「テキトー育児って言われても…」マジメでしんどいママが肩の力を抜く方法

2019/3/23 12:00 ウレぴあ総研

「子育ては、肩の力を抜いて、テキトーに」「頑張らないくらいがちょうどいい」

先輩ママや専門家がそんなアドバイスを口にするのを見聞きしたことはありませんか?

多くの場合その真意は、ママが無理してストレスを抱えたり、心配や干渉をしすぎたりすると、かえって子どもにはよくないから、子育てでは完璧を目指さず、ほどほどに取り組もうというものです。

内心ではその通りだなと思いながらも「テキトーとか頑張らずにとか、そんなのできない!」「肩の力ってどうやって抜くのよ!?」と言いたくなるママも少なくないはず。

そこで今回は、心理カウンセラーの高橋リエさんに、ママたちのマジメさの理由や、マジメゆえにしんどいママが肩の力を抜いてラクになる方法を聞いてみました。

「ちゃんとしないと」は昭和の強迫観念!?

仕事が忙しくても早朝に起きて子どものお弁当を完璧に仕上げるママ、体調が悪くても「ごはんは手作りでないと」と何品もの料理を作るママ……。

周囲には、超頑張り屋さんのマジメなママが溢れています。

一見テキトーにやっているように見えても、実は家事や育児を手抜きするたびに「もっとちゃんとしないと…」と自分を責めている“根がマジメ”なママもけっこう多いのでは?

高橋さんは、日本のママたちがマジメな理由について、次のように見解を話します。

「日本人には『○○でなければいけない!』という思い込みの強い人が、非常に多いです。

『ちゃんとしなければいけない』『いい人でなければいけない』『人に迷惑をかけてはいけない』…そのように強く思い込んでいるので、子育ても『いい子に育てなければいけない』『いい母親でなければいけない』という思いにとらわれて、必死になってしまうのですね。

これらの思い込みは、よく考えると、人から見てどうかが基準になっています。つまり、多くの日本人が、人によく思われないことを心底怖れているのです。

他にも『頑張らなければいけない』『ダラダラしてはいけない』『人に評価されなければいけない』『競争に勝たなければいけない』など、いろいろな思い込みがありますが、いずれも、もともとは子ども時代に親から刷り込まれた強迫観念です。

こうした思い込みを、私は ”昭和の強迫観念” と呼んでいます。

今の子育て世代の親の親たち、つまりママたちの祖父母は、苛酷な戦争を経て、食料不足・モノ不足の中を必死で生き抜いてきた世代。当時はご近所に嫌われたら、村八分になって生きていけなかったのです。

それゆえ我が子にも『人によく思われるように、必死で頑張りなさいよ』と教え込んだわけです。

だから今も、多くのママたちが、毎日必死で家事や育児を頑張り、自分の子どもが周囲に嫌われたり、評価されなくなったりすることを怖れて、日々あれこれと干渉や強要をしてしまうのです」

まずは思い込みを一つずつ洗い出して、考え直してみる

では、マジメなママたちは、どうすればもっとラクに子育てできるようになるのでしょうか?

「まず『○○でなければならない』と自分で思い込んでいることを一つずつ洗い出して、『今の時代は、そうでなくてもいいのかもしれない』と、考え直してみましょう」

子育て中の母親が思っている「○○でなければいけない」のほとんどは、時代錯誤の強迫観念だと、高橋さんは言います。

「今、祖父母の時代とは、社会が180度変わって、食料もモノも、あり余っています。昔なら村八分にされて食料を分けてもらえない…なんてこともあったでしょうが、今はご近所に嫌われたって、コンビニもスーパーもあるから生活には困りません。

だから本当は、人の目など気にしないで、自分と子どもにとって心地よい生活を、マイペースで、のんびり楽しんでいいのです。

でも、人の価値観というのはなかなか変わらないので、いまだに “昭和の強迫観念” にとらわれているせいで、しんどいのですね」

たとえば、子どもに「毎日3食、食べさせなければいけない」「毎日、風呂に入れなければいけない」というのも、時代錯誤だとか。

「子どもに栄養をとらせなきゃ、とばかり、3食残さず食べさせようとやっきになっているママもいると思いますが、今は栄養失調より、食べ過ぎて病気になる人の ほうが多い時代。無理に完食させる必要はありません。

本当にお腹がすいたときに、本人にとって必要な量だけ食べれば、十分なのです。

また、日本人の極端なキレイ好き、不潔への恐怖も、戦中戦後の後遺症ではないかと考えています。戦後の日本人は、豊かになるため必死に努力してきましたが、豊かになるとはつまり、衣食住と清潔さを確保することでした。

だからこそ、親たちは必死で子どもたちをお風呂に入れて、身ぎれいにさせたかったのでしょう。

今も毎日欠かさず、子どもをお風呂に入れるママは多いですが、冷静に考えると、毎日お風呂に入る必要なんてありませんよね」

さらに高橋さんは、「人に迷惑をかけてはいけない」「時間に遅れてはいけない」も、時代錯誤な強迫観念だと指摘します。

「人はもともと助け合って生きるようにできていますから、人に迷惑をかけたり、助けてもらってかまわないし、時間に遅れても、どうってことはないのです。

子どもの気持ちより、時間に遅れないことのほうが大事だと思っているママが多いのは、ちょっと気になりますね。

もっと言えば、ネット時代の今は、自由で多様な生き方が可能になりましたから、別に勉強しなくたって、学校に行かなくたって、安定した職につかなくたって、やり方次第で、ちゃんと生きていけるのです」

たしかに今は、これまでの価値観が通用しなくなる時代の転換期とも言われています。思い込みを手放して、時代の変化や新しい価値観に目を向けることで、子育てもグンとラクになりそうですね。

肩の力が抜けないママへの“力の抜き方”アドバイス

ここまで高橋さんに、マジメなママが肩の力を抜く第一歩として、思い込みを手放すための思考の切り替え方を教えてもらいました。

でも、切り替えようとしてもできない場合は?ここからは、シチュエーション別に、もう一歩進んだ“力の抜き方”アドバイスを紹介します。

どうしても手抜きできない・思い込みを変えられないとき

完璧主義で、家事や育児のちょっとした手抜きがどうしてもできない、高橋さんが言うように「○○でなければいけない」の思い込みを一つずつ「今の時代はそうじゃないのかも」と考え直そうとしてみても、やっぱりとらわれてしまう……。

そんなママの状態を、高橋さんは次のように説明します。

「“昭和の強迫観念”が強い人は、不安と焦燥感が強く、心身が常に緊張していて、自律神経が“警戒モード”なんです。

“警戒モード”だと、頭が固くなり、生きるか死ぬか、正しいか間違っているか、敵か味方か、マルかバツか、という二極思考になりがち。

本当は三角も四角も五角形もあって、どれでもいいのに、『マルじゃなきゃダメ!!』という、柔軟性のない、極端な思考になってしまうのですね。そんな人は、肩こりがひどかったり、体がガチガチに固くなっていることも多いはず」

思考を柔軟にするには、心身の緊張を緩めていく必要があるそうです。

「つまり、交感神経が活性化しすぎた過緊張の状態を、副交感神経優位に変えていく必要があります。

先ほどお話ししたように『今の時代は、○○じゃなくてもいいのかも』『もっとテキトーでも大丈夫なんだ』と考え方を切り替える努力をしながら、心身の過緊張を緩める工夫をしてみましょう」

副交感神経を優位にしてリラックスするには、深い腹式呼吸をする、ゆっくりお風呂に入る、音楽を聴く、好きな香りを嗅ぐ、心から楽しめる趣味の時間を持つ、といった方法があります。

育児中のママは、休息や自分の時間がほとんど持てていないことも多いので、時間を作って自分に合ったリラックス法を取り入れたいですね。

そのほか、精神科や心療内科でも取り入れられている「マインドフルネス瞑想」や「自律訓練法 」といった専門的な対策法も。インターネットで「過緊張」というキーワードで検索すると、手順も含め、複数の情報が見つかります。

手抜きした後、自分を責めてしまうとき

一方、意識すれば「○○でなければならない」の思い込みから抜け出せるし、手抜きや“テキトー育児”もできるけれど、後で罪悪感にかられるというママもいます。

そんなママへのアドバイスは?

「根がマジメで、手を抜くことに罪悪感が伴う人は、無意識に、親の評価を怖れていることが多いです。『頑張ってちゃんとしないと、親に見放されちゃう!』という幼児期の恐怖感が残っているんです。

根本から解決するには幼児期のトラウマと向き合う必要があるかもしれませんが、まずはそれに気づいて意識することが大切。

そして『今はもう、誰も怒ったり見放したりしないんだ』『自分の好きにやっていいんだ』と自分に言い聞かせましょう。『親の目を気にしていたなんて、笑っちゃう!』と思えれば、ラクになっていくと思います」

子どもの進路が心配で仕方ないとき

根がマジメなママは、具体的に大きな問題やトラブルが起こっていなくても、子どもの友人関係や成績、進路のことなどを心配し始めると、心配が止まらなくなったり、考えすぎたりしがち。

このようなママの心理にも、「勉強ができなかったら、競争に負けて生きていけなくなる!」という“昭和の強迫観念”や、「もし自分があんなだったら、親にすごい剣幕で怒られる!」という子ども時代のトラウマが関係していることが多いそうです。

「子育てに関する漠然としたイライラ・もやもや・不安の本当の原因は、自分の中にあることに気づきましょう。不安になったときは、胸に手を当てて、『自分は今、どんな怖れがあるせいで反応しているのだろう?』と、静かに探ってみて。

ほとんどの場合、実は自分が怖がっているだけで、子どもの方は大丈夫なんです。子どもたちは今の時代にふさわしい生き方を、親よりもよくわかっているからです」

仕事や勉強は、基本的には、マジメに取り組むほど成果が上がりますが、子育てはそうはいかないものです。

「強迫観念にとらわれて、子どもに早起きや片付け、手伝いをするよう、口うるさく怒って、強要していると、子どもは、早起きや片付け、お手伝いが“いや~なもの”だと感じます。

それがトラウマになって、かえって『朝、起きられない』『片付けられない』『家事ができない』大人になりがちです。

『ねばならない』でイヤイヤすることは、結局、親と子のどちらのためにもなりません。

子育てにおいては、親子ともに、毎日、いかに楽しく過ごせるか、がいちばん大切なんです。子どものとき、楽しかった人は、大人になってからも、生きることを楽しめるからです」と、高橋さん。

日本人は全体的に勤勉なので、不マジメに見える行為はすぐに誰かに注意されます。でも、マジメに一生懸命やっていることに対して歯止めをかけられる機会はなかなかありませんよね。

だからこそ、強迫観念にとらわれているかもしれないと感じたら、自ら立ち止まって、肩の力を抜くようにしたいですね。

【取材協力】高橋リエさん

母娘*謎解きカウンセラー。都内メンタルクリニック勤務を経て、2012年より、機能不全家族で育った女性たち向けにカウンセリングサロンをスタート。「無意識の思い込み」に気づき「本当の自分」に目覚める「自分再生*リバースカウンセリング」を軸に、サロンのほか、ワークショップや各種講座を主催。

無料メルマガ「母と娘の心の謎を解くメールカウンセリング」の会員は海外まで広がり、現在は7,000名を超える。著書に『お母さん、私を自由にして!』『恋愛低体温症』がある。

(ハピママ*/本居 佳菜子)

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