「3年A組」菅田将暉、田辺誠一の自己責任論を完全破壊7話。「新たな黒幕」予告、視聴率は上がり続ける

2019/2/24 09:45 エキレビ!

イラスト/Morimori no moRi イラスト/Morimori no moRi

「生徒はモノじゃない! 人間だ!」

菅田将暉主演のドラマ「3年A組─今から皆さんは、人質です─」。菅田演じる高校教師、柊一颯(ひいらぎ・いぶき)が生徒29人を人質に取りつつ、生徒を自殺に追い込んだ犯人に迫る。

先週放送された第7話では、これまでコメディリリーフ的に扱われてきた人気タレント教師・武智大和(田辺誠一)と柊の“教師対決”が描かれた。視聴率はこれまで最高の11.9%。最終回に向けて、どこまで伸びるのか。

犯人は武智大和!


立てこもり7日目。景山澪奈(上白石萌歌)を自殺に追い込んだ犯人探しは佳境に入っていた。半グレ集団・ベルムズにフェイク動画を頼んだのは、魁皇高校の教師・武智大和だと柊は確信していた。

理由の一つは、柊がかつて交際していた教師・相楽文香(土村芳)の証言。文香は武智がベルムズとつながっていることを知っていた。そしてもう一つは、誰あろう景山澪奈本人による証言だった。

武智はスポーツの成績が優秀な生徒の推薦入学を斡旋し、その生徒が活躍したら大学からキックバックを受け取っていたのだ。しかし、9割の生徒は退学などに追い込まれていた。執拗に推薦の話を持ちかけられていた澪奈だが、武智の悪評を知っていたため断り続けていた。“支度金”を積んでまで勧誘されたが、澪奈は逆に教育委員会に訴えると武智に告げる。すると、ほどなくフェイク動画が流れるようになった。澪奈はフェイク動画の依頼主に会うと柊に告げて消息を絶ち、自殺した──。

ここまでわかっているなら、柊は最初から武智を追い詰めていけばよかったと思うが、ドラマの前半ではフェイク動画に関わっていた3年A組の生徒を一人ずつ説教地獄に叩き込んでいった。それが柊の“俺の授業”だった。武智に狙いをつけたということは、生徒たちの関与は一段落したということだろう。

ふたつのグータッチ


3年A組の生徒たちは、電脳部の西崎颯馬(今井悠貴)と堀部瑠奈(森七菜)を中心に、武智が写っていると思われる疑惑の動画を解析する。以前、森七菜は岩井俊二監督の最新作『Last Letter』に出演する松たか子と庵野秀明の娘役をオーディションで勝ち取ったと書いたが、今度は新海誠監督の最新作『天気の子』のヒロイン役もオーディションで勝ち取ったらしい。すごいな、この子。

一方、陸上部の瀬尾雄大(望月歩)は武智のことを擁護し続けていた。彼の大学への推薦を取り付けたのが武智だったからである。瀬尾が他の生徒から揶揄されると、柔道部の魚住華(富田望生)がフォローする。瀬尾と魚住は、一度は実力不足で推薦を断念していた。お互い励まし合っていたところ、武智に推薦の話を持ちかけられたのだ。

瀬尾は思い余って、野球部の兵頭新(若林時英)、ナンパ好きな光永葵(西本銀二郎)、鉄ヲタの立野寛人(森山瑛)、秋庭凛(秋田汐梨)を引き連れて柊を襲撃するが、甲斐隼人(片寄涼太)らにあっという間に制圧される。戦力、弱すぎだろ……。須永賢(古川毅)に詰められる瀬尾を見た魚住は、再び涙を流しながら「また次があるなんて、簡単に言わないでよ」と瀬尾をかばう。物語のラストでは、グータッチしてみせた。

魚住は極限状態でも食いしん坊だったり、突然須永に恋心を抱いたりするなど、太めの女子生徒ならではのコメディリリーフのような扱いを受けていたが、終盤の大切な場所で見せ場があって良かったと思う。魚住役と富田望生と瀬尾役の望月歩は映画『ソロモンの偽証』で共演しているが、富田のブログによると望月は第7話の撮影前、富田に「信じて芝居するから宜しくね」とメールを送ったという。

富田と望月は、魚住と瀬尾のように撮影の始まりと終わりにグータッチを交わしていた。望月は18歳、富田は明日(2月25日)19歳になる。いずれも、これから大きく羽ばたいていく若手俳優だ。

「生徒がどうなろうと自己責任だ」


柊は武智と対峙して追い詰めていくが、武智はこれまでのユーモラスな表情をかなぐり捨て、あるときは嘘で欺き、あるときは凄んでみせる。決定的な物証さえ出なければ、どんなことをしてでも言い逃れしようとする姿勢は、昨今のお偉い人たちと共通している。しかし、ついに決定的な画像が突きつけられると、武智は開き直ったようにこう言う。

「ダメなら別のモノを差し出せばいいだけだ! 生徒がどうなろうと自己責任だ。俺には関係ない! 結果が出ずに辞めたことのヤツなんか知るか。勝ち続けなきゃ次がない、それがこの世の中だろ。商品価値のないヤツに用はないんだよ」

極端な物言いだが、昨今の日本を覆っているのは武智の論理だ。どんなにギリギリのラインでも犯罪でさえなければ、カネを稼いだ者が偉いとされる。あとはひたすら自己責任。しかし、柊は死力を振り絞って武智のことを全否定してみせる。

「生徒はモノじゃない! 人間だ! 俺たちが導いてやらなきゃならない。脆くて、未完成な人間なんだよ! 3歩先しか見えてない彼らに長いレールを敷いてやる! 未来を信じて、行き先を案じて、どの道を歩めば、それが彼らにとって最善なのかを考える。寄り添って一緒に答えを探す! それが教師の務めだろ」

悪辣なオンラインサロンを批判する記事の中に「本当に血が通った人間なのか、お前は」というフレーズがあったことを思い出した。人間をカネやモノとしてカウントする人間は、もはや血の通った人間ではない。論理で完膚なきまでに叩きのめされた武智は、力なく警察に連行されていく。武智の視界が歪む演出は、ゴールデンタイムのドラマとしてはかなりチャレンジングな試みだったと思う。

しかし、まだ事件は終わっていない。盛り上がったし、大きな後出しジャンケンもなかった7話だったが、武智は中ボスぐらいの扱いだった。なにせまだ残り3話もある。予告の動画では、武智を操っていた「新たな黒幕」というテロップの背後に、柊と通じている相楽(矢島健一)、五十嵐(大友康平)のほか、柊を追う刑事の郡司(椎名桔平)、下っ端刑事の宮城(細田善彦)、アクション俳優のファイター田中(前川泰之)までいた。これで宮城や田中が黒幕だったらひっくり返るな……。

第2部のクライマックスは今夜10時半から。
(大山くまお)

「3年A組─今から皆さんは、人質です─」
日曜22:30~23:24 日本テレビ系
キャスト:菅田将暉、永野芽郁、上白石萌歌、大友康平、田辺誠一、椎名桔平
脚本:武藤将吾
音楽:松本晃彦
演出:小室直子、鈴木勇馬
主題歌:ザ・クロマニヨンズ「生きる」
プロデューサー:福井雄太、松本明子(AXON)
制作著作:日本テレビ
Huluにて配信中

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