犬の「マール」はただのカラー種ではない!その背景を知ろう

2019/5/8 09:00 わんちゃんホンポ

よく聞く「マール」ってなに?

マールという言葉を聞いたことはあるでしょうか?マールやブルーマールなど、一部の犬種にはブランドとして謳われることがあり、これは主に被毛のカラーを指しています。

しかし、このマールとは、単に被毛の種類を指して言うものではありません。「マール」とは元々どのようなもので、どういった経緯を持つのか、詳しくご紹介しましょう。

マールとは

犬を抱いた科学者と遺伝子のイメージ

マールとは、色素を作るメラニンのメカニズムに変異を起こして、被毛の色に変化を及ぼす遺伝子を指します。この遺伝子を持つと、色素を作る力が弱くなるため、白っぽく薄いカラーの被毛を持つ個体が生まれます。

これは犬種スタンダードとしては認められておらず、白系のマールの他にもブルーやセーブル、グレーのような色素の薄いカラーが挙げられます。

マール遺伝子を持つ犬の個体が生まれるには

マーブル模様の三匹の子犬

元々のマール遺伝子自体は、人間による犬の交配の中で生まれた突然変異遺伝子とされています。マール遺伝子を持つ個体は、体内にマール遺伝子を保有する親犬から生まれます。そして、父犬と母犬の遺伝子の組合せによっては、見た目にマール要素が見られない子犬もいます。

つまり、被毛自体はスタンダードカラーであっても、マール遺伝子を保有する場合があるのです。
これを知らずに交配をさせてしまうと、子犬にもマール遺伝子が受け継がれ、更に相手側もマール遺伝子保有個体であった場合には、マール遺伝子がより強く現れるダブルマールが生まれます。

遺伝子疾患とマール

授乳中の母犬と子犬たち

マールは、母犬のお腹の中で身体を作るときに遺伝子変異の影響を受けるため、遺伝子疾患のリスクが高いことがわかっています。病気になりやすかったり、障害を持って生まれたりする確率が、マールでないものと比べて格段に高くなります。特に目や耳に障害が出やすく、失明や難聴に陥るケースが多く報告されています。

また、マールを親として交配すると、生まれてくる子犬にもリスクを引き継ぐこととなります。

日本においての犬の遺伝子疾患

金網越しの悲しい表情をした犬

日本では、犬の遺伝子疾患が蔓延しており、これは異常だと言われています。原因は、80年代90年代のペットブームにより、ブリーダーが無理な繁殖を繰り返し、遺伝子疾患が現在まで受け継がれていること、未だに遺伝子疾患を持つ犬を繁殖させるブリーダーや飼い主がいることが挙げられます。犬や猫に対する愛護的意識が、日本は非常に遅れていると言えます。

マール同士の交配

お札の山に埋もれた子犬

マール同士の交配により誕生した子犬は、ダブルマール(ダブルダップル)と呼ばれます。元々病気になるリスクが高いマール同士の交配なので、ダブルタップルは病気や障害のリスクがより高くなると言われており、その交配は避けることが推奨されています。

しかし、ダブルマールの個体は体全体がより白いカラーで生まれることから、その珍しさで手に入れようとする人が絶えません。利益を求めてブリーダーは交配を進め、その結果、病気や障害に苦しむ犬が多く存在します。

犬を苦しめる人間のエゴをなくそう

ひとの手の上に置かれた犬の手

未だにマールカラーの犬の美しさやレアさを褒め称え、それを売りとして販売している例を多く見かけます。しかし、このように人間がマールをブランド化し、需要が生まれ、無理な交配をさせることで、障害に苦しむ多くの犬たちが生まれ、見捨てられたり命を落としたりしているのです。特にダブルマールの場合、それが顕著に表れています。

「この犬種のレアカラーが欲しい!」というような、犬の選び方をしている方もいるでしょう。しかし、そういった人間のエゴにより、犬たちに無理をさせていること、苦しめていることを忘れてはならず、そのようなブリーディングはなくしていかなければなりません。

もちろん、マールカラーで生まれてきた個体もダブルタップルの個体にも何の罪もなく、どうか心優しい人にもらわれ幸せになるようにと願うばかりです。「犬を選ぶ」のは、もう終わりにしましょう。

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