世界一のコーヒーチャンピオンは スイスに住む日本人女性

2019/6/15 07:00 CREA WEB

世界一のコーヒーチャンピオンは スイスに住む日本人女性 世界一のコーヒーチャンピオンは スイスに住む日本人女性

自分の好きなコーヒーが一番!
それがモットー

 スイスのコーヒーファンの間では、2018年に世界コーヒーチャンピオンシップの抽出技術部門(フィルターコーヒー)で世界一に選ばれた、深堀絵美さんがチューリヒで経営するコーヒーショップが話題になっています。

 1店舗目はお洒落なお店が多いJosefstrasse、2店舗目はチューリヒ湖が近いSeefeldstrasse。今回はSeefeldのお店を訪れてみました。

 なんと深堀さんは2015年にスイス・コーヒー・チャンピオンシップのバリスタ部門で、2018年には同じスイス大会のコーヒー抽出技術部門で優勝している腕前。日本人女性がスイスを拠点に世界で活躍しています。

 共同経営者でもありパートナーのマシューさんも2018年に世界大会のバリスタ部門で3位に輝いています。

 コーヒーショップの名前は「MAME」。モットーは「The best coffee is the coffee you like」。自分の好きなコーヒーが一番! という意味。

「世界中で見つけ出した様々な豆を提供し、お客様自身でお好みを探してもらいたい。そのガイディングをするのが私の仕事」と笑顔で答えてくれました。

窓ガラスが大きく入りやすい店内。

 店内には余計なものはなく、すっきりと整っています。写真の手前にもテーブルがあり、ベビーカーで来た子連れの方にも入りやすく、広い空間です。

天井が高く観葉植物があり居心地の良いスペース。

まるでカウンセラーのよう
おもてなしの精神で好みを聞き出す

 深堀さんがいろいろ教えてくださいました。

 素材の旨みを大事にする美食家の日本人は舌が肥えているので、コーヒーの味の表現も豊かだそうです。

 苦味や渋味、えぐみという特有な細かい表現がそれにあたります。気になって苦味と渋味について調べてみました。

 生理学的定義に基づく味覚の五原味(甘・酸・塩・苦・旨味)には含まれないものに、辛味・渋味・冷味・刺激味があります。

 これらは味覚ではなく触覚に近い感覚。渋味は苦味と似ていますが異なるものであり、例えば、柿渋の渋味はタンニン、茶葉の渋みはカテキン、苦味はカフェインによるもの。

 渋味は味を分類する概念の一つで、日本の伝統的な美意識の一つでもある、とのこと。奥が深いです!

深堀さん一押しのブラジルやブルンジ共和国のコーヒー豆。

 コーヒーミル。注文ごとに豆を挽きます。

左がフィルターコーヒー用で、右が予備。エスプレッソ用はまた別にあります。すっきりと整ったカウンター。テイクアウトも可能。

ゲストのコーヒーの好みを
読み取る方法とは?

 コーヒーマニアのお客様からのリクエストに細かくお応えする時もあれば、全てお任せの場合も。

 その時はオーダーを取りながら直感でお客様の雰囲気や性格を読み取り、気分を聞いて、どんなコーヒーが好きそうかつかんでいるそうです。

 ポイントは押し付けがましくないよう、おもてなしの精神で好みを聞き出してコーヒーを淹れること。まるでカウンセラーのよう!

笑顔でフィルターコーヒーを入れる深堀さん。

 お店には利益が高いアルコールは置いていません。美味しいコーヒーだけを提供し勝負しています。実力と自信がなければできないと感じました。

 世界一の深堀さんが厳選した豆で、丁寧にガイディングを受けながらコーヒーを淹れてもらえるのかと思うと、1杯5フランは安い気が?!

 しかしメニューの右の真ん中にあるクレイジーはなんと1杯15フラン! 世界大会の時に使用した豆などで入れるコーヒーだそうです。コーヒー好きな方はぜひお試し下さい!

メニューとコーヒー豆のフレーバーのチャート表。

 コーヒーはフレーバーのチャート表に沿って選びます。フレーバーとは、舌の奥から喉にかけて感じられる風味と香りの総称で、大きく分けるとチョコレート、フルーティー、フローラル、の3種類。

 チョコレートは酸味が少ないチョコレートのような風味。フルーティーはフルーツのような酸味のある風味。フローラルはお花のような風味。

 さらに細かくしたMAMEオリジナルのフレーバーのチャート表がこちら!  こんなに味を細かく分けられるなんて、世界一の深堀さんの味覚はどうなっているのでしょうか?!

オリジナルのフレーバーチャト表。色分けされてあってとても綺麗。

 エスプレッソマシーンは、パートナーのマシューさんが2016年の世界大会に出場した時のものを買い取って使用。愛着もひとしおですね。

開催都市のDublinのロゴ入り。

 牛乳にも並々ならぬこだわりがあります。チューリヒのスーパーで販売されているものを全て飲み、一番美味しかったものを農家まで行って仕入れています。

 牛乳は70度を超えると甘くなくなるので、60度~63度で淹れるそうです。

コーヒーに合う、主張しすぎない優しい味のオーガニック牛乳。

 エスプレッソに牛乳を流し込む姿が凛としてとても素敵。

コーヒーに愛情を込めて淹れているのが伝わってきます。

 エスプレッソは味が濃くて冷めると美味しくないけれど、フィルターコーヒーは熱くても冷めてもその差を楽しむことができるとおっしゃいます。

 冷めた方が酸味を感じるそう。肌で感じて美味しく飲むのがポイントだとか。コーヒーの飲み方や楽しみ方にもいろいろあって奥が深い!

いつでも笑顔の深堀さん。

 できあがり!

ハートのラテアート!

スイーツやグッズも充実
贅沢な時間を堪能

 コーヒーに合うお菓子は他の日本人女性の手作り。

抹茶のロールケーキがおすすめです!

 コンブチャも販売しています。日本の昆布茶と思って飲むとびっくりしてしまうはず。

 紅茶キノコという菌が発酵して自然な微炭酸があり、スイスのハーブやショウガとのコンビネーションが絶妙です。

ラベルもお洒落。コーヒー豆やフィルターコーヒーの器具、お店で使っているものと同じカップが並んでいます。

 いつでもウェルカムモードな深堀さん! 「何事も楽しまないと長続きしない!」とおっしゃっていました。

 現在は店舗に出るとともに、世界中で講師やコンサルタントを務め、コーヒー豆を探し、焙煎もされています。

 まだ31歳なのにとてもモチベーションが高く素敵な女性でした。チューリヒに観光の際には、ぜひ訪れてみてください!

よく声もかけてくれるのでおしゃべりも楽しく、ついつい長居してしまいます!

MAME
(取材をした2号店)

Seefeldstrasse 19 8008 Zürichentweg 1A 3006 Bern

(1号店)
Josefstrasse 160 8005 Zürich

メール info@mame-coffee.com
https://mame.coffee/

西村志津(にしむら しづ)

山に魅せられ、日本山岳ガイド協会認定の登山ガイドとなる。2012年の結婚を機にスイスへ移住。コーディネーターやハイキング・スキーガイドとしてスイスと日本の架け橋になる活動に努める。一方で心と身体の健康を伝えるべくヨガインストラクターとしての一面も持つ。現在、子育てにも奮闘中。共訳書に『マッターホルン最前線』(東京新聞出版局)。


文・撮影=西村志津

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