貴重なギャグ回「どろろ」ヒョウタンツギなどの手塚治虫キャラも居た19話

2019/5/27 09:30 エキレビ!

どろろBlue-ray BOXイメージイラスト どろろBlue-ray BOXイメージイラスト

アニメ『どろろ』(→公式サイト)。今日5月27日(月)22:00より、TOKYO MXほかで、第十九話「鵺の巻」が放映される。
Amazon Prime Videoで毎話24:00頃から配信予定。

正直だから嘘も楽しい


18話は数多くの人が夢を叶えられず、悲しみの中死んでいく凄惨な回だった。
19話は流れが一転。天邪鬼が出てきてみんなの言動をあべこべにする……というとてもコミカルな回。
ラストで全員が幸せになる、アニメ「どろろ」としては極めて珍しい内容。多少強引な展開はあれども(例・おこわが、彼女のことを以前から好きだった男とすんなり結ばれるなど)、それすらもアリに感じるくらい、ハッピーな空気だった。
あやかしの天邪鬼が、殴られただけで殺されていないあたりも、見ていてホッとする。

訪れた村にそこそこの余裕があるのも、このアニメとしては珍しい。
今まで2人が訪れた場所は、強制労働させられていたり、飢饉にあえいでいたり、妖怪の力を借りていたりと、平穏さはなかった。
ところが今回訪れた村は、そこそこ暮らせているようで、近所の仲がよく、住人の顔がみんな明るい。
おこわが百鬼丸のために持ってきたのは鯖寿司。祝い事などハレの日に作られる高級品だ。
即効で仏前式をあげようとしたおこわ。その日のうちに結納品のするめやらこんぶやらを揃えている。
少なくともおこわは、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされていない。恋愛ができる程度の安定感はある。

4話で登場した行商人の娘は、妖刀に乗っ取られた兄を失ってしまった。
5・6話で登場したミオは、自分と共に暮らす孤児たちのために、武士たちに身体を売っていた。
それに比べて、おこわは極めて楽観的で、幸せそうに生きている。Twitterではすっかり人気キャラになっている。

今回「嘘」で物語が幸せに向かえたのは、登場人物全員が誠実だからだ。
14話の「鯖目の巻」では、村人全員が子どもたちを殺したことについて嘘をついていた。だから、誰一人幸せにならなかった。
19話では、天邪鬼に操られた村人全員が悪口ばかり言っていた。
ということは、全員が人を心から褒められる、素直で優しい人揃いだったということだ。
おこわの婚姻の準備中の、村人たちの罵詈雑言。全部逆の意味で聞き直すと、みんながおこわを強く愛しているのが見えて、ニヤニヤしてしまう。

ギャグ回なのもあって、作中にはヒョウタンツギやスパイダーなどの手塚治虫キャラも登場。
物語が佳境に入る前の箸休め回として、安心して見られる回に仕上がっている。

戦を終わらせる刀


基本コミカルなキャラクター揃いの回だが、刀工の宗綱だけは違っている。
おこわの祝言にも行かず、刀の手入れをする宗綱は、「人殺しは嫌いだ」と言う。
「俺の理想は争いを止める刀を作ることだ。それを見た相手が、一瞬でかなわねえと感じる刀をな」

古代中国で、「武」の文字は戈(矛)を止めるもの、戦を止めるもの……と言われていたことがあるらしい。
19世紀以降になってそうではない(「武」は、矛をもって勇ましく進む、という成り立ちらしい)ことが判明したそうだが、大事なのは「武」に対してそのような意識が、長い間色々な人に持たれていたということだ。
宗綱は最高級の刀を作ることで、争いを止めることができる、と信じている。
それがどのような刀かは、本人もまだ答えを見つけておらず、追求している最中。「生きてるうちに作れるかもわからん」。
それでも、必ずあると彼は考え、刀を打ち続ける。

これは百鬼丸の生き方にも関わりそうだ。
百鬼丸は人・あやかし問わず、近づくもの全てを殺すだけの腕前を持っている。鬼神も一人で片付けられる。
鬼神を倒せば国に厄災が訪れるからと、醍醐の国の面々は百鬼丸を「鬼神」と呼び始めた。
彼はあまりにも鋭くなりすぎた「刀」そのものだ。自らの力の使い方を間違えれば、とたんに災厄をもたらす存在になる。

しかし今回の件を踏まえると、彼が鬼神を倒し続ける中で、争いを収められる「刀」となる可能性も出てきた。
百鬼丸が手に入れた、宗綱の刀。百鬼丸の心がそこに乗ることで、争いを止める刃として、暗闇だった未来を照らす光明になりそうだ。

(たまごまご)

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