【もやもや】東大入学式祝辞に賛否…上野千鶴子名誉教授の言葉を、東大以外の女子はどう受け止めたのか~その1~

2019/4/17 20:30 Suits-woman.jp

先日行なわれた、平成最後の東京大学入学式での上野千鶴子東京大学名誉教授の祝辞がネットで話題になっています。これもインターネットが普及し、情報のチャンネルが増えたことによる事象でしょう。筆者は半世紀近く生きてきましたが、自分に向けられたものでもない、人の大学の祝辞を気にしたことも、実際に全文をしみじみと読んだことも初めてです。筆者以外でも、テレビニュースなどで関連情報を耳にし、東京大学のサイトで読んだという人は多いです。そして、やはりざわついています。

あくまでも上野千鶴子さんの祝辞は、この春、東京大学に入学した学生さんたちに向けられた内容です。でも、公開されていれば、読む権利は平等に与えられます。では、東大生以外はこの祝辞を見て、どう思ったのでしょうか。

筆者の初見の感想は「東大生って大変だな……」でした。

上野千鶴子さんの祝辞は、前半、祝辞というより激励というか、鼓舞というか。学生さんへの「おめでとうございます」感がかなり希薄と感じました。

上野さんは、まず東京医科大不正入試問題を例に、東大の女子の入学者数が少ないことを指摘します。そしてこれは、社会が、大学が、優秀な女性を不当に扱っているからで、決して男性が優秀だからではない、とデータを用いて続けます。

確かにそういうことは、過去にもあちこちで言われてきたことです。でもそれは東大の、延いては社会のありかたであって、ここ数年、がむしゃらに勉強してきてその席に座っている学生さんたちのせいではありません。学生として東大の一員となったことで、一連托生ということでしょうか。

さらに、東大の女子はモテないけれども、男子は東大というだけでモテる、しかし調子に乗らないように。そもそも、親の経済力や学問に対する考え方、そして性差別によって受かったのであって、決して自分の力だけだと思わないことだと強調します。

女子に対しても強烈で、これまでも大変な不平等の中で生きてきたでしょうが、これからもっと不平等を感じるでしょうと、もはやちょっと呪いに近いことまで言うのです。

周囲でも、「なぜ千鶴子先生を登壇させたんだろう……。謎」という女性は多いです。「さんざディスられて、男子学生はどういう気持ちで聞いてたんだろう」「入学式の会場って、親とかも入ってるんでしょう?子供を東大入れたこと後悔しないかな」という声もありました。だがしかし、大手広告会社に就職した東大卒女性が自死した事件もありました。東大工学部と大学院の学生が私大の女子学生を性的に凌辱した事件もありました。これ以上、日本の最高学府として東大ブランドを貶めるわけにもいかず、上野千鶴子先生という、ジェンダー学のパイオニアであり、かなりとがった人に耳が痛くなるような、キツめの話をしてもらったということも考えられます。

上野千鶴子さんの存在はきつめのスパイス効果?

実際、総長式辞は、ユーグレナで成功を収めた東大卒業生のお話を含め、一般的という意味でまっとうだし、東大教養学部の式辞は「通学時に井の頭線の電車に乗ると思いますが、混雑時にはリュックサックを体の前で抱える、出入り口付近に立ち止まらずに車両奥に移動する、歩きスマホをしないなどのマナーを守りましょう」「挨拶は人的交流の基本ですが、東大生はこれが苦手な人が多いようです。人とのコミュニケーションは今後とても重要になります。まずは、大学の正門で守衛さんに挨拶ができるようになってくれるとうれしく思います」などと、うちの息子の高校進学の際の入学説明会で言われたのと同じようなことにも触れられていたりして、ある意味緩いです。この式辞も東京大学のサイトに全文掲載されています。

そういったバランスの中で、学生さんたちの気持ちを引き締めるには、上野千鶴子さんの存在は必要だったのかもしれません。確かに、ピリッとしました。♯metoo運動や伊藤詩織さんの著書『Black Box』が第1回本屋大賞 ノンフィクション大賞にノミネートされたりという時代背景もありますし。性暴行事件のこともあり、東大生って素敵!ではなく、顔をしかめる人だっているのです。そういう状況で、東大入学式がお祝いムード一色だったら、むしろイラっときたかもという意見もあります。

そういう方々にかなり評価が高かったのが、「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないように」、「がんばったら報われると思えるのは、周囲の環境が、励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたから」という学生たち対する上野千鶴子さんの念押しです。

そして、「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれない人びとを貶めるためにではなく、そういう人びとを助けるために使ってください」と、要求(?)するのです。「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれない人、がんばりすぎて心と体をこわした人たちがいます。がんばる前から、しょせんおまえなんか、どうせわたしなんてとがんばる意欲をくじかれる人たちもいます」、そういう人たちを助けなさいと。

学生さんたちが、これから学校で、社会でいろんなことを学んで、さらに成長して、そういう人間になってくれるのは理想だと思います。でも何度もいいますが、祝辞にしてはディスりすぎだしリクエスト多すぎ。ということで、せっかくようやく大学入った初日から、東大生は大きな負荷をかけられるのだなぁ……と思った次第です。希望と理想に胸膨らませているときに、こんなこと矢継ぎ早に言われて、やる気なくしたりしないのかなぁとかって。

上野千鶴子さんは、職業というか生業柄そうなって然るべきですし、だからこそ女性たちの権利が少しずつでも意識され、向上しつつあるという大きな功績をお持ちなわけですが、女性を含めた弱者に対する社会に厳しすぎ。そして、東大生のことを恵まれていると決めつけすぎ。東大バイアスかかってますよね。ジェンダーバイアスを否定、非難する声は大きくなりつつありますが、それらもバイアスだと思うのです。男子の弱者もいるし、天才東大生がいる一方で、もう人のことなんで考えられないくらいヘロヘロに頑張って勉強した東大生もいるでしょう。世の中には、多くのバイアスがあります。たとえば、専業主婦は気楽とか独身は貴族、とか。その2では、あずき総研がリサーチした「バイアスあるある」を紹介します。

祝辞に対する東大以外女子たちの感想は?社内に、社会にはびこるいろんなバイアスの具体例は?~その2~に続きます。

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