あの芥川賞受賞から4年!羽田圭介はどこへ向かうのか!?

2019/4/25 15:05 TABIZINE

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TABIZINEインタビュー・羽田圭介

新作小説『ポルシェ太郎』(河出書房新社)を刊行したばかりの羽田圭介さん。あの芥川賞受賞から4年。作家活動はもちろん今やタレントとしても精力的に活動。なにかと話題の絶えない羽田さんに直撃インタビューを試みた。


なんだ「ポルシェ太郎」って!?


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なんだかすごいことになってしまっている。なにしろ小説のタイトルが〝ポルシェ太郎〟である。自由だ。自由過ぎる。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。その経緯がものすごく気になるのだった。

作者は、小説『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川龍之介賞を芸人・又吉直樹と同時受賞した、あの羽田圭介氏である。

この同時受賞で世間からは〝じゃない方〟などと揶揄されたりもしたが、当の本人はむしろ〝おいしい〟と自虐ネタにしてメディアから引っ張りだこ。今や芸能界における〝作家枠〟を独占する存在だ。

しかも好感を持てるのは〝文化人〟を気取らない、そのスタンスにある。積極的にバラエティに露出し、自身の小説のタイトルを記したTシャツを着て、笑いを取りに行く。

羽田圭介さん近影

もちろん彼の新作小説〝ポルシェ太郎〟のTシャツもすでに製作済み。テレ東の〝路線バスの旅〟にそれをしれっと着て出演しているのを見て、思わず笑ってしまった。

なにしろ〝ポルシェ〟と記されたTシャツを着た男が路線バスに乗っている。庶民派なのかセレブなのか一体どっちなんだ。分からないじゃないか。

羽田氏のデビュー作「黒冷水」の凄さ


私が羽田さんの小説を最初に手にしたのは、今から16年前のこと。2003年に河出書房新社が主催する第40回文藝賞を受賞した、彼のデビュー作「黒冷水」である。

黒冷水

当時、羽田さんは高校在学中の17歳。〝あの綿矢りさに続き男性では史上最年少受賞〟という文脈をフックに、つまり出版社のPR戦略にまんまとのせられていい気になりやがってなんぼのもんじゃい!と嫉妬にかられ、批判じみた粗探し目線で読み進めたら「あら。面白過ぎる!」見事にハマり、以来、彼の小説の大ファンになってしまった。

羽田氏のデビュー作「黒冷水」には、思春期特有の陰湿で壮絶な兄弟バトルが描かれている。しかもそのいざこざの発端は、弟による兄の机あさり。

「よっしゃ、新作発見!〝六本木美女の〇〇な姿〟」

「あいつ。俺がいない間に大切なAV見やがって」

こうして兄もまたその報復に出ると、また弟も。そんな兄弟間の家庭内冷戦は次第にエスカレートし、衝撃のラストを迎える。

しかも互いの手口がホラーでリアル。そのへんのサイコスリラーよりよっぽど怖い。

ちなみにこれは私の考えでしかないが、エンタメ小説が〝羨望〟なのに対し、純文学の楽しみ方は、〝共感〟にあると思う。

そのコアな小説世界の中に自分を発見できるかどうか。いわば、超ニッチな〝極狭あるある〟である。最低最悪な自分をその小説の中の主人公に見出し、「ああ。俺だけじゃなかったんだ」と救われる。

清く正しく強靭な精神と肉体を持ったヒーローにフォーカス。自分とはかけ離れた主人公が活躍する大衆小説では決して味わえない心の救済装置、それが〝純文学〟の正しい読み方であると勝手に考えている。

そして羽田さんのデビュー作『黒冷水』にもまた学生時代の最低な私自身がいて救われた。とにかくお薦めなので新作「ポルシェ太郎」の後にでも、是非、読んで欲しい一冊である。

貧乏性なので、まだまだ文豪のような旅の境地には至れない


さて。前置きが長くなってしまったが、そんな羽田さんにインタビューの機会をもらった。

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このTABIZINEという媒体は、旅のメディアなので、唐突ではあるが、旅に関連する質問をぶつけてみた。

――小説家といえば、〝書くための旅〟というイメージがありますが、執筆のために行く旅行先はありますか?

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羽田:どうにも貧乏性が抜けなくて、旅に行ったら〝旅〟を満喫しないと損した気分になってしまう。旅先で執筆なんて今の自分には不可能。どうしても観光せずにはいられない。あそこも行かなきゃ、ここにも行かなきゃ、となってしまう。

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――羽田さんらしいちょっとシニカルな視点ですね。

羽田:わざわざ、ハワイのホテルに泊まって、一歩も出ずに缶詰になる。カッコいい。いつかそういう文豪ぽいことをしてみたい。憧れます(笑)

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そもそもリゾート地で観光を捨てて、仕事に徹するって究極の贅沢だと思います。

羽田圭介『旅』のアイテム


――羽田さんにとって旅に欠かせないアイテムは何ですか?

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羽田:必ず持っていくのは〝キングジムのポメラ〟です。旅先で執筆をすることはないが、やはり知らない土地で意外な文化に触れると思わぬアイデアが浮かぶ。それらを書き止めるにはもってこいのアイテム。コンパクトなのはもちろん何より起動が早い。

ポメラ

――自分も以前使っていました。本当に瞬時に思いついたことを書き止めるツールとしては最強ですよね。

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羽田:写真を撮る感じでアイデアはもちろんその土地の空気感や風景をもポメラに書き止める感じです。

――ちなみにカメラは持ち歩かないんですか?

羽田:メインのカメラは、パナソニックのGH5。ただ、デカいので旅先に持っていくのはもっぱらソニーのコンデジ〝RX100m5a〟です。

RX100

――1インチセンサーを積んだ、いわゆる高級コンデジですね。写りも良い。

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羽田:はい。1インチセンサーでレンズも明るいので背景もそこそこボケる。よく持ち歩いています。

小説家・羽田圭介は今後どこへ向かうのか!?


最後にこんな質問をぶつけてみた。

――羽田さんは今後どこへ向かおうとしているのですか?

羽田:まあ。小説をメインにテレビの活動も続けていきたいと思います。

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羽田さんとお会いするのはこれで二度目である。予想通りサービス精神旺盛な人である。とはいえ、テレビで魅せる奇天烈なイメージはなく普段は物静かで至って常識人だ。

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テレビに出る羽田さんを見ていると、例えばギャラについての暴露など言っちゃいけないことを言ってしまい、ひやりとさせられるシーンも見受けられるが、本当に〝言っちゃいけない〟ことは決して言わない人である。アウトではないのだ。私もテレビマンなので分かるが本当にアウトな人はテレビでは使えない。アウトっぽく見せられる常識人こそ、テレビに求められる人材である。その辺の匙加減が上手くできる人だからこそテレビから引く手あまたなのだろう。

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そんな羽田さんが書いた最新作「ポルシェ太郎」に期待せずにいられない。すでに発売中なので是非このゴールデンウイークにでも読んでほしい一冊である。

ちなみに、この「ポルシェ太郎」のプロモーション動画の作・演出を前回の「成功者K」に引き続き私がやらせていただきました。こちらも一緒にご覧いただけると嬉しいです。

ポルシェ太郎あらすじ


イベント会社を起業した元もてない男・太郎。しかし太郎は、自分の年収と同額のポルシェに一目惚れして購入すると、売れてる気配のない美女芸能人にアプローチし、成功する。肝心のポルシェは予想外に女受けが悪く、自己満足に耽るのみ。そんな中、新宿の裏社会ネットワークの男に仕事を持ちかけられ、気安く危ない橋を渡り始める太郎。やがて、明らかに犯罪の匂いのする危険な仕事を、言われるがまま、自慢のポルシェでさせられる。恐怖を感じながら太郎が運んでいるのは、クスリか、死体か、はたまた放射能か......。果たして太郎は生きてもとの世界に戻れるのか? 芥川賞作家による渾身の長篇!

 

 

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