ひとり旅好きな私が、モンゴルのゴビ砂漠ツアーで赤の他人と過ごしたら

2019/5/13 12:45 AM

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赤の他人と8日間行動してみて

10連休のGWは、モンゴルにて7泊8日のゴビ砂漠ツアーに参加してきた。 相変わらず「なんとなく」で決めた今回の旅行はハイシーズンにはまだ早く、思った以上に身の冷える日々ではあったけれど、かなり満足のいく旅となった。
遮るものが何もない景色に、羊とヤギの赤ちゃん。モンゴル固有の少し小柄な馬が目の前をかけ走っていく姿も見た。朝日も夕日も目を見張るほどの美しさだったし、星空なんて表現しがたいほど。言葉でも写真でも決して言い表すことのできない光景が、いつも目の前に広がっていた。 行きの飛行機の中で「10連休ならもっと遠いところに行くべきだったな。なぜ、たった4時間半で行けるモンゴルなんかに……」と思っていた、あの頃の自分をぶん殴ぐってやりたい。本当に本当に、素晴らしい旅となった。

私は基本的に1人で旅行に出かける。まず人を誘うという発想に至らないし、私が1人旅を好んでいることを知ってか知らずか、友達に誘われることもなくなった。
最後に誰かと海外に出かけたのは大学を卒業してからの3泊4日の台湾旅行で、それでもう懲りてしまったというのもある。どれだけ仲がよくても、お互いに気を遣えるとしても、ずっと一緒にいるとなると話は別だ。台湾と言えば、屋台での飲み食いと相場が決まっているのに、「お腹を壊して会社に行けなくなるのが嫌だから……」と言い出す。ウン、わかる。君は、大企業に入ったばかりの新入社員だ。たしかに、海外で食べたものでお腹を壊すのは馬鹿らしい。理解は、できる。結局、屋台での夕食は諦め、清潔そうなレストランで済ませることとなった。

この旅で懲りた。お互いが譲歩できる点を探っていては、私の好きなことができる可能性が低くなるということを悟った。この友人とはいまだに連絡を取り合う仲ではあるし、お互いの色々な話を知っている。けれど、一緒に旅行をするのは無理だと思った。親しいはずなのに、こんなに価値観が違うだなんて……まるで私とは正反対だったのだ。
友人の新しい一面を知り、私とはまったく価値観が合わないこと。この友人と一緒にいれないなら、私は誰とも旅行はできないのではないか? ということ。2つも新しい発見があったという意味では、とてもいい旅になったんじゃないかと思う。

さて、話を戻すと、今回も1人で出かけたモンゴルの旅。私は冒頭で7泊8日にツアーにでかけた、と言った。ツアー、そう。ツアーだ。ツアーなのだ。ツアーということは、そこで出会う赤の他人と8日間も一緒に行動しなければならないことを意味している。ツアー費用を支払っている参加者はもちろん、モンゴル人のドライバーやガイドさんも一緒だ。
私は今回のゴビ砂漠ツアーで、2人のモンゴル人、3人の日本人男性と8日も一緒にいなければならなかったのだった。

気の合う人とはちょうどいい距離で付き合えばいい

ゴビ砂漠ツアーと言えば、毎日車移動が6~8時間もあり、「体力のない方にはおすすめしない」と『地球の歩き方』にも書いてあるほどで、たしかに過酷だった。おまけに夜は固い木の板の上で寝り、ひどい時は地面の上に直で寝ることも。さらに、寒さと家畜の鳴き声に何度も起こされ、体力も奪われる。
そんな状況で人に気を遣う余裕はないはずなのに、喧嘩をすることも、ストレスを溜めることもなく、なんとかやり過ごすことができた。もっと言えば、たまたま全員酒好き、喫煙者で、毎日のように酒とタバコを浴び、死ぬほど楽しい毎日を過ごしていた。年齢も住んでいる場所も違ったけれど、また東京で飲む約束をして、私は日本へと戻ってきたのだった。

全員旅慣れしていたからだと思う。穴を掘っただけの汚すぎるトイレにも、家畜の糞だらけのゲルにも、遊牧民のめちゃくちゃ不味いお茶にも、誰も何も文句や不満を言わなかった。「そういうもんだよね」という風に、現地での価値観をすべて受け入れていた。それが、私にとってはかなり居心地がよく、素晴らしい思い出を構成する一部となったのだと思う。

人とどれくらい一緒にいられるか、相手を思いやれるかどうかはお互いの条件によるのだろう。そして友達でい続けるには、たとえば一緒にいて楽しいとか、傷つけるようなことを言ってこないとか、価値観や食の好みが合うとか。仲を縮めていく過程で色々な面を見て、距離が近くなったり遠くなったりしていく。
不思議なことに、私はたまたま旅先で出会った人と8日間一緒にいることができた。けど、「ゴビ砂漠に行きたい」という共通した目的があり、期限も決まっていたからこそ、何か起こることもなく、平和に過ごせたのだと思う。でもこれからずっと縁が続くかどうはちょっと微妙だ。そう考えると、旅行とはなんとも不思議なものだと思わなくもない。

「1人旅、すごいね」なんて、何度も何度も言われてきた。けれど、私は嫌なのだ。海外という非日常に飛び出して、友達に自分の嫌な面をわざわざ見せるのも、自ら覗きに行くのも。これ以上わがままだと思われたくないし、せっかく好きになれた数少ない友達の嫌いな部分なんて知らなくたっていいのだ。1人でどこかに出かけるよりも、自分の見せていない部分を見られてしまうことの方が、私にとってはよっぽど怖い。

1人でいるのに何も抵抗もないし、困ったこともない。だったら、自分が思う相手とのちょうどいい距離を見つけて、うまく付き合っていきたい。一緒に楽しく話ができて、たまに美味しいお酒を飲める程度の関係を続けることのできるような居心地のいいところにいることができれば、私はそれでいいのだと思う。

Text/あたそ

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