これで税金は怖くない!FPが教えるサラリーマン、自営業、法人の税金対策

2019/5/21 10:00 mymo

これで税金は怖くない!FPが教えるサラリーマン、自営業、法人の税金対策 これで税金は怖くない!FPが教えるサラリーマン、自営業、法人の税金対策

こんにちは。FP(ファイナンシャルプランナー)の内山貴博です。
最近では仮想通貨で大儲けし、一気に億万長者になった人がいるなど、なんともうらやましい限りですが、このようにお金を稼ぐ機会が多様化しているように感じます。そこで大事になってくるのが税金対策。今回はとりわけ節税対策についてご紹介したいと思います。

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1億円儲けたら、支払う税金は5000万!?

仮想通貨で億万長者になった人がいるように、私たちには仕事で収入を得るという方法以外にも、投資をはじめ工夫次第で大きく儲けることができるかもしれません。そういったチャンスをものにし、資産が1億円以上になった人のことを「億り人」とも言いますが、そんな億り人にとって思わぬ落とし穴となったのが税金です。

例えば、3月に相場が急上昇して1億円以上の利益が出て大喜びしたとします。おそらくは大きな買い物をしたり、旅行をしたりと、ある程度は支出したはずです。そんな億り人が、税金を納めることになるのが、翌年の2月16日からはじまる確定申告においてです。納税まで1年ほど時間があったため、税金についてそれほど真剣に考えていなかった人や対策をしていなかった人も実際に数多くいたようです。

ちなみに仮想通貨の場合は、雑所得として総合課税の対象となるため、その人の他の所得状況によって税額は変わりますが、1億円のうち半分、つまり5000万円ほど税金を納める必要があります。かなりの納税額になり、対策をしていないと大変なことになりますよね。できれば負担する税金が低くなるような対策をしたいと考えるのも正直なところだと思います。そこで、次から「サラリーマン」「法人」「自営業」別に、私たちができる税金対策、節税対策についてお伝えしていきましょう。

サラリーマンの税金対策は「所得控除」で!さらに結婚や退職金のタイミングも節税に!

サラリーマン 節税【画像出典元】「iStock.com/guvendemir」

サラリーマン(会社員)は所得税上、給与所得者となります。必要経費を計上して所得税を算出する自営業者と比べると、サラリーマンの場合は一律の計算方法があり、与えられている給与所得控除を用いて税金を計算することになるため、税金対策は限られます。よって、サラリーマンにとっては、所得税の課税体系を理解し、「所得控除」を上手に利用するのが1つの税金対策となります。

このような所得控除は、生命保険の加入状況に応じて適用される「生命保険料控除」など、さまざまです。まずは自分自身に適用できる「所得控除」がないかどうかを確認してみましょう。会社の年末調整で控除可能なものと、確定申告が必要なものとに別れます。

一度、所得控除について1つ1つ確認することが何よりの税金対策となりそうです。

・年末調整で受けることができる所得控除と控除額
 
基礎控除 一律38万円
 配偶者控除(配偶者特別控除) 一律38万円(3~38万円)
 扶養控除 38~63万円
 生命保険料控除 最大控除額12万円
 地震保険料控除 最大控除額5万円
 小規模企業共済等掛金控除 該当する掛金全額
 社会保険料控除 該当する社会保険料全額
 障害者控除 27~75万円
 寡婦(寡夫)控除 27万円
 勤労学生控除 一律27万円 

・確定申告が必要な所得控除
 
寄附金控除(※ふるさと納税の場合はサラリーマン専用の「ワンストップ特例制度」の利用可)
 医療費控除
 雑損控除
 ※いずれも申告内容によって控除額が決定

さらに、タイミングの違いで税金が軽減される場合があります。例えば、以下の場合はどうでしょうか。

サラリーマンの彼が彼女と結婚を予定しています。彼女は結婚準備で既に職場を退職し、家事手伝いです。彼女の誕生月にあたる来年1月に入籍予定です。

幸せいっぱいの時期ですが、この場合、1つ税金対策をするならば、来年1月の入籍を今年の12月にすることです。おそらく、家事手伝いの彼女なので今年の所得は多くないはずです。年内ギリギリでも入籍して夫婦になれば、その年から配偶者控除が使えます。

つまり、サラリーマンの彼の所得税や住民税の計算上、「支えている配偶者がいる」ということで、その分税金の負担が軽減されるのです。所得税・住民税いずれも10%で計算(概算)すると、数日、入籍のタイミングが違うだけで、彼の税負担は7万1000円も軽減されます。新婚旅行をワンランクアップできそうですね。

また、同じようにわずかな月数で違いが生じるのは、退職金を受け取るケースです。退職金は退職所得として課税対象になります。勤続年数に応じて控除額を差し引くことができるのですが、この勤続年数は、1年未満は切り上げとなります。つまり、10年と1ヵ月勤務でも11年とみなして計算してくれるため、その分税金を抑えることにつながる場合があります。

自己都合退職の場合は、自分で退職時期を決めることになりますので、こういった計算方法も事前に把握しておきたいですね。

法人の税金対策のポイントは「生命保険」と「消費税」!

【画像出典元】「iStock.com/alfexe」

法人、つまり会社においては個人よりも税金対策は行いやすいと思います。一般的には、生命保険での節税方法が有名です。個人で加入した場合は、一定額の「生命保険料控除」が使える程度ですが、法人の場合は保険の種類にもよりますが、払った保険料の全額または半額などが必要経費(損金)とみなされ、その分、税金の負担が軽減されます。

よって社長の場合、個人で保険に加入するよりも法人で加入し、さまざまなリスク対策を行っておく方が有利な場合が多いです。ただし、損金計上した場合、解約金や給付金などを受け取るときに益金が計上されます。つまり、受取時に課税対象となるわけですので、総合的に判断をしながら保険契約をしていく必要があります。

また、これから法人(会社)を作りたいという人、そして個人事業主から法人化を考えている人は「消費税」と上手に向き合ってもらいたいです。

商売をする人は、商品の仕入や経費の支払いなどで消費税を負担することとなります。一方で、顧客へ商品やサービスを提供した際には顧客から消費税をもらうことになります。よって、「顧客から預かった分と自分が払った分の差額」を納めることになるのですが、消費税の納税義務者は「2年前(2期前)の基準期間の売り上げが1000万円以上の場合」と定められています。

つまり、2年前の売り上げが1000万円に達していない場合は、納税義務が免除されるのです。開業や法人化したばかりだと、原則2年間は免税業者となります。順調に売り上げを伸ばしていけば、3年目以降、どこかのタイミングで消費税の納税業者となるでしょう。そのときに備えて開業当初は「消費税分を納税したもの」とみなし、しっかりとお金を貯めておきたいものです。人を増やすなど規模を拡大し売り上げを伸ばすことも重要ですが、事業形態によっては消費税を意識しながら免税業者の範囲内で「スモールビジネス」を長く展開していくことも1つの方法ですね。

法人(会社)ができる税金対策として生命保険と消費税を取り上げましたが、生命保険については金融庁や国税庁が「損金として処理すること」に対してさまざまな指導を行っています。消費税も資本金次第では、1期目から課税業者となるなど、さまざまな要件を事前に確認することが重要です。

会社の場合はメインの商品やサービスがあり、それをいかに消費者に届け、売り上げを上げるかということにフォーカスしがちですが、こういった税金のことを考える機会を増やすことが経営上重要なポイントだと思います。

自営業の税金対策は「所得控除」と「経費計上」で。開業したばかりの人は特に要注意!!

電卓をたたく女性【画像出典元】「iStock.com/Deagreez」

自営業の場合は、上記の法人と同じようにビジネスを展開しているものの、あくまで個人としての扱いになります。課税上は所得税となるため、給与所得者と同じように、上手に「所得控除」のことを知り、適用することが税金対策につながります。そして、自営業者の場合は、自身で展開するビジネスにかかる経費は原則、税務上の損金に認められますので、しっかりと「経費計上」できるものは計上しましょう。

特に注意してほしい人は、開業したばかりの人です。筆者も経験がありますが、会社員から自営業になったばかりの頃は「経費」という意識がそれほど高くなく、仕事に係る出費だったとしても、つい領収書をもらい忘れていたりすることも。

自営業者の事業所得の場合、一定の手続きを行うと当初の赤字を将来3年間にわたって繰り越すことができます。1年目はどうしても売り上げよりも経費が多くなり、赤字となる事業が多いと思います。適正に丁寧に「経費計上」しておけば、より繰り越せる額が増えるはずです。繰り越し額が多いほど、事業が軌道に乗ってきた2年目以降の税負担を軽減することにつながります。その年の黒字と繰り越した赤字が通算できるからです。

自宅で開業している人も多くいますが、自宅の場合は光熱費や家賃などはプライベートな支出とみなし「経費計上」していない人が多いようです。厳密には仕事中の電気代、仕事で使う車のガソリン代など、経費として計上することが可能です。光熱費のうち、何割がプライベートで何割が仕事か?という考え方は難しいところがありますが、一度税務署や税理士などに相談してみるのも1つの方法です。

所得税の金額はどうやって決まるの?所得税額決定の仕組みと計算方法

ここまでに何度か使っている表現ですが、そもそも所得税の「所得」とはなんでしょうか?どうやって計算するのでしょうか?

「所得」は、簡単にいうと「儲け」を意味します。私たち個人は、働いて得る給与や商売をして得る売り上げ、生命保険を解約した時の解約返戻金など、さまざまな金額を手にする機会がありますが、これらは儲けではなく収入です。例えば商売をしている人は、この収入から必要経費などを引いた儲けに課税される仕組みです。個人事業の場合は「事業所得」といい、会社員の場合は「給与所得」といいます。

・会社員の場合~給与所得(儲け)=収入-必要経費
・個人事業主(自営業)の場合~事業所得(儲け)=売り上げ-必要経費

そして私たち個人は、事業所得や給与所得以外にも所得を得る機会があり、全部で10種類の所得(儲け)があるとされています。生命保険の解約は頻繁に発生するものではないため「一時所得」とされ、どれにも該当しないものをその他の所得という意味で「雑所得」といい、先に紹介した仮想通貨がそれに該当します。

《10種類の所得》

10種類の所得

こうした所得をそれぞれ一定のルールに従って必要経費を差し引くなどして「所得額」の計算を行います。そして、それぞれの所得額が計算された後は「総合課税」としてひとまとめにされ、5~45%の税率(※各人の収入その他により異なる)を乗じて、各人の課税額を計算します。

ただし、その前に「所得控除」という控除があります。先に紹介した配偶者控除もその1つですが、下図のように、ひとかたまりになった所得を小さくする効果があります。日本は所得が多いほど、税率が上がる仕組みであるため、この「所得控除」があることで、税負担を軽減することができるのです。

《所得税の仕組み(総合課税)》

※損益通算や繰越控除、税額控除などは今回省略しています。簡易的な課税イメージです。

所得税の具体的な計算式を用いながら、20代の独身サラリーマンAさん(年収350万円)を例に計算してみましょう。

まず、課税の対象となる金額を導き出す計算式1。
(計算式1)年収-経費-各種控除=課税所得金額
※経費には給与所得控除が含まれます。また、各種控除は扶養控除や医療費控除など

《給与所得控除の算出法》

給与所得控除の算出法

この表から、350万円のサラリーマンAさんの経費に当たる給与所得控除額は、350万円×30%+18万円で計算され、給与所得控除は「123万円」となります。

こうした扶養控除や医療費控除、雑損控除等の控除額の合計は、条件によってさまざまですので、仮に基礎控除38万円+社会保険料控除約50万円分として差し引くと、350万-123万-88万となり、Aさんの課税所得金額は139万円となります。

続いて所得税額を確定する計算式2で計算します。
(計算式2)課税所得金額×税率-課税控除額=所得税額

《所得額と税率》

所得税の計算方法

上記の表を参考に計算してみると、139万×5%-0円=6万9500円となりました。Aさんには1年間で6万9500円の所得税が課税されることになります。

Aさんは独身でしたが、例えば、高校生や大学生など学費が一番かかる時期に子どもを2人も3人も扶養しているお父さんやお母さんは大変ですよね。ストレスなどから体調が悪くなり病院通いが多くなった場合、いくら一定の収入があっても、生活はその分苦しくなります。そのため、こういった各人の状況を考慮して「扶養控除」や「医療費控除」といった所得控除があります。また、地震などの災害に遭い被害を受けた場合も被害額に応じて「雑損控除」を受けることができ、税負担がなるべく生じないような仕組みになっています。

FPおすすめ!とっておきの税金対策は「iDeCo(イデコ」と「住宅ローン減税」

住宅ローン【画像出典元】「iStock.com/Photobuay」

働き方や各人の状況に応じて税負担が違うことを見てきましたが、私たち個人が共通して適用できるFPおすすめの税金対策を2つ紹介しましょう。1つは「iDeCo(イデコ/確定拠出年金・個人型)」への加入、もう1つは「住宅ローン減税」です。

iDeCo(イデコ/確定拠出年金・個人型)」に加入すれば、掛金の全額が所得控除に!

まず、「iDeCo(イデコ)」は最近話題のため聞いたことがある人が多いと思います。自営業者でも会社員でも、そして専業主婦でも全員が一定の条件の下、加入することができます。国民年金や厚生年金、そして退職金制度など、それぞれの働き方に応じて将来への備えをしているわけですが、iDeCoはその上乗せとなります。

さらに、手厚い老後への備えとして、毎月(毎年)の掛金が「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除になるところが魅力です。個人で投資や保険、貯蓄などを行うことも大切ですが、それらには大きな節税効果はありません。iDeCoの場合は「掛金全額が所得控除となる」という最大のメリットがありますので、税金対策としては大変魅力的です。ただし、60歳まで引き出すことができない点にはくれぐれも注意が必要です。

また、60歳以降に受け取る際も一時金で受け取る場合は「退職所得」となり、加入していた期間が勤続年数とみなされるため控除額が大きく、税負担が生じないか、負担が少ないことが見込まれます。この点も大きなメリットとなりえます。まだ加入していない方は一度ゆっくり調べ、ぜひ加入を検討してみてください。

住宅ローン減税なら、10年にわたりローン残高の1%が戻ってくる!

そして、もう1つが「住宅ローン減税」です。住宅ローン控除、住宅借入金等特別控除といわれますが、原則、住宅ローンの残高に対して1%が10年間にわたって「税額控除」となります。この税額控除は所得控除とは違い、ずばり計算された所得税や住民税から差し引けるものです。ですから、住宅ローン残高が2000万円の年なら、その1%である20万円が納税予定額から引かれることになります。会社員の方なら、給与から毎月徴収された税金が年末調整で20万円分戻ってくることになるため、大変魅力的な税金対策となります。

賃貸と持ち家、どちらが有利?と考えたことがある人も多いと思いますが、持ち家でローンを組むとこういった減税メリットがあることも考慮してください。

「税金対策」の本当の意味合いは?

「税金対策」というと、さまざまな手法を駆使して節税するというイメージが先行すると思います。たしかに、税金や社会保険料は安い方がうれしいですよね。今回もいくつか、そういった方法を紹介しました。ただし、冒頭で紹介した仮想通貨のように、税金の仕組みを知りしっかりと納税額を準備しておかなければ大変なことになる場合も想定されます。ですから、きちんと税金を納める準備をすることも「税金対策」です。

今後は、相続税についても同じことが言えそうです。一定の資産を持っている人が亡くなった場合、その財産を引き継ぐ遺族が財産額に応じて相続税を納める必要があります。納税までの期間は亡くなってから10ヵ月しかありません。引き継いだ財産が不動産ばかりだと現金で納付することができないという事態にも。日々の商売や得られる収入に関して節税を意識することに加え、税金全般への知識を広げて困った事態に遭遇しないように、幅広い意味での税金対策を意識してください。

また、私たちの税金は行政サービスで活用されています。税金のおかげで、医療・教育・子育て・老後などさまざまなシーンで助けてもらえることもあるはずです。「行政サービスのことを知り、活用し、豊かな生活を確保する」というのも、ある意味「税金対策」になりそうです。ぜひ役場に足を運び、住民として享受できるおトクな制度がないか探してみるのも楽しそうですね。

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