「なつぞら」36話。兄と結婚しろと言われて家を飛び出し遭難

2019/5/13 08:38 エキレビ!

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連続テレビ小説「なつぞら」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

第5週「なつよ、雪原に愛を叫べ」 36話(5月11日・土 放送 演出・渡辺哲也)視聴記録


本当の家族になりたい
スキー大会が終了。照男(清原翔)に負けた天陽くん(吉沢亮)は、なつ(広瀬すず)に告白するため家に呼ぶ。天陽くんの家に行こうとするなつに気が急いた泰樹(草刈正雄)は、照男と結婚してほしいと言い出す。
本当の家族になりたいという泰樹の気持ちは裏目に。ということは本当の家族と思ってなかったの? と なつを悲しませる。
朝ドラレビューを書くときしょっちゅう引用している「戯曲というものは、やっぱり恋愛がなくちゃいけない」というセリフはチェーホフの「かもめ」(神西清訳)のものだが、「なつぞら」は恋愛も家族愛も書かれているので、今回はもうひとつ「なんてみんな神経質なんだ!」を引用したい。「なつぞら」の登場人物たちはみんな神経質というか繊細だ。第一に、広瀬すずの目鼻立ちが派手だがなぜかどこか憂いある雰囲気が、あっけらかんと家族になる話にはさせない感じ。
柴田家の人々もいろんな複雑な思いを抱えている。クールだった泰樹がいつのまにかまるで毒親的(子供をコントロールしようとする)になって、ともすれば「お母さん、娘をやめていいですか?」(斉藤由貴が波瑠の毒親になるドラマ)みたいになりそう。でも、泰樹に強制された照男は「おれはだめだった」「妹にしか見えない」と、「僕は妹に恋をする」や「マーマーレードボーイ」みたいな路線にはいかない。

雪がひどくなって、戸村父子(小林隆、音尾琢真)も柴田家に足止めをくらっているなか、なつは今頃天陽くんの家にいるだろうと楽天的に考えていると、夕見子(福地桃子)が「もう帰ってこないかも」とふざける。でも内心、夕見子の気持ちもざわついているはず。夕見子と明美(平尾菜々花)の問いかけに剛男(藤木直人)は「さあ」ととぼける。そもそもあんたがなつを連れてきたんだろーがと思うが、この人がピリピリしてないのが救いだ。
東京だろうと山田家であろうとなつが他の家の子になることに対して柴田家の人たちは極度に神経質になっている。実際問題、それだけ血のつながっていない子供と家族同然になることは神経をつかうだろう。他人を家に迎え入れることはものすごい覚悟だったのかなと思う。そのなかで富士子(松嶋菜々子)はひたすら母性の人。みんなに愛情を注ぐ。
悪い人がいないから余計に柴田家となつが痛ましいし、じゃあなんでこの人たちはこんなに苦しまないとならないのかという根本的な問題が沸いてくる。すぐに答えを知りたい、すぐにカタルシスを得たい朝のドラマにしては異色である。例えば、野田秀樹が80年代、夢の遊民社時代に上演した「彗星の使者(ジークフリート)」の言葉遊びや寓話的な仕掛けに隠された日本の歴史に関することを批評家は当時誰も指摘しなかったと蜷川幸雄が2006年、自身が読み取ったことを全面に出して演出したとき、がらりと戯曲の表情が変わったことがあった。「なつぞら」はそこまで隠していないけれど、若干のスイーツフレーバーが良くも悪くも作用しているところがあるだろう。

泣きながら天陽くんのところに向かい吹雪に巻き込まれ遭難してしまうなつ。謎の人物に助けられたところまで描かれて続くになったので、日曜日にもやもやしないで済むが、突然出て来た謎の人物(何か彫ってる)が気になって結局週明けが待ち遠しい。

第38回(5月14日・火 放送)あらすじ


なつ(広瀬すず)が、天陽(吉沢亮)の家にたどり着いていないことを知り、あわてる柴田家の面々。しかしすぐに、弥市郎(中原丈雄)の家で一夜を明かしたなつが帰宅し、安心する。心配して柴田家を訪れた天陽に対し、なつはアニメーターになりたいことを打ち明ける。そのため天陽は、なつへの思いを伝えることができなくなってしまう。その夜、なつは家族を前に、今の思いを伝えるが…。


登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。演劇部に入る。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。孤児院で働きながら勉強している。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。勉強ばかりして家の手伝いを全然しない。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
なつをほんとうの家族にしたいと願い、照男と結婚させようとする。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院を出て新宿で亜矢美に助けられ、ムーラン・ルージュを経て、浅草の劇場で働いていたが、盗み濡れ衣を着せられ捕まってしまう。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。演劇部。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描いている。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 (31話から)犬飼貴丈 幼少期 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。東京で芸大に通いながらアニメの美術の仕事をしている。なつに絵画の道具を贈った。東洋動画に就職。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。演劇部に入り衣裳を担当する。「白蛇伝説」のラスト、白蛇として登場し喝采を浴びる。
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 

19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入り、村長役を略奪する。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。

21回
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。

27回
前島光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン
茂木一貞 リリー・フランキー… 角筈屋社長
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。ムーラン・ルージュにいた。
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員

28回
島貫健太  岩谷健司
ローズマリー  エリザベス・マリー…浅草の踊り子

30回
藤田正士 辻萬長  親分
松井新平 有薗芳記 …浅草の芸人
岸川亜矢美 山口智子 …元ムーランルージュの踊り子。咲太郎を助けた。

31回
下山克己 川島明 …新人アニメーター
仲努 井浦新 … 実力派アニメーター

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)

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