ける。

「習主席の訪朝は、金委員長に対し変な動きをしないよう釘を刺したと思われるが、対米的には、北朝鮮の後ろ盾である中国のプレゼンスを改めて示すことになった。トランプ大統領が突然、韓国と北朝鮮の国境にあるDMZに行ったとしても、これによって北の非核化が進展するとは考えにくいが、米国の現職大統領がいまだに冷戦時代を引きずるDMZを訪れて“ならず者国家”のトップと握手すれば、金委員長を手なずけている画が全世界に配信される。大統領選に向け、これほど絶大な効果のある選挙運動はないでしょう」

 佐々木氏の指摘する通り、米国メディアの多くは今回の電撃会談を「選挙目的のパフォーマンス」と断じているが、北朝鮮を巻き込んだ米中間の対立は、これで本当に収束に向かうのか? しばらくは目が離せない状況が続きそうだ。

取材・文/日刊SPA!取材班
※週刊SPA!7月2日発売号「今週の顔」より

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