「やすらぎの刻~道」風間俊介が母親の死に号泣。宮田俊哉は最前線へ…本格的に太平洋戦争に突入第10週

2019/6/17 09:45 エキレビ!

イラストと文/北村ヂン イラストと文/北村ヂン

倉本聰・脚本「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日系・月~金11時30分~)第10週。

母親の死、友との別れ、兄の出征、逃亡朝鮮人をかくまう。重い展開の連続で、遂に太平洋戦争が開戦する。

脱ぎっぱなしの草履で号泣


親友の青っ洟(若林元太)が、後家さんから女を教えてもらうのに付き添って、いやらし~いことを考えていた根来公平(風間俊介)。

家に帰ると、突然ぶっ倒れた母親(岸本加世子)が亡くなっていた。知らなかったこととはいえ、情けないやら悲しいやら……。

さっきまでのエロモードから落差がありすぎて、公平は泣くこともなく、ずーっと無表情のまま固まっていた公平だったが、しの(清野菜名)から、

「母さんの草履、あの日の夕方、漬物を漬けてたそのままの形で残ってる」

と教えられて大号泣。

突然すぎて現実感のない母親の遺体よりも、なにげなく不揃いのまま脱ぎ捨てられた草履から母親を感じて、涙があふれてきてしまったというのはリアル。スゴイ描写だ。

今週公平は、この母親の死と、満州に渡っていく友との別れのシーンで号泣しているのだが、どちらも以前と比べて大人っぽくなっているのも印象的だった。

以前は、子どもっぽさの残る「うぇ~ん」といった感じの泣き顔だったが、今週見せた泣き顔は、顔を完全に崩しきらない、涙をこらえつつの泣き顔だった。泣き顔だけではなく笑顔も、ちょっと表情を抑えた演技になってきている。

まだまだ情けない公平だが、着実に大人の男になってきているようだ。

公次兄ちゃんはラバウルへ!?


海軍に志願した公次(宮田俊哉)から母親へ宛てた手紙で衝撃的な事実が判明した。しのはもともと、公次の嫁にするため浅井家から引き取られたようなのだ。

そんなに裕福そうには見えない根来家が(しかも子どもが6人もいるのに)、他人の家から娘を引き取って、自分の子どものように育てていたのにはそんなワケがあったとは。

三平(風間晋之介)と両想いのような関係となって小枝の文通をしたり、道場の師範・小沼にガチ惚れしたりと、しのちゃん自身の気持ちは色々と揺れ動いていたが、そんなの関係なく公次と結婚させられる予定だったのだ。

そして、その公次との結婚も、公次が海軍に志願したことでナシに。しのちゃん本人は気付いてなさそうだが、ものすごく時代に翻弄されている。

さて、母親の死を知って、公次もふるさとに帰ってきた。海軍入隊前には、色々諦めたような、達観したような、微笑みながらの語りが印象的だったが、今回はさらに重い物を抱えていそうな微妙な表情を浮かべていた。軍隊の内部に入り込んだことで、日本の置かれた状況がよりリアルに知ってしまったのだろう。

三平、公次へは、「ふたりとも覚悟だけはしとけ。もうじき大きな戦争が起こる」というメッセージ。

公一(佐藤祐基)から、三平としのが相変わらず仲良くやっていると聞かされれば、「それはよかった。でもたぶん、いつまでも続かんぞ。あいつ、徴兵検査はいつだ?」と心配する。

徴兵検査を受けたら、三平にはすぐにでも赤紙が来かねないし、農家の長男である公一にも、なんなら公平も徴兵されてもおかしくない状況だという。

「南十字星って知ってるか? 南半球でしか見えない星空だ。十字架の形をしたキレイな星だそうだ。オレはたぶん、もうじきその星が見られる」

「海軍はしゃべれないことがいっぱいある」と言いつつ、これは完全に最前線に送られるという発言だろう。既に真珠湾攻撃の計画や、そこから南方へ戦線を拡大する計画を知っていたのか。

公次の送られる先、南半球ということは、1942年1~2月にかけて侵攻したラバウルあたりだろうか? 『水木しげるのラバウル戦記』にも描かれた、太平洋戦争の激戦地だ。

公次は「智惠子は東京に空が無いといふ」からはじまる「智恵子抄」の中の有名な一節を朗読していたが、

「阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空が智恵子のほんとうの空だといふ」

の「阿多多羅山」を「小野ヶ沢」と言い換えていた。

公次もまた「原風景」であるふるさと・小野が沢から、南半球の空の下へ向かうのだ。

太平洋戦争へ突入!


公次が海軍へと戻っていった後、根来家は、飯場から逃げ出した朝鮮人問題に巻き込まれた。

根来家に土足で押し入って逃亡者を探す筋者たちと、鉄兵兄さん(平山浩行)としのが乱闘。

このドラマ、唐突にバトルが勃発しがち。こんなに本格的なアクションシーンが必要か? とも思うが、「水戸黄門」のチャンバラのように「とりあえず観ている老人たちをスカッとさせるシーン」という位置づけなのだろうか?

普段、熊とやり合ってるだけあって鉄兵兄さんはメチャクチャ強くてスカッ! その上、倒した筋者たちを「木に縛り付けて、フミコ(熊)に食わせる!」なんて言い出すクレイジーなお人だ。

そして、あれだけ「愛国心」やら「戦争協力」やら言っていたしのが、朝鮮人をかくまっていたのが意外だった。

普段「愛国!」とか言ってても、いざ目の前に困った外国人がいたら助けてしまうのが、人の情けってものか。

そんなこんなで1941年12月8日の未明、真珠湾攻撃開始。日本は本格的に太平洋戦争へと突入する。

戦争に向かう、全体的に重~い雰囲気に包まれていた今週だが、最後は「やすらぎの郷」に戻り、地震速報に驚く菊村栄(石坂浩二)の姿で終わった。石坂浩二の顔を見るとホントーに安心する。

根来家の人たちの行く末も心配だが、そろそろ「やすらぎの郷」の老人たちも見たいよ!
(イラストと文/北村ヂン)

【配信サイト】
・Tver

『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)
作: 倉本聰
演出:藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
主題歌: 中島みゆき「進化樹」「離郷の歌」「慕情」
音楽:島健
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日

このネタ読んでどう思う?

投稿ありがとうございます。
よかったらログインしてコメントも書きませんか?閉じる

このネタへのコメント1

コメントを投稿するにはログインが必要です。

ログインしてコメントを書く

カテゴリ別アクセスランキング

トップ