利回りが高い?専門家も狙う「債券投資」のリスクやメリット総チェック!

2019/6/18 06:00 mymo

利回りが高い?専門家も狙う「債券投資」のリスクやメリット総チェック! 利回りが高い?専門家も狙う「債券投資」のリスクやメリット総チェック!

こんにちは、FP(ファイナンシャルプランナー)の内山貴博です。今回のテーマは「債券」について。
現在、投資信託や運用系の保険(変額保険や変額年金)などが資産運用商品として人気を博していますが、こういった人気運用商品を通して債券に接する機会は今後も多いでしょう。特に企業型DC(確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の普及によって自ら運用商品やその比率を決める際、債券の種類や特性、リスク、メリットとデメリットを知っておくことは非常に役に立ちます。利回りの計算など、やや複雑な点もありますが、例を用いてわかりやすく説明していきましょう。初心者におすすめの債券投資についても紹介していきます。

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1.債券とは

債券とは「お金を借りる際に発行する券」であり、借用証書のようなものです。一般的に国や企業が資金調達のために発行するため、私たちはむしろ「お金を貸す側」として債券と接することになります。お金を貸している間は約束された利息を受け取ることができ、期日になるとお金が戻ってきます。このように債券の発行体にお金を貸し、利息を受け取ることを「債券投資」といいます。よって「お金を貸す」と同じ意味合いで、「債券を買う」といいます。

1-1 債券と株式の違いって? 
投資といえば、「株式」を思い浮かべる人も多いと思いますが、債券と株式の大きな違いは何でしょうか? 債券に投資をした人は「お金を貸している人」であるため、償還日(満期)には額面(債券に記載されている価格)で返還されますが、株式に投資する場合は、「その会社に出資した」という位置づけとなります。

債券の場合は「債権者」という位置づけですが、株式の場合は「株主」となります。株主=オーナーです。つまり、株式投資の場合は、株価の値上がりや値下がり、業績不振での倒産など全て株主が責任を取ることになりますが、債券の場合は、お金の貸し借りをしている関係に過ぎません。その分、株式投資よりリスクが低いといえます。もちろんリターンも低くなります。

1-2 債券投資の仕組み
株式は、証券取引所に上場されている株式を証券会社などを通して購入する取引所取引であるのに対し、債券は原則、店頭取引です。

いうなれば、株式は魚や野菜のように市場があり、漁師や農家と多くの業者が売り買いに参加することで価格が決まるような仕組みである一方、債券は店頭での相対取引のため、売り手と買い手が直接交渉するフリーマーケットでのやりとりをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。出店しているお店が金融機関で、投資家がそのお店に出向くような感じです。

よって、魚市場に行けば多種多様な魚が水揚げされていますが、フリーマーケットはお店によって販売しているものが違っていたり、少ししか商品を取り扱っていなかったりと、お店次第というところがあります。債券も同様で取引先の金融機関がどれだけ債券を取り扱っているか異なるため、債券投資を本格的に始めたい人は、品ぞろえの良い金融機関に口座を開設し、取引を行ってください。

また、債券投資を理解する上で押さえておきたいのが新発債既発債の違いです。新発債は、まさにこれから国や企業が資金調達を行うために発行する債券のことで、発行価格は決まっています。既発債は既に発行されている債券で、価格は日々、そのときの価格で取引されます。つまり時価です。車でいうと新車と中古車の違いに似ています。

新車はさまざまな販売店で購入でき、画一的で販売価格も同じです。一方中古車は、年式や走行距離などさまざまで、また価格もさまざまな要素を考慮して決められ、日々見直されています。よって、既発債は以前、別の人が購入した債券が流通していることになりますので、例えば「額面100円・償還期限10年・利率1%」という債券であっても、償還まであと3年しか残っていないかもしれませんし、「今の経済状況で年間1%も利息がもらえる債券は魅力的だ」ということで価値が高まり、額面100円に対して101円や102円で取引されているかもしれません。

なお、利率は一部変動するものもありますが、その多くが最初から最後まで変わらない固定金利です。

2.債券の種類

債券は大きく2種類に分けることができます。1つが国や地方公共団体が発行する公債。もう1つが企業などが発行する民間債です。公債のうち、国が発行する債券を国債といい、各種類の債券の中で最も発行残高が多く、債券の代表格といえるでしょう。

ただし、さらに細かく分けると、少人数だけに発行する「私募債」や、元本および利息の支払い順位が通常の債券よりも低い「劣後債」、外貨で発行される「外貨建て債券」などさまざまなタイプの債券があります。

2-1 公共債(国債、地方債、政府保証債)
国や地方などが発行する債券です。公共債の代表例は国債、地方債、政府保証債です。以下概要を紹介します。

・国債:国債は「国庫債券」の略称で、国が発行する債券です。日本の国債の中では「10年国債」が最もメジャーで、長期国債と呼ばれ毎月発行されています。2016年1月以降、マイナス金利の発動の影響で、今現在の金利水準はほぼゼロ付近で推移しています。

・地方債:一部の都道府県とすべての政令指定都市に発行が認められている「全国型市場公募地方債」などがあります。地方債とはいえ、全国の投資家を対象に発行することができます。その他、原則として購入者を発行団体内に居住している個人などに限定した「住民参加型市場公募地方債」など一定のルールの下、地方債は発行されています。

・政府保証債:特別な法律によって設立された政府関係機関などが発行する債券をいいます。元本の返済や利子の支払いに対して政府保証が付せられており、国債と同等の信用力を有しているとみなされています。日本政策金融公庫や高速道路関係の機関などが発行体の代表例です。

2-2 民間債(社債、金融債)
民間債は一般企業が発行する債券のことをいいます。国債などの公共債よりも民間債の方が期間が同じであれば、やや利率は高くなります。民間債の代表例は社債と金融債です。

・社債:文字通り民間の会社、つまり企業が発行する債券です。

・金融債:特定の金融機関がそれぞれの特別な法律に基づいて発行する債券です。

3.債券投資のメリットは?

債券投資のメリットは安全性を追求しながら安定した利息収入を得られることです。通常、預貯金よりもやや利率が高いため、「リスクはそれほど取れないけれども、やはり少しでも高いリターンを追求したい」という人には向いています。途中で売却する場合は額面を割り込むなど損失が生じる場合がありますが、償還期限まで保有すれば額面で償還されるため、それほど価格変動を意識する必要がないのもメリットです。

また、既発債は同じ発行体であっても償還期限や利率などさまざまです。債券を数多く取り扱っている証券会社などと取引をすれば、資金計画や方針次第でさまざまな債券を組み合わせることが可能で、リスクを抑えながら多様な運用手法が行えるのもメリットの1つです。

4.債券投資のデメリットやリスクは?

債券に限らず金融商品はメリットがあればデメリットもあります。あるいは、メリットを違う見方をするとデメリットになる場合もあります。償還日に額面で償還される安心感などがその典型例で、逆にいうと株式のように大きな値上がり益は期待できません。利率も当初定めた利率を受け取るのが原則で、株式の配当のように業績次第で増えることもありません。

また債券は「債権・債務」の関係となり、債券を発行している側は「債務」を抱えていることとなります。つまり「負債」です。業績が悪化し債務超過のような状況になると、発行している債券の一部または全部が戻ってこなくなるというリスクもあります。これはデフォルトなどといわれますが、しっかりと認識しておきたいデメリットです。実際に企業のみならず国(アルゼンチンやギリシャなど)が発行した債券がデフォルトしたケースが過去何度もあります。

5.債券価格と金利(利回り)の関係とは?

債券投資をする上で重要な考え方が「金利と利回り」です。通常、「A債券よりもB債券の方が金利が高い」という場合、実際の利率ではなく、利回りを表すことが多いです。
ここまで聞いて、頭の中に「?」が浮かんでいる人も多いと思います。「金利と利回り」の関係は少し難しいので、以下1つ1つ説明していきます。

5-1 利回りと利率の違いって?
特に利回りの考え方は重要なので、それを理解するために債券の基本的な仕組み、用語の確認をしましょう。債券は現在、ペーパーレスとなっていますが、以前は実際に券面が発行されていました。「10年後に100円返すのでお金を貸してください。毎年3%を利息としてお支払いしますので」といった条件が券面に記載されていたのです。

債券【画像出典元】「iStock.com/tupungato」

この場合の100円を額面といいます。そして10年を償還期間、3%が利率となります。もし銀行預金であれば、100円を預けて毎年3%の利息をもらえるため、利率=利回りとなりますが、債券の場合は必ずしも100円で取引されるわけではありません。この場合の額面はあくまで「10年後に返す金額」であり、発行時や経過途中においては、さまざまな要因によって100円よりも高く、または安い価格で取引されることもあります。

つまり100円をベースにしながら日々価格が変動しているため、売買のタイミング次第で「利率以外にも運用成果に影響する部分」があるのです。よってこれを考慮したものが「利回り」となります。

もう一度確認します。利回りとは、投資額に対する1年あたりのリターンです。そして、このリターンが利息+(売買または償還差額)となるのが債券の特徴です。最終的には額面で返還されるとはいえ、最後まで保有せずに途中で売却するかもしれませんし、そもそも購入額が100円ではない場合も。よって、利息以外に運用成果に影響を与える部分を考慮したものが、利回りということになります。そして、利回りは1年あたりで考えるのが大前提です。

5-2 利回りと利率の計算方法
1年あたりでどれだけリターンを得られるのか?を計算するのが利回り計算で、債券の場合は毎年どれだけ利息がもらえるかという割合である利率と、取引によって生じる差額を計算することで利回りを求めることができます。

預貯金であれば計算は簡単でしたよね?
100万円銀行に預けて1年間で1万円の利息がついた場合、「利回り1%だ!」と、すぐ分かりますよね。債券の場合は、「利息以外に運用成果に影響するもの」があるので、それを考慮することで利回り計算ができます。

ここで例題を見てみます。

残存期間1年、表面金利2%の長期国債(額面100円)を99円で購入した場合の最終利回りは?

上の問題の場合、債券を購入し1年後に100円が戻ってきます。その間、表面利率が2%なので、1年間で2円の金利を受け取ることになります。(利息は額面に対してなので、100円×2%=2円となります。)

ここまでは預貯金と全く同じです。ただ、債券というものは必ずしも額面どおりでは購入できません。高い金利などが人気となれば、多くの人が購入したいと思うため、額面100円のところが101円、102円というように高めで購入することになります。一方、人気がない場合は99円、98円など額面より低い価格で購入することができます。


今回の購入価格は99円です。1円安く購入していますよね。ただ、債券の大原則で、満期(1年後)まで保有すれば100円で換金されます。ということは、この差額分1円得をしたことになります。そして、利回りを計算する際に、この1円も利息とみなして計算しましょうということです。よって、99円で購入して1年間で3円の儲けがあったので、預貯金と同じように考えれば99円預けて3円のリターン(1年あたり)があったことになります。式で表すと以下のようになります。

これが債券の利回りの計算方法です。最初から所有しても、途中から所有しても全て発想は同じです。購入額に対していくらの利息(経済的利益)を受け取ったか? それを期間を考慮して計算するだけです。

また、計算方法から分かるように債券価格が下がると利回りが上昇し、債券価格が上がると利回りは低下します。100円で買うより99円で買った方が購入額も低くなり、最終的には差額の1円が利益になりますよね。99円ではなく98円だといかがでしょうか? 価格が下がるほど利回りが高まり、価格が上昇すると利回りが低下することもしっかりと覚えておいてください。

5-3 オーバーパー、アンダーパーとは
上記で紹介したように、発行時から必ず額面(100円)で発行されるわけではなく、さまざまな要因を考慮して101円や99円で発行する場合があります。100円をパーとして、100円より高い状況をオーバーパー、低い状況をアンダーパーといいます。


アンダーパー発行の場合、100円よりも低い価格で発行され、最終的には100円で償還されます。このような場合、利息収入以外の償還差益が期待できるため、利率よりも利回りの方が大きくなります。

6.初心者におすすめの債券投資とは?

額面(償還額)が100円であるにもかかわらず、発行価格は100円とは限らず、その後も発行体の状況、マーケットの状況次第で価格が変動するため、投資初心者にとってはやや難しく感じるかもしれません。よって、初心者におすすめの債券投資方法として「個人向け国債」が挙げられます。購入も1万円からで、価格の変動もありません。非常にシンプルで分かりやすいため、おすすめです。

ただし、個人に対して分かりやすい商品設計となっている分、金利水準は通常の国債よりもやや低くなります。そもそも超低金利の現状、日本の国債利回りは非常に低いため、通常の国債も個人向け国債も定期預金とほとんど変わらない水準です。よって、多少リスクを取れるということであれば高金利が期待できる外貨建て債券などもおすすめです。どの国がどのような債券を発行しているのか、一度調べてみてください。

7.債券投資は預貯金と株式とのつなぎ役

これまで見てきたように、債券は預貯金と株式の中間的な位置づけとなります。また、債券は株式とは一般的に逆の値動きをするといわれているため、株式と債券をバランスよく保有することでリスクを抑えた分散投資となりえます。サッカーでいうと、キーパーを中心としたディフェンスばかりでは点が取りにくい、かといって攻撃ばかりに力を入れているとたくさん失点をしてしまいます。そこでその中間的な存在であるミッドフィルダーが守備と攻撃のつなぎ役をしてくれますが、まさに債券も預貯金と株式のつなぎ役として期待できます。

「5年後損する?」FPがあえておすすめしないNISAの6つのデメリット​

FPが15種類の投資を徹底比較!初心者におすすめの投資方法とは?

利回りの計算など、やや複雑な点もありますが、何度か当コラムを読み直して理解に努めてみてください。あなたのバランスのよい投資に一役買ってくれるはずです。

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