「なつぞら」14話「ものを考えずにバカになっていくことが一番こわいんだよ、女にとって」

2019/4/17 08:30 エキレビ!

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連続テレビ小説「なつぞら」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

第3週「なつよ、これが青春だ」 14話(4月16日・火 放送 演出・木村隆文)視聴記録


おはよう日本関東版 朝ドラ送りレビュー
朝ドラ語りのコンビネーションプレーといえば「あさイチ」の司会三人による「朝ドラ受け」が人気だが、4月の番組改変から「おはよう日本関東版」もコンビネーションプレーの面白さが際立ってきた。これまで高瀬アナがほぼひとりで朝ドラに関するトーク(「朝ドラ送り」と言われる)をしていて、高瀬アナが朝ドラに夢中で和久田麻由子アナがあしらうというパターンができていたところ、4月以降、天気予報担当の檜山靖洋アナが加わってバリエーションが生まれてきた。
15日火曜は、高瀬アナが「なつぞら」を見てホロリとなるのは「年のせいでしょうか」「花粉のせいでしょうか」と問うと和久田アナが言葉に困りつつ、檜山アナが「年のせ…」と全部言い切らないで番組が終わるという高度なテクを発揮。セリフや動きをブツ切るのは編集テクニックで「カットアウト」と言うが、これを生放送で放送時間の限度を逆算してしゃべりのテクであえてしゃべりきらないで番組が終わるように見せたのはすごい。偶然かもしれないがひじょうにうまくいっていた。
放送時間内にぴったりしゃべり切るというのがアナウンサーのスキルは人間カットアウトにも使えるということだ。

絵を描きたいということと便所に行きたいこと
橋本由香利のやわらかな音色の牧歌的な劇伴をバックに馬に乗りながらおしゃべりするすずと天陽。音楽も馬の足取りもおしゃべりも弾む。白い馬がとにかくかわいい。
「やってくかい」
「うん、やろう」
って何をやるの〜と思ったら写生(スケッチ)。
リアルにうまい天陽の絵に比べるとなつの絵は漫画っぽいが生き生きしている。
天陽の兄は東京に絵の勉強に行ったが、天陽はこの土地で働きながら絵を描くことに意義を感じている。
天陽の「絵を描きたいということと便所に行きたいってことは同じ」はなんかものすごく生活感のあるセリフだ。なつがそれをきれいに解釈すると「きれいに言いすぎだと思うよ」と言う、きれい過ぎる顔をした吉沢亮が演じる天陽くんが自分の行為をきれいな言い方しないなんてすてき過ぎる。

生活感といえば、なつが泰樹からもらった懐中時計。ウッチャンのナレーションでさらっと高校入学祝にもらったと語られる。もらったシーンを描いたらじんっと来るんじゃない? と思いきや、描かずとも、なつがこの時計を大事に使っていることが十分、伝わってくる。脚本、演出、俳優すべてが渾然一体となってそれを伝えてくる。

「なつぞら」には“生活”という“時間”が描かれている。9年間がいっきにジャンプしても9年間、ここで生活してきたようにちゃんと思う。毎日のように牛小屋のシーンは出てくるし、13回に出てきた音尾琢真が牛乳を納品している動きにも生活者のたくましさがある。小林隆も居住まいがいい。明美がへたなりにあくせく料理をしているところも。
家のことをなんもせず勉強ばかりしている夕見子も。
朝ドラが最初のうちロケを多用するのは、視聴者の心を掴む意味もあるだろうけれど、生きた土地で演じることで俳優が役の背景を掴みやすいということもありそうだ。北海道の自然が長い長い歴史とそこに生きてきた命の脈動を伝えてくれている。

そこで、広瀬すず
広瀬すずがすごい。セリフの発し方が自然。
「ああいいなあ」と声をちょっと絞る。
「兄はわたしを捨てたかったのかもしれない」と言ったあとに自虐的に笑う響き。
「いい牛じゃないですかあ」と「い」にこめる喜び。
「ほほ本当だ うまい」と「ほ」を震わせる。
「えっ じいちゃん」 子牛をなつの子と言われて嬉しさと困惑を混ぜる「えへ」みたいな「え」
セリフを口からでなく全身で語っている。

体を使うだけが労働じゃないという夕見子役の福地桃子の「ものを考えずにバカになっていくことが一番こわいんだよ 女にとって」の女の「お」の発声を強調するところがこまっしゃくれていて、理屈ぽい子なのがよくわかる。
体が自然に動くように考え抜かれたセリフをきちんと読み込んで語ればこうなるということがよくわかるドラマで、「なつぞら」は見ていてほんとうに気持ちがいい。
「おはよう日本関東版」の語りのスキルも合わせて、書く、語る…言葉を使う仕事をしている人たちの才能を見せつけられた朝だった。

第3週「なつよ、これが青春だ」(4月13日・月〜)あらすじ


昭和30 年初夏、なつは牧場を手伝いつつ、農業高校に通っていた。ある朝、母牛が産気づき、泰樹は出産の準備をするが、生まれた仔牛は息絶えようとしていた。動揺する泰樹たちの前で、なつは思わぬ行動で仔牛の命を救う。一方、柴田家では酪農の経営をめぐり、泰樹と剛男がぶつかっていた。家族の仲違いに悩むなつは同級生の雪次郎(山田裕貴)に相談すると、演劇部顧問・倉田先生(柄本佑)を紹介される。倉田のアドバイスは意外なものだった!

第16回(4月18日・木 放送)あらすじ


泰樹(草刈正雄)と剛男(藤木直人)の意見がぶつかり、思い悩むなつ(広瀬すず)。それぞれの考えを聞いてみるも、ますます分からなくなってしまう。同級生の雪次郎(山田裕貴)に悩みを打ち明けると、自分が所属する演劇部の顧問・倉田(柄本佑)に相談してみてはとアドバイスを受ける。早速、雪次郎に連れられ倉田に会いに行くなつ。しかし、抽象的な倉田の発言に、さらに混乱してしまう…。


16話、ここが気になる。


◯泰樹対剛男
◯倉田の抽象的な発言ってなんだろう。


登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。勉強が好き。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院にいる。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。
村松 近江谷太朗…十勝農業高校の先生。
倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。  

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)

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