欧米18か国参加の合同訓練「BALTOPS 2019」バルト海で始まる

2019/6/12 07:00 おたくま経済新聞

「BALTOPS 2019」に向けてキールを出港するスペイン海軍の強襲揚陸艦フアン・カルロス1世(Image:U.S.Navy) 「BALTOPS 2019」に向けてキールを出港するスペイン海軍の強襲揚陸艦フアン・カルロス1世(Image:U.S.Navy)

 アメリカ、ドイツ、イギリスをはじめとした18か国の海軍が参加する、バルト海で実施される恒例の合同訓練「BALTOPS」が2019年6月9日(ヨーロッパ中央時間)、ドイツのキールを母港として始まりました。この訓練はアメリカ欧州海軍に所属する第2艦隊が主体となり、ヨーロッパ各国の艦船及び航空機が参加して、バルト海地域での戦技を向上させることを目的とし、およそ2週間の日程で行われるものです。

 BALTOPS2019は、2018年にアメリカ海軍がヨーロッパにおける戦力の再編を行ってから、初めて迎える大規模な共同訓練です。ヨーロッパ各国との連携を深めるためにも、今回の訓練は重要なものとなります。準備会合は前年の12月にポーランドのグディニャで始まり、2019年4月にはリトアニアの首都ヴィリニュスで最終の調整が行われました。


 参加国はアメリカのほか、イギリス、エストニア、オランダ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ラトビア、リトアニア、ルーマニア(50音順)の計18か国。各国から水上艦艇50隻、潜水艦2隻、航空機36機、そして約8600名の人員が参加して行われる大規模なものです。

 歴史ある軍港として名高いドイツのキールに集結した参加国の艦船。大きなものではアメリカ海軍のブルー・リッジ級揚陸指揮艦マウント・ホイットニー(LCC-20)や、スペイン海軍の強襲揚陸艦フアン・カルロス1世(L61)、イギリス海軍の航空支援艦アーガス(A135)などが目立ちます。



 逆に小さなところでは、ノルウェー海軍のシェル級ミサイル艇(コルベット)スクッド(P962)や、スウェーデン海軍のヴィスビュー級コルベット、ニーショーピング(K34)とカールスタッド(K35)など。北欧諸国の艦艇は小型ながら、入り組んだ海岸線での隠密性を高めるため、レーダーに対して迷彩効果を発揮する、高いステルス性を持ったデザインが特徴です。スクッドはさらに視覚的にも、海岸の風景に溶け込むような色の幾何学迷彩をまとっていることも大きな特徴といえるでしょう。


 訓練に先立ち、6月7日にはアメリカ海軍第2艦隊司令官のアンドリュー・ルイス中将、イギリス海軍のアンドリュー・バーンズ少将、ドイツ海軍のクリスティアン・ボック少将がが参加して、訓練の開会セレモニーが行われました。今回の訓練の主な目的は、防空や水上戦、対潜水艦戦、機雷掃海、そして水陸両用作戦における各国間での連携を確認し、同時に相互理解を深めて地域の安定と平和を確固たるものとすることにあります。

 訓練を主導するアメリカ海軍を代表して、ルイス中将は「どの国も孤立無援の状態で現代の脅威には対処できません。ともに手を携えることで、より強い力を発揮するのです。関係各国やNATO加盟諸国との関係をより強固なものにすることは、我々の抑止力や能力を高め、その心構えと即応性を向上させることにつながるのです」とコメントし、訓練の意義とその効果について強調しています。

 イギリスのバーンズ少将は「思うにBALTOPSは、各国が連携して一体となった環境で任務を行うことを習慣づける役割を果たしているのではないでしょうか」と語り、「たとえばNATOの枠組みにおいて、共同で任務にあたり、その際の手順を標準化することで、かつてより大きく進歩したといえると思います」と、これまでのBALTOPSにおいて培った経験がもたらすものの大きさについて言及しています。

 多国間合同訓練「BALTOPS 2019」は、6月21日までバルト海を舞台に実施される予定です。

<出典・引用>
アメリカ海軍 プレスリリース
ドイツ海軍 プレスリリース

Image:U.S.Navy

(咲村珠樹)

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