夫が「魚、コゲてる」と言った。それだけでなぜキレてしまったのか?

2019/6/14 17:57 AM

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勝手にシリーズ化している“モラハラ4部作”。最終回は、モラハラ男性と別れた後の話です。

一時的にでも、モラハラ傾向のあるパートナーと深く密接にかかわった経験は、程度の差はあっても心に後遺症を残すようです。
わたしに限っていえば、モラハラ傾向がある人に対して過大なアレルギー反応を起こすようになりました。男性がモラハラしている姿を目にしたり、「それってモラハラだよね」というエピソードを耳にしたりすると、強烈な怒りがこみ上げてくるのです。

けれども同時に、モラハラをしてくるタイプの人は、こちらがいくら努力しても変わることはないという教訓も得たので、さっさと見限って、離れる術も覚えました。「モラハラする人は、わたしの人生からできる限り排除する」という方法を取ることで、怒りに振り回されることなく、気持ちよく日々を生きることができるようになったのは、ひとつの収穫です。

週に一度のスポーツジム通い

しかし、その一方でパートナーの行動に敏感になり過ぎてしまうきらいもあります。あれは、とある週末のことでした。その日、わたしは朝起きると、息子の世話を夫に任せてスポーツジムへと向かいました。

実は今年の頭から、スポーツジム通いを始めました。とはいっても毎週土曜日ないし日曜日のどちらか一日だけで、さすがにそれではまったく痩せないし、なんのために通っているのだろうか、と自問自答している状態なのですが、週に一度しか通えないのは、事情があります。

現在、息子の通っている認可保育園は、「保護者が共働きや病気などの理由で、昼間の家庭において保育を受けられないお子さんを、保護者に代わって保育する児童福祉施設」なのです。だから、基本的なルールとして、保護者が休みの日には預けられない。
うちの保育園の場合は、保護者の仕事が休みでも16時までは預かってくれますが、午前中に一時間かそこらジムに行きたいがために、ウィークディを一日休みにするのもどうかという思いもあって、ジムに通うのは週末の一日だけとなってしまうのです。

けれどもストレス解消にはなるし、「ジムに通ってるんだから」と暴飲暴食する言い訳にもなる。ゆえに、「意味はある! ムダ金ではない!」と毎月8,000円なりを投入して週一、運動に励んでいるのです。

ジム後の昼食作りで失敗してしまい…

そういうわけで、その日もジムで一週間分の運動をして帰りにスーパーに寄り、昼前に自宅に戻ると、夫と息子はパジャマ姿のままリビングでテレビを観ている最中でした。夫は、わたしが帰ってきたのを見ると「じゃあ、ちょっと俺、仕事したいから」は自室へと引き上げていきます。
本音をいえば、これから食事の準備をするのだから、その間も息子の面倒を見ていてほしかったけれど、夫の午前中を潰したことを踏まえ、「コレ、ミテ!」「ナニ、コレ!」といちいちわたしに構ってほしがる息子をあやしつつ、昼食の準備へとかかったのでした。

その日のメニューは鮭の西京焼きと鶏肉と蓮根の炒め物、ワカメと玉ねぎと油揚げの味噌汁にご飯でした。
ちなみに我が家では味噌汁に三種類以上の具を入れることにしているのですが、それは木嶋佳苗のブログで、東京拘置所では必ず毎朝三種類以上の具材の入った汁物が出て、それがすごく美味しいというエントリーを読んだからです。真似したところ、確かに味がアップした。佳苗すごい……という話はさておき、冷凍庫にストックしてあった西京焼きは、まだ完全に解凍ができておらず「ちゃんと焼けるかな」と不安な気持ちで魚焼きグリルに入れたのですが、案の定、見事に焦げてしまった。

魚を焼くのに失敗してしまったことに、若干へこみつつ、「ごはんできたよー!」と夫を呼んで配膳を手伝ってもらい、そして西京焼きをテーブルに置いたところで、それを見た夫がこう言ったのです。「あ。魚、焦げてる」。

瞬時に「子どもの世話と平行してご飯作ってるんだから、魚を焦がすくらい仕方ないでしょ!」と声を荒げると「えっ、なんで怒るの?」ときょとん顔の夫。
「だって、魚が焦げてるって文句言うからでしょ!」「えっ、文句じゃないよ。ただ、焦げてるから焦げてるねって言っただけだよ」と夫は心から不本意の表情。その様子にようやく少し冷静を取り戻しました。

思わず声を荒げてしまったのはなぜ?

もともと、我が家の夫は出されたものに対して、一切贅沢も文句を言わずに、気持ちよくたいらげる人です。わたしが旅行などで家を留守にすると、冷蔵庫の中の余りものをすべて食べて綺麗にしてくれるし、たまにスーパーに行き損ねて「ロクなおかずがないんだけど」というと、冷蔵庫の卵とバターと納豆で「これだけあれば、ご馳走でしょ!」とまったく不満な様子も見せない。
食に関して、まったくうるさくない人なので、「魚が焦げた」という夫の言葉に、なんの含みもないのは、少し考えればわかること。

けれども、わたしは反射的に声を荒げてしまうのです。それは「魚を焦がしたことで、また機嫌を悪くされる」という、かつての傷をこじ開けられるのを防御したのだと思います。でも当たり前のことですが、かつてのモラハラの恋人と、今、目の前にいる夫は別の人なのです。

反射的に夫を怒鳴ってしまうくらいには、かつての恋人に傷つけられたわたしの心は癒えていない。だからこそ、忘れないようにしていこうと思います。いま、わたしの前にいるこの人は、わたしの心を傷つけない人だ、と。

Text/大泉りか

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