やさぐれ“オッサン歌手”を熱演…高橋和也が語る中年の心得

2019/3/23 12:06 日刊ゲンダイDIGITAL

高橋和也(C)日刊ゲンダイ 高橋和也(C)日刊ゲンダイ

 深夜ドラマ「日本ボロ宿紀行」(テレビ東京系、毎週金曜・深夜0時52分~)が話題だ。SNS上では、今期ドラマの「隠れた名作」との声も上がっている。芸能事務所を経営していた父が急死、突如社長兼マネジャーとなった篠宮春子(元乃木坂46の深川麻衣=27)と、今は落ちぶれている“一発屋”の中年歌手・桜庭龍二(高橋和也)が、ドサ回り営業の旅をするというストーリー。その宿泊先は歴史的価値のある古い宿や激安宿で、実在する「ボロ宿」ばかり。さながら「孤独のグルメ」の宿屋版といった感じだ。やさぐれた“オッサン歌手”を熱演する高橋和也(49)を直撃した。

  ◇  ◇  ◇

 ――撮影はすべて「ボロ宿」でのロケですが、印象に残っている宿はどちらですか。

「佐原(千葉県香取市)の木の下旅館(第5話)ですね。明治34年創業で今はトンカツ屋さんとして営業しているんですけど、情緒があってとても気に入りました」

 ――旅館の周りに江戸の町並みが残っているんですよね。「ボロ宿」での撮影はいかがでしたか。

「今回の撮影で勉強させていただいたことがあって……みなさん、あちこち傷んでいる古い家でも、それを当然のこととして、愛情を持って淡々と暮らしていらっしゃる。すぐ取り壊したりせずにね。(演じている)龍二はボロ宿に文句ばかり言っていますが、実は僕、古いものが好きなんですよ(笑い)」

 ――龍二と春子の丁々発止の掛け合いも見どころだと思いますが、春子役の深川さんはいかがでしたか。

「クランクインの時、(深川)麻衣ちゃんは、にこやかな笑顔で挨拶してきてくれて、『この子とはうまくやれるだろうな』と直感したんです。まさにその通りでした」

 ――高橋さんにとっては娘のような年齢ですね。

「そうです。設定上も家族のような関係ですからね。彼女とだからこそ、この掛け合いができたんじゃないかと思います」

 ――劇中で龍二が春子に向かって、「オッサンのポテンシャルなめんなよ! くぐり抜けてきた修羅場が違うんだよ!」と啖呵を切るシーンなどは、中年にはグッときます。

「龍二はイケイケですからね。SNSとかが発達して本音でモノが言いにくいこの時代に、『俺は昭和の古くさい男だ』と自分のスタイルを変えない。痛快ですよね。でも実際はあんな人がいたら大変ですよ(笑い)」

 ――龍二役はいかがでしたか。

「僕自身も歌手ですから、龍二のメンタリティーはよく分かるんです。せっかく売れたCDが“鳥よけ”にされていたら(第6話)、歌手としてはショックですよ……」

■とにかく浮かれてはいけない

 ――「男闘呼組」解散後は俳優業でも、ご活躍されている高橋さんですが、ご自身はどんな修羅場をくぐり抜けてきましたか。

「まあ、いろんなことがありますよね……。とにかく“生き馬の目を抜く芸能界”ですから。まさに一寸先は闇というか、今日すごくうれしいことがあっても、明日は全く違う風が吹いてくる。今日仕事があっても、明日はなくなってしまうかも知れない。全く先の読めない業界ですからね」

 ――そうした中、「オッサンのポテンシャル」を維持していくためには、高橋さんとしては何が大切だと思われますか?

「30年近くこの業界でやってきてつくづく思うことは、とにかく浮かれてはいけないということです。この作品もたくさんの方が喜んでくださり、とてもうれしいんですが、それで浮かれすぎてはいけない、と。明日をちゃんと立たせていくためには、常に冷静に自分自身を引き締めていかないとと思っているんです」

(取材・文=平川隆一/日刊ゲンダイ)

▽たかはし・かずや 1969年、東京都生まれ。88年にロックグループ「男闘呼組」のメンバーとしてデビュー。解散後は音楽活動を続けながら俳優として息の長い活躍を続けている。

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