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若者の間でおじさんアイテム“フィッシングベスト”が流行中!? 一体なぜ?

2019/5/27 15:51 日刊SPA!

釣り人が着ている“フィッシングベスト”が、ファッションアイテムとしてブーム!? ※画像は、イメージです 釣り人が着ている“フィッシングベスト”が、ファッションアイテムとしてブーム!? ※画像は、イメージです

 近頃、若者のファッションで“おじさん”アイテムがトレンドとして注目されていることをご存知でしょうか。

 たとえば、“ウエストポーチ”をはじめ、ブカブカのシルエットにロゴがドンと大きくプリントされた“ロゴドン”、分厚いソールがボテッとした印象の“ダッドスニーカー”。これらは90年代リバイバルブームの流れを汲んでいますが、そんな中、去年あたりからメキメキと頭角を現してきたのが「フィッシングベスト」。

 インスタグラムで「#フィッシングベスト」とハッシュタグで検索してみれば、オシャレな人たちが多数見受けられる。今季は有名セレクトショップの店頭でも大々的にプッシュされており、いよいよ無視できない状況になってきました。とはいえ、街の女性からはこのような声も……。

「え、今から釣りにでも行くの?(やや引き気味)」(32歳・保育士)
「流行なのか知らないけど、ちょっと理解できないかも」(27歳・IT関係)
「若いイケメンだったらまだしも、おじさんが着たら、まんま釣り人とか競馬場にいる人みたいだよね」(26歳・派遣)

 果たして、おじさんたちはトレンドとしてのフィッシングベストとどう向き合うべきなのでしょうか。今回は検証してみます。

◆街に「フィッシングベスト」大量増殖中の謎

 まずは、この不可思議なブームがどこからきたのか。実はモード界隈では少し前から盛り上がりつつありました。

 ハイブランドが次々とランウェイで発表し、今季はルイ・ヴィトンやディオールがリリース。メンズ&レディースともに、ムーブメントの本格化が予想されます。とはいえ、なぜフィッシングベストなのか?

・絶妙なダサさが、逆にオシャレ
 
 若者たちに90年代アイテムがブームとなったひとつの理由でもありますが、我々にとっては単なる古臭いものが、若者たちにとっては逆に新鮮なのである。古臭いデザインには“ダサい”という印象もついてまわるが、上級者は、それさえもオシャレのスパイスに活用してしまう。

・ポケットだらけの見た目が絶大なインパクト

 フィッシングベストの特徴として、やたらとポケットが多いこと。実用性を重視しているぶん、スタイリッシュなシルエットではない。ファッション的には「野暮ったい」とも言えますが、見た目の個性としては絶大なインパクト(もちろん、ガチの釣り人からすると、ひとつひとつのポケットやディテールに意味があることは間違いない)。

・サコッシュやウエストポーチ以上の収納力

 近年はアウトドアウェアのブームが続いていましたが、ボディにポケットが乱立していることで、トレンドとなっていたウエストポーチやサコッシュいらず。春夏時期の軽装でも抜群の収納力を発揮し、手ぶらになれる利便性から野外フェスなどを中心に人気を拡大していました。

 僕は、以上の3点がフィッシングベスト流行の背景だと推測します。特に、夏のトップスはTシャツが中心で、アイテムの選択肢も乏しい。よって、周囲と差をつけたいというオシャレ感度が高い層からも受け入れられたのでしょう。

◆おじさんは着こなせるのか?

 さて、そんな出自はともかく、気になるのは「で、どう着るのよ?」ってところですよね。これが若者ならまだしも30過ぎのおじさん(※筆者は34歳。まだまだ“おにいさん”だと言い張っているけど)がフィッシングベストを着ていたら、近所のおばちゃんにも「これから釣りですか? 天気が良いものね、オホホ」なんて言われかねません。

 そんな不安要素をてっとり早く解消し、もしも着こなしに挑戦するならば、「シャツと合わせる」のがいいでしょう。

 その理由は、そもそも「シャツを着て、誰が釣り行くねん」って言い返せますからね(笑)。ともあれ、もうひとつ重要なポイントは「ボトムは細身に限る」。

 フィッシングベストは比較的ゆったりしたシルエットなので、ボトムまでゆったりさせると全体のバランスを取るのが極端に難しくなる。スッキリとしたボトムを合わせればメリハリが利き、街着感も出る。

 ゆったりとしたカーゴパンツだと、上下がポケットだらけで「人間リュックサック」になってしまうので絶対にNGでしょう。

◆先入観をなくせば、使い勝手の良いアイテム

 クセのあるデザインから、着こなしが少々難しく感じられるかもしれないフィッシングベスト。しかし、そのディテールは凝ったものが多く、おじさんという先入観をナシにして見れば、パンチがあって、非常に使い勝手も良いアイテムと言えます。

 また、手ぶらで歩けて、「安い」ってところもポイント。

 一部のハイブランドは除外しますが、釣具屋で売っている昔ながらのガチンコモデルなら3000円前後。セレクトショップで扱われている、ちょっとオシャレにアレンジした物でも10000円程度で手に入るのだから、バッグを買うよりも安い。

 これから夏本番を迎え、そのとき一般層まで流行っているのかどうかは現状未知数でもありますが、もしも街でフィッシングベストが本当に定着していた際には、おじさんでも挑戦してみる価値はあるかもしれません。<文/今井諒>【今井諒】1985年生まれの33歳。メンズファッションブランドディレクター。かつて若者たちから絶大な人気を誇ったメンズカルチャー誌『men’s egg』にてモデルを務める傍ら、19歳で衣料品生産請負会社へ入社し、ファッション業界へ飛び込む。以後は自身のブランド「blutenblatt(ブリューテンブラット)」を設立し、2008年に独立。現在はメンズファッションを中心としたセレクトショップ「A.R.K ONLINE STORE」運営のほか、特許を取得した世界初の変身帽子ブランド「マスクヘッズ」の主宰を務める。プライベートでは二児の父となり、“イケてる親父”を目指して仕事に育児に奮闘中!

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