新入社員がGW前に来なくなって…その理由に納得できる?

2019/4/26 08:54 日刊SPA!

写真はイメージです(以下同じ) 写真はイメージです(以下同じ)

「将来は良い職人になると見込んだんですが、急にいなくなってしまって。田舎から、『立派な職人になりたい』と上京してきたのにな…」

 これは、東京都にあるスーツの仕立屋の店長、山形博光さん(仮名・45歳)の嘆きだ。

 新入社員が辞めることを懸念する上司にとって、GWなど長い休みはドキドキなのである。

◆10年ぶりに採用した新入社員

 山形さんが店長をしている店舗は、去年10年ぶりに新入社員を雇うことになった。以前は紹介が優先だったが、公募も交えて書類選考、教養試験、そして面接の3ステップで行い、採用したのは北陸出身の手先が器用な、見た目が草食系の20歳の男子だった。

「寡黙な青年で、面接時から好印象でした。実際、勤務してからもとても熱心に働いていました。朝は誰よりも早く出社し、黙々と掃除をしていました。職人は教わるのではなく、見て学ぶということを肌で覚えているのは、彼の実家が婦人服を仕立てる洋品店だからでしょう」

 入社1週間目にオーナーが訪問したときも、新人の真面目な対応ぶりに満足していたという。

「久しぶりに新人を教え込むという意気込みが沸き、その夜はオーナーと一緒に教育プログラムの打合せに燃えたという。打ち合わせの結果、GW中の他アパレルショップの偵察にも、彼を同行させることになった。

「ところがGW前に出社しなくなったんです。僕が連絡しても音沙汰がない。途方に暮れてオーナーに連絡すると『すぐに家に行け』と言われました」

 そこで山形さんは仕事を中断して、彼が住んでいる足立区のアパートを訪ねた。大家に事情を話して合鍵で部屋に入ると、荷物はそのままだった。

「部屋はきれいに整理整頓され、彼の几帳面な性格を物語るものでした。携帯や財布など貴重品はなく、普通に外出しているといった感じで」

 数時間待っても戻って来なかったため、山形さんは新人の実家に電話を入れた。すると母親が出て、「息子は部屋にいます」と電話口で謝罪した。そして「息子に何度も会社に電話をするように勧めているんですが、部屋にこもったきりなんです」と途方に暮れていたのだ。

◆休日返上に不満があった…

「結局あの後、彼と電話することができたんです。聞いたところによると、どうやらGW中も仕事をすることが嫌だったようで。『家で寝ようと思っていて…』と。確かに、オーナーとの打ち合わせのあと、他ブランドの偵察の件を彼に話した時『あ、はい…』といった感じでした。今考えると、嫌そうな態度だったなと思います」

 立派な職人になりたいという志を持った20歳の青年。大型連休中とはいえ、先輩たちと一緒に仕事ができるというのは、彼にとって大チャンスにも感じるが、その考えはもう古いのだろう。
 最近では若者が企業を選ぶ基準として「残業の無い会社」が挙げられると聞く。やはり休日はしっかりと休みにするのが、今の流れなのである。

 山形さんは、「これでは新人を雇えない」と悩んだ。

「10年ぶりの採用ということもあり、かなり厳正な選考を重ねてきたつもりでした。それで採用した子が、こうもアッサリと辞めてしまう。『最近の若者は…』との声もあるけど、彼は志も高かった。もう、どういう子を雇えばいいのかわからないですよ」

 結局、山形さんとオーナーはある取り決めを行った。

「次の新人雇用は1人に絞らず、複数人採用することにしました。また、絶対に休日は休ませようと。仕事とプライベートをきっちりと分けてあげるしかないですよね」

 辞めない新人を採用し育てるのは、一苦労だ。<取材・文/夏目かをる>

― シリーズ・モンスター新入社員録 ―【夏目かをる】コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」

このネタ読んでどう思う?

投稿ありがとうございます。
よかったらログインしてコメントも書きませんか?閉じる

このネタへのコメント19

コメントを投稿するにはログインが必要です。

ログインしてコメントを書く

カテゴリ別アクセスランキング

トップ