あの巨匠写真家が渾身プロデュース! 錦糸町の中華料理店で最高の鳩を食す

2019/6/17 11:00 CREA WEB

あの巨匠写真家が渾身プロデュース! 錦糸町の中華料理店で最高の鳩を食す あの巨匠写真家が渾身プロデュース! 錦糸町の中華料理店で最高の鳩を食す

◆SOUTH LAB 南方
[錦糸町]

中華料理とワインのマリアージュ
野菜のおいしさにも開眼

今日は、2019年6月4日(火)にオープンしたばかりの話題の中国料理店にお邪魔します。

 最近はハワイにしか行っていないが、初めての海外は香港だった。日航ホテルで初めて鳩を食べた。

 そこからはまりにはまって、香港と名のつくガイドブックは片っ端から買いまくった。そんなある日、書店で見つけた写真集にくぎ付けになる。

 フォトグラファーは菊地和男。写真だけでなく、食にも精通する大家である。

 あれから30年、まさか菊地先生プロデュースの店で、鳩を食べることになるとは!

 2019年6月4日(火)にオープンしたその店の名前は、SOUTH LAB 南方(サウスラボ・みなかた)。

錦糸町駅北口から徒歩2分ほど。隣にはローソンがある。

 広東・潮州を軸に、タイやベトナム、プラナカン(ニョニャ)をリスペクトした料理を、ワインとともに愉しむ、というのがコンセプト。

 菊地先生といえば、ワイン。ナチュールを中心に、ボトルで4,000円から10,000円のものをラインナップ。

 グラスは10種ほどで、900円から1,300円。ペアリングも予算に応じてやってくれるとのこと。

 ビールはハートランド。ノンアル派のことももちろん考えていて、おいしいジュースと、茶人でもある菊地先生が選んだ中国茶の水出しが用意されている。

 料理は、6,500円、8,000円、10,000円コースを用意(豪華食材希望の場合は、金額UPでいかようにも)。今回は、10,000円のコースをお願いした。

すっきりとしたインテリア。客席は26ほどだろうか。ゆったりしている。

 まずはスープが登場。韮王揺柱羹。具は、黄韮と貝柱。

「魚の浮き袋の細切りを入れたかったけど、いいものがなくて」と代用で入れた豚ガツの細切りがまたいい塩梅。

基本の上湯がすばらしい。とろみのあるスープで胃袋もポカポカと温まってきた。

 パクチーサラダ。赤ワインビネガーとクミンに、タイ産のエシャロットを加えたドレッシングが、“サウス”な風を運んでくる。

 それにしても驚いた。葉はもちろん、揚げた根の部分がべらぼうにうまいのだ。

 野菜の大部分は、希少なアジア・西洋野菜を飲食店向けに栽培している株式会社テラ・マードレのものだという。

「今日はほかにも野菜は出ますか?」「うん、出しますよ」。期待が高まる。

パクチー嫌いの人にもトライしてほしい爽やかさ。テラ・マードレのハーブは、店内でも買うことができる。

「ちょっとこれつまんでて」と、各自に自家製のXO醤が。とがったところがない、上品な味わい。

 シェフは香港のアイランド シャングリ・ラ「夏宮」の出身というのも納得だ。

好きな人はこれだけで飲んじゃいますね。いけない、いけない。

 次の逸品にも驚き!  鶏子戈渣ではないか!

  新鮮な鶏の白子を集めてペースト状にし、衣をつけてさっくりと揚げた古典的な広東料理。お金が取れない割に大変手間のかかる、料理店泣かせの逸品。

「これ、香港・湾仔の福臨門でいただいたことがありますよ! 懐かしいです」と言うと、「そりゃあそうさ」と菊地先生。

 シェフは銀座の福臨門でも厨房を任されていた辣腕だったのだ。

外はサクッ、中はとろふわ。ほんのり塩味。白ワインにも合う。

 生煎蝦餅は、海老の練りもの、炒め揚げした一品。

 タイ料理のトート マン プラー(さつま揚げ)にも似ているが、こちらのほうが繊細。タレの類を必要としない完成された味。

東南アジアのハーブ、バイマックルー(こぶみかんの葉)が利いている。

グランメゾン出身者の真骨頂
あの逸品にかぶりつく!

 炸子鶏(鶏の姿揚げ)は、龍崗鶏(ロンコンガイ)と呼ばれる種類のメスの若鶏を使用。

 何十回も油をかけ、じっくりと時間をかけながら焼き上げる。皮のパリッとした食感、ジューシーな肉、どこをとっても間違いなしの味。

完璧な仕上がり。塩とレモンが添えられたが、まったく使わなかった。

 鼓油鳩(鳩の醤油煮込み)。ひとりにつき半羽がやってくる。

 多いかな? と感じたのはほんの一瞬。絶妙なタレの味、火の通り具合。

 まるで蟹料理店にいるかのように、みんなもくもくとかぶりついてしまった。

これは絶対次回も食べたい! またもくもくと食べ続けたい。

 鹹魚肉餅が登場! 肉餅は、簡単にいうと中華風ハンバーグ。鹹魚(ハムユイ)という、発酵させた干し魚とともに蒸し上げる。

 この鹹魚がまた上物だ。こうなるとほしいのがごはん。ジャスミンライスに肉と汁を掛けまくれば、箸が止まらない。

立派な鹹魚! ここまでの立派なものはそうそうお目にかかれない。

 またもサウスな一品が運ばれてきた。

 ピリ辛好きにはたまらない、牛肉ガパオ。オリーブが入り、香り高く仕上がっている。

ホーリーバジルもおいしい。これもテラ・マードレのものだそうだ。

 と、私には珍しく野菜に感激しているところに、油菜。

 広東白菜とアスパラガス。上質な上湯とともに炒めてある。

 グランメゾン出身の成せる業、そして、それに負けぬほどの野菜の力強さよ。

野菜の下の汁もまたうまい。さきほどもらったごはんにちょいがけしてみたり。

 〆の鹹魚炒飯にもしびれた。米のひと粒ひと粒に卵がコーティングされ、塩味のバランスもばっちり。

 お腹がいっぱいなのに、もうひとくちもうひとくち、と、あっという間に皿は空になってしまった。

パラパラさせ過ぎない、絶妙なしっとり感。そこに香る鹹魚。

 甜品は杏仁豆腐。北杏と南杏を使った本格的な杏仁豆腐だ。

 なめらかな口当たり。甜品は別腹中の別腹である私にとっては、バケツいっぱい食べたいほどのおいしさだ。

いやほんと、お代わりしたいですよ。

 東京の中国料理界に新しい風が吹いた。

「まだまだ始まったばかり。これからどんどんブラッシュアップしていきますよ」という菊地先生。

 30年前のあの日、私を釘づけにした写真集が蘇る。そして、期待はますます高まっていく。

SOUTH LAB 南方
(サウスラボみなかた)

所在地 東京都墨田区錦糸3-7-3 オフィスナカジマビル1階
電話番号 03-6658-5299
営業時間 18:00~22:00 L.O./土曜12:00~21:00 L.O./日曜12:00~20:00 L.O.
定休日 月曜
予算 6,500円、8,000円、10,000円
[2019年6月訪問]

Keiko Spice(けいこ すぱいす)

東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。


文・撮影=Keiko Spice

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