上司の言うことを受け入れちゃう貴女へ…仕事がおもしろくなる「反論する勇気」って?

2019/3/22 02:41 ウートピ

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アドラー心理学を紹介した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で知られる哲学者の岸見一郎(きしみ・いちろう)さんが「読書」と「生きること」をテーマに書き下ろした、初の読書論『本をどう読むか』(ポプラ社)が2月に発売されました。

本を読む楽しみって何? 読書と幸福の関係性は?

「本の読み方が変われば生き方も変わる」と力を込める岸見さんに、3回にわたってお話を伺いました。

【第1回】岸見先生、本の読み方が変われば生き方も変わるってどういうことですか?

仕事は反論する人と組むのが面白い

——前回は、本を読みながら著者に「それは違うんじゃないの?」と反論することで、一般の対人関係でも対話できるようになり、人間関係や生き方も変わってくるというお話でした。

私は上司から言われたことに対して、とりあえず受け入れちゃうところがあります。「あれ?」と疑問に思っても「これはこうなんじゃないですか?」「違ってますよ」とは言いにくいです。

岸見一郎さん(以下、岸見):一緒に仕事をする編集者の中には私に何度も書き換えることを求める人もいます。三回も、四回も。もちろん、僕もはい、そうですか、わかりました、とは引き下がれませんが、「ここはこういう理由でダメだ」という説明を聞き納得できる指摘であれば編集者の助言をもとに書き直します。

僕くらいの歳になるといつの間にか僕より年長の編集者はいなくなります。僕は上司ではないですけど、年長者として僕よりも若い人と一緒に仕事をする時、相手がイエスパーソンだと全然面白くないのです。

だから、例えば上司の立場の人が「これを変えなさい」と言って、若い人が反論しないで「そうですか」と受け入れる関係というのは、リーダーの立場からするとつまらないです。

——「対話」がないでからですか?

岸見:そうです。おそらく年長者のほうが頭が固いので、何かを変えていくきっかけになるのは若い人だと思うし、そういうことをあまり言われたことがない上司は、非常に新鮮な印象を受けると思います。決して不快ではないですね。

イエスパーソンでない人とは一緒に仕事をしている、本を作っているという感覚がありますね。

——他人と仕事をする意味ってそういう部分にあるのでしょうか?

岸見:そうですね、だからやはり反論する人と組むのが面白いと思います。この本の担当編集者さんもそういう方です。もうゲラができてからが大変でした(笑)。赤字で疑問点がたくさん書いてある。でも「なるほど、そうか」と思いました。一人ではなかなか気づけない問題を指摘してもらえました。著者もそうやって編集者と対話するわけです。

——そういえば、新人のころは私もデスクに原稿を直されるたびに「あのデスクはいちいち細かくていやになっちゃうな」と思っていたのですが、今ではそれがすごく大事なことだったとわかります。他の人と対話する機会がないと、仕事でも何でも独りよがりになってしまうというのは自分の経験を振り返っても思い当たる部分はあります。

岸見:それは大事なポイントですね。独りよがりを独りよがりでなくする突破口は対話ですから。一人で書いていると独りよがりになりますから、そこに風穴を開けるというか、風を吹き込んでくれるのが編集者ですね。

僕は自分で原稿を書くことが多いですが、ライターさんが書かれた原稿にはかなり赤を入れることがあります。構成から変えることもあります。逆の立場だと結構辛いですけどね。

「違いますよ」と言える勇気

岸見:仕事には二つの面があると思います。この人とだったら一緒に仕事したいなと思えるときは、仕事をしていても面白いですね。仕事仲間ではなくて交友関係なのです。だから、そういう人とだったら仕事をする。仕事の関係なのですが、この人と一緒に仕事をしたいと思ったときはもう友だちなのです。

だから仕事を始める前に、必ず会うようにしています。この人とだったら仕事がしたいと思えれば受けます。そう思えなかったら、断ってきました。

——岸見先生が仕事をしたいと思う「この人とだったら」というのは、どんな人ですか?

岸見:出版社としては本を出す以上売れないと困るでしょうが、そういうことを超えて、世界を変えうる本を作ろう、本を手にした人の生き方に影響を及ぼしうる本を作ろうというような熱い思いを持っている人です。

仕事のもう一つの面は「誰が言っているか」ではなくて、「何を言われているか」だけに注目することが大事です。僕の場合だったら、校正、ゲラに赤を入れてくださる人が「誰であるか」は関係なく、「書かれていることが何か」だけに焦点を当てることが大事なのです。

仕事全般的に言うと、相手が上司であろうと若い人であろうと、言っていることが真っ当であれば受け入れるし、たとえ上司が言っていることでも「おかしい」と思ったら「それは違いますよ」と言える勇気を持たないといけない。

——「誰が言うか」に引きずられちゃう部分はあります。

岸見:最初の話に戻すと、読書は一般の対人関係のシミュレーションができますね。そういう対話を普段からする。どんな偉い人にでも「これは違うんじゃないですか?」と言えるようになると、一般の対人関係でもやり方が変わってくるかもしれません。

(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)

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