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「誕生日だから休みます」って言ってもいいですか? 40代に学ぶ“図太さ”

2019/6/20 22:37 ウートピ

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「20代ほどがむしゃらじゃない、30代ほどノリノリじゃない。40代で直面する、心と身体の変わり目」——そんなコピーが添えられた漫画『あした死ぬには、』(太田出版)。切実に生きる女子たちの“40代の壁”を描くオムニバスストーリーの第1巻が6月13日に発売されました。

若さ至上主義で必要以上に、年齢に抗いたいわけじゃない。でも、老いに対する不安はある——。40代に入ったら、じつのところ、どんな変化があるのでしょうか。

25年間、漫画家として第一線で活躍している雁須磨子(かり・すまこ)さんに、今作が生まれた経緯や、雁さんが40代を迎えて実際に感じた変化などについて、じっくり話を聞きました。

第2回は、人付き合いの変化やみずからの“図太さ”について。

仲が良かった相手ほど、許せなくなることも

——40代に入って、身体の衰えや不整脈などを経験されたという雁さん。自分だけでなく、周囲からの扱われ方などは変化しましたか?

雁須磨子さん(以下、雁):40歳をすぎると、周りのみんながものすごく優しくなるように感じました。仕事面に限らず、いたわられることが増えるというか……その流れに“乗って”いけたら、きっと楽だなと思います。

——でも私だったら「年配扱いしないで!」という気持ちも出てきそうです。

雁:そういう気持ちもありますよね(笑)。私はまだだと思うのならそう主張すればいいし、そのときどきで自分の心地よいほうに流れていけばいいんじゃないでしょうか。それはたぶん、人付き合いでも同じ。40代までずっと仲良くしてきた人と、考え方の違いとかで突然バサリと縁が切れてしまうこともあったりして、けっこう難しい年頃なんですよ。そういう場面でも、とりあえず自分にとって心地よい環境を選ぶようにすればいいと思います。

——考え方の違いで縁が切れる……。30代は仕事や結婚、出産などでライフスタイルが変わることも多いから、疎遠になってしまう場面が想像できます。でも、40代になってもそういうシーンがあるんですね。

雁:ライフスタイルが変わって会わないでいる間に、考え方ごと変わってしまうのかなと思います。自分のスタンスって、周囲に大きく影響されるものですから。環境の違う暮らしを長く続けているうちに、お互い変化してしまうと、どうしても相容れない部分が出てきたりするんですよね。

——仕事や子育てが一段落して、また旧友と仲を深められる時期なのかと思っていました……。

雁:もちろん、全員と衝突するってことではないですよ。でも、ずっと仲が良かった相手ほどお互いに甘えがあるから、許容できないことが見つかるとぶつかってしまう気がする。これはしばらく検証していきたいテーマですね。

集団との距離感や、異性のあしらいがうまくなる

——反対に、人付き合いでのいい変化はありましたか?

雁:周りを俯瞰して見られるようになったことかな。若いころは集団でいるのが楽しくても、ふとそのしんどさにやられることもあるじゃないですか。それで、大勢が集まるパーティーなどからは、しばらくのあいだ遠ざかる。2、30代はひとりでいることの楽しさを知る時期だと思うんですよね。

だけど、自分らしく仕事に打ち込めるようになったり、本当に気の置けない友人ができたりすると、また集団を楽しめるようになるのだと感じています。私の場合は「漫画家という仕事」や「信頼できる友人」という基盤を手に入れたのが、大きかったと思いますね。

——なるほど。異性との関係はどうでしょうか。

雁:恋愛対象から外れる“気楽さ”もあるし、異性の優しさを気軽に受け取れるようになりました。たとえば、おじさんからかわいがられるのを突っぱねたり、勝手にカテゴライズされたくないから反抗したり、みたいなことをあまりしなくなったのかな。ほどよく流して闘わない“省エネ”を覚えたのかもしれません。昔は面倒だった「教えてあげるよ」的なおじさんに対して、わざわざわからない振りをするようなサービスはしないけど、素直に「教わって役に立つこともあるな」と受け止められる。それに40代になると、おじさんだと思っている人が、意外と自分より若かったりするんですよ(笑)。

周りに迷惑をかけない“自分ファースト”は、年代関係なくアリ

——雁さんのお話を伺っていると、親しい人とのちょっとしたズレが許せなくなる一方、どうでもいい他人には寛容になる傾向があるのかも? と思いました。他人の目が気にならなくなる図太さとも関係あるのかな……。そういう“自分ファースト”的な図太さには、少々憧れも感じます。

雁:自分のやり方を貫くことが図太さだとしたら、べつに周りが冷たい目をしていようと、気にしなくていいんじゃないですかね。たとえば、打ち合わせでお茶を用意していただいたとしても、自分の好きなお茶がカバンに入っていたら、そっちをテーブルに出して、しれっと飲んじゃう。図太い行動かもしれないけど、私が好きなお茶を飲んだからって、誰も咎めないと思うんです。それくらいの自分ファーストなら、本当は年齢関係なく、みんながやったっていいんですよね。

——若いころは周りの目を気にしてできなかったけれど、年齢を重ねてできるようになったことってありますか?

雁:うーん……、ほんのちょっとだけ“断る”ことができるようになってきました。30代のときに一日1枚しか漫画を描けない時期があったんです。描くのがしんどいし、上手に描けている気もしない。そんな状態で月2本の締切を抱えてしまったら、物理的に100%無理なのに、仕事を断れなかったんですよ。でも、年を重ねるうちに「みんな意外と気軽に断ってるな」ってことがわかってきて……電話でさくっと「無理でーす!」とか断っている人を見て、びっくりしたり。

——わたしも20代のときは全然断れなかったけど、30代になって「その日は誕生日なのでお仕事できません~」って言えるようになりました(笑)。

雁:そういうことです(笑)。自分のなかにある「こんなこと言っちゃっていいのかな?」というハードルを越えて「思い切って言ってみよう!」と自己開示できるようになったのは、ある種の図太さかもしれませんね。40代になって「身体がしんどい」という切実な理由のカードを切れるようになった、というのもあるけれど。まずは言ってみていいんだな、と思えるようになりました。とくに仕事をお断りするのって、自分が気にしているほど周りは気にしていないものだから。

【第1回は…】40代で不整脈が起きて…。雁須磨子さんが感じた変化

最終回は6月27日(木)公開予定です。
(取材・文:菅原さくら、編集:安次富陽子)

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