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「なつぞら」76話。馬の前脚の動きを表現する広瀬すずの生き生きした顔

2019/6/28 08:30 エキレビ!

エキレビ! エキレビ!

連続テレビ小説「なつぞら」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

第13週「なつよ、『雪月』がピンチ」76話(6月27日・木 放送 演出・二見大輔)視聴記録


「恋に落ちたりするかもよ」
ももっち「崖から落ちたとき恋に落ちたりするかもよ」
なつ「なにいってんの そんなことあるわけないっしょ」

階段にしゃがんでいたなつ(広瀬すず)が立ち上がった拍子に後ろに倒れそうになったところを、すかさず坂場(中川大志)が手を伸ばして助ける。その瞬間、なにかが生まれた? と思ったら───
「勘違いしないでください」とどきまぎしているような坂場に対して、なつは馬の動画のことしか考えていなかった。
なつは坂場と話していると崖っぷちに追い詰められてしまう感じになるらしく、その結果、馬の前脚の動きを思いついて、これこれこれ!とノリノリで、逆に壁際に坂場を追い詰める。
作画部屋に馬の走るポーズをしながら駆け戻るなり、ニヤリと企みありそうな瞳で笑って(広瀬すずのこの顔がよかった)、さっそく描いたアイデアは下山(川島明)も麻子(貫地谷しほり)も絶賛した。
「ちょっとしたはずみで思いついたんです」となつは麻子に言う。「ちょっとしたはずみ」とはよく色恋沙汰で使われるがそうじゃないところがなつらしい。

ところが、できた動画を見て露木(木下ほうか)が怒り出す。馬の前脚の残像を絵で描いていることが不自然だと言う理由で。それこそがアイデアであると仲(井浦新)と井戸原(小手伸也)は断固なつを支持し、露木は折れた。
「世界の壁を越えようとするならそこ(若者の情熱)に賭けるしかないじゃないですか」と露木に語る仲の出番は少ないが、重要な存在。彼の机のうえにあるいくつかの三頭身くらいの木彫りの動物の人形が、仲の絵柄と人柄を思わせる。美術スタッフの工夫がすばらしい。

嫌味にも気品がある
馬の動きをするなつの表情は、広瀬すずの内的エネルギーとたくましい身体を通して発散される。途中で正面顔が挿入されたのも良かった。彼女だけでなく、場面、場面で、俳優たちが両腕を馬のように動かす仕草がアクセントになっていた。たむけん(堀内役)とまゆゆ(茜役)と、中川大志(坂場)。とりわけ中川の動きが良かった。不器用な男にしてはずいぶんリズミカルで感情(なつをからかいつつも、あのとき思いついたんだね的な合図を送っている)に溢れていたが。
ももっちが「恋に落ちる」話をするとき、パフェのさくらんぼを使う動作もかわいい。ももっち役の伊原六花は例のバブリーダンスの人だからこういう表現の勘所がいい。

動きといえば、なつが雪次郎の部屋を訊ねてきたときの、なつと雪次郎の手と手の挨拶。これもまたいいアクセントになっている。妙子(仙道敦子)の明るい動作も効いている。
「この体がふたつあったら」と力なく横たわる雪次郎。たまたまかもだが、床と畳の間に倒れていて、家と夢、ふたつに引き裂かれているようにも見えなくもない。

妙子は雪次郎の部屋、とよ(高畑淳子)は風車、雪之助は川村屋。なつは雪之助に会いに行く。コーヒーをもってきた野上(近藤芳正)が「覆水盆に帰らず」と言って去っていくと「さすが野上さんだ、嫌味にも気品がある」と感心する雪之助。近藤芳正は慇懃無礼な演技をさせたら敵う者なし。
雪之助は川村屋で働いていることは決して嫌味ではないのだと言う。
「私には私の夢がある。いや生き方がある」と母のつくった雪月をまもりたいのだと誠実に語ると、なつの瞳が潤む。安田顕のちからに広瀬すずが打たれているのだと思う。安田顕は「いとしのアイリーン」で極度なまでに土地に縛られた者の悲哀をみごとに演じていたが、俳優として売れても生活者のニオイをなくさない貴重な俳優だ。

なつが雪次郎は、雪之助の気持ちをわかっていて辛いのだと気持ちを代弁する。これは彼女の気持ちでもあるのだろう。朝ドラはじっくり見ている人もいる一方で、ながら見やとびとびに見る人もいて、そのため、ときどき同じことを繰り返す必要があるらしい。「なつぞら」ではなつに続いて雪次郎が家と夢の間で悩むことで、なつが自分のことを改めて考えることにもなる。なつが延々、これをやっているだけだと大切なことだけど単調になってしまうから、「この体がふたつあったら」ではないけれど、なつと雪次郎のふたつの体を使って、ひとつの問題に対する複数の視点を描く。そこに朝ドラの縛りをドラマに落とし込もうとする作家の矜持を感じる。

そうやって描いている家(故郷)と夢の問題に、「あさイチ」も「おはよう日本」も反応しているところが面白い。75回では「あさイチ」の華丸大吉が雪次郎に共感していて、この朝は「おはよう日本 関東版」の高瀬アナが「(雪次郎の乱に)こみあげるものがあります、ほんとにぎゅっと締まった濃い場面でした」と強く語っていた。父と子の葛藤が男心に染みるのか。言葉にならない、気持ちでうんうんと呼応するところが「なつぞら」の味なんである。76回では妙子が雪次郎のためにカレーライスをつくっていて、それは川村屋の高級バターカリーとはまるで違う黄色いカレー粉を使って、野菜ごろごろの、いかにも家庭のカレー。長らく食べてきた者にしかわからない味わい。「なつぞら」の言葉にならないところにはたぶん、そんな味がする。

第78回(6月29日・ 土 放送)あらすじ


昭和33年春、なつ(広瀬すず)が携わった新作の漫画映画「わんぱく牛若丸」の制作がついに終了。仲(井浦新)、露木(木下ほうか)、麻子(貫地谷しほり)ら、東洋動画のメンバーで打ち上げが行われる。そこで井戸原(小手伸也)から指名を受けたなつは、かつて農業高校で歌った曲を熱唱する。和やかな雰囲気で打ち上げが行われる中、陽平(犬飼貴丈)と顔をあわせたなつは、十勝にいる天陽(吉沢亮)のある話を聞かされる…。



13週の演出家


「なつぞら」初登場の二見大輔さん。ドキュメンタリーを手がけるなどして2014年長野発地域ドラマ「木曽オリオン」でドラマ演出家デビューした。「半分、青い。」にも参加していて、光の使い方が印象的だった。
(木俣冬)

登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。演劇部に入る。
高校卒業後、アニメーターを目指して東京に出てくる。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。孤児院で働きながら勉強している。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。勉強ばかりして家の手伝いを全然しない。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
なつをほんとうの家族にしたいと願い、照男と結婚させようとする。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院を出て新宿で亜矢美に助けられ、ムーラン・ルージュを経て、浅草の劇場で働いていたが、盗み濡れ衣を着せられ捕まってしまう。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。演劇部。高校卒業後、川村屋に修業に出る。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描いている。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 (31話から)犬飼貴丈 幼少期 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。東京で芸大に通いながらアニメの美術の仕事をしている。なつに絵画の道具を贈った。東洋動画に就職。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。演劇部に入り衣裳を担当する。「白蛇伝説」のラスト、白蛇として登場し喝采を浴びる。
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。演劇部の顧問。「魂」が口癖。なつの問題、十勝の伝承を交えて「白蛇伝説」の台本を書く。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 

19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入り、村長役を略奪する。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。

21回
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。

27回
前島光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン
茂木一貞 リリー・フランキー… 角筈屋社長
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。クラブメランコリーの看板。ムーラン・ルージュにいた。
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員。川村屋社員寮でなつと同室に。咲太郎を「同志」と思っている。
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員。咲太郎のことが好き。「真心を一晩貸したままだから」返してほしいと思っている。

28回
島貫健太  岩谷健司
ローズマリー  エリザベス・マリー…浅草の踊り子

30回
藤田正士 辻萬長  親分
松井新平 有薗芳記 …浅草の芸人
岸川亜矢美 山口智子 …元ムーランルージュの踊り子。咲太郎を助けた。

31回
下山克己 川島明 …新人アニメーター
仲努 井浦新 … 実力派アニメーター

37回
阿川弥市郎 中原丈雄 … 東京から北海道に移住。彫刻で生計を立てている。
阿川砂良 北乃きい… 弥市郎の娘。

44回
杉本平助 陰山泰… 川村屋の料理長

45回
蘭子 鈴木杏樹… 劇団の女優
虻田登志夫栗原英雄… 劇団の俳優

49回
井戸原昇 小手伸也… 東洋動画アニメーター

55回

森田桃代 伊原六花…仕上げ課の先輩、といっても年齢はなつと同じで19歳。あだ名は「モモッチ」
山根孝雄 ドロンズ石本…仕上げ課のえらい人。
石井富子 梅舟惟永…仕上げ課のベテラン。といってもまだ30歳。
大沢麻子 貫地谷しほり…原画スタッフセカンド。周囲に一目置かれている才能あるアニメーター。
おしゃれしているなつを敵視している。
堀内幸正田村健太郎…動画スタッフ 芸大出身で、線画のきれいさには定評がある。

58回
露木重彦木下ほうか…演出家、第一製作課長
山川周三郎古屋隆太…東洋動画スタジオ所長

66回
泉千恵
岡部たかし
池間夏海

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武

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