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大河ドラマ『いだてん』第1部終了、宮藤官九郎のすごさを改めて感じた瞬間

2019/6/29 15:00 Suits-woman.jp

日本初の五輪のマラソンランナー金栗四三(中村勘九郎)を描くNHK大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺〜』は、6月23日放送の第24回「種をまく人」で第1部を終了しました。6月30日放送の第25回「時代は変わる」からは、東京五輪を招致した男、田畑政治(阿部サダヲ)が主人公の第2部がはじまります。

第1部は神回ばかり!

第1部の放送が終わった直後、「泣いた。こんな神回ばかりなんて」や「頼むから6月分だけでも見て欲しい」という書き込みがTwitterのタイムラインに並んだものです。低視聴率もなんのその、見続けてきた方々の味わったご褒美は本当に大きかったのです。

『いだてん』は『あまちゃん』の脚本家宮藤官九郎が大河ドラマを書く、しかも、題材はオリンピックにかけた日本人という意欲作とあって期待も高かったです。最初は、幾多の困難を乗り越えオリンピックを目指すスポーツ根性ものかと思いきや、四三と同時代を生きた落語家古今亭志ん生(森山未來)を伴走者として、語りを担当させたことで、日本人とスポーツ、日本人と娯楽の関係を考えさせる深みが生まれたのです。

簡単に言えば、“日本人は戦前から戦後、いろいろあり過ぎた時代に何に感動して、笑って、泣いてきたのか”を描こうとしているのです。

1部の終盤、マラソンランナーを引退した四三は、女子校の教師となり、女子スポーツの普及を目指します。「女子は足を見せて走るとお嫁にいけなくなる」という偏見を跳ね返して、教え子たちはハツラツとスポーツを楽しむようになります。四三が、さあ、女子もオリンピックへと夢見始めた時に起きる関東大震災。焼け野原になった東京には被災者があふれ、四三は無力感に苛まれるのです。

ここ2回の放送を、8年前の震災を思い起こしながら、筆者は、泣いて、笑って、見ていました。自分には何ができるのかと思い動いた四三たちは、あの時の私たちだと。「みんな、昼間は笑っているけれど、夜一人になると堪え切れなくなるんだ」とすすり泣きが聞こえる夜の避難所のシーン。諦め切れず行方不明の人の名前を叫びながら歩く人々のシーン。そんなつらいシーンだけではなく、物資を背負って走る四三たちの姿に思わず人が駆け寄って応援するシーン。青空の下の寄席の焼け跡で披露される落語に笑う人たちシーン。

宮藤官九郎のシンクロ力

100年前の人びとにこんなにしみじみと共感できるのは、宮藤官九郎のシンクロ力のなせる技だと思うのです。『あまちゃん』での、アイドルだった母とアキの過去と未来が重なり、さらに歌にのせて響いていくような描写が『いだてん』でも随所に仕掛けられているのです。

例えば、速く走りたいと靴下を脱いだ女学生を周囲の大人が「はしたない」と非難したとき、筆者はこれまでの女性に対するセクハラやパワハラ、現代の#metoo運動などを思い出しました。エピソードに出てきた第一次大戦後の荒廃したドイツの女子も、規則と因習に縛られた日本の女学生も、思いを振り払うように叫んで槍投げました。2人のシーンが重なって画面に映った時、この叫び、わかるなぁと思いました。なにに不満ではないが叫びたくなる気持ち、それが放たれた時の笑顔は美しいなと。そんな今も昔も、変わらぬ人の悲しみと喜びを丁寧に描くこと。1年間という大河ドラマだからこそできる、その積み上げはさらなる感動を呼び起こしてくれると思います。

さて、第2部は、ロサンゼルス五輪から戦後の東京五輪までを描くそうです。私たちは、田畑たちに過酷な運命が待っていることを既に知っています。戦争へと向かう日本、幻となる東京オリンピック。敗戦。しかし、重くなりがちな話でも、決して暗くは描かないのが、宮藤官九郎の巧さだと思います。笑いを散りばめながら、そんな時代でもたくましく生き抜き、オリンピック開催の夢を実現する人々を描いてくれるはずです。そんな人々のドラマを、来年、東京オリンピックを迎える今、追わずにはいられないでしょう。1部で離脱してしまったあなた!2部からまた観てみるのもアリですよ!?

文/北沢かえる

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