カナダのMt.Gox、QuadrigaCX閉鎖。CEOがインドで死亡し150億円のウォレットが永久に開かなくなる

2019/2/4 18:00 ギズモード・ジャパン

Video: Angelo Turano/YouTube Video: Angelo Turano/YouTube

直前に遺書書いて犬のチワワには800万円以上残したようですよ?

出口詐欺? コールドウォレット実は空だった? それとも本当に亡くなったのか?

カナダ最大の仮想通貨取引場QuadrigaCX(クアドリガCX )が29日いきなりサービスメンテ中になって、1日、州最高裁に債権者保護を申請。CEOがインド旅行中に死亡し、利用約115,000人の口座の1億8000万カナダドル(約150億円)のウォレットに永久にアクセスできなくなっていることがわかり、ビットコイン業界に動揺が走っています。

取り付け騒ぎの最中、孤児院開設で訪れたインドで急逝

亡くなったのはジェラルド・コットン創業者兼CEO。孤児院開設のため訪れたインドで12月9日、クローン病がこじれて急逝しました。享年30。

QuadrigaCXは一昨年10月に子会社のペイメント処理業者Billerfyとフィアット通貨業者CostodianのCEOを兼務するJose Reyes氏が数億円を無断で個人口座に流用していたことがカナダ帝国商業銀行(CIBC)に見つかって訴えられてアカウント凍結となり、顧客388人の280万カナダドルが取り出せなくなっていました。

昨年12月4日になってやっと凍結が解除され、「引き出せるようになりました」という朗報にみんなほっと胸をなでおろしてたら1月中旬、CEOの死亡が発表となり、あまりのタイミングに「ご遺体を見た人はいるのか?」というリアクションがネットを飛び交う騒ぎとなりました。

暗号キーはCEOしか知らなかった

事実上の破産宣言に等しい今回の債権者保護申請で、未亡人は死亡診断書を添えて宣誓供述書を提出し、「ネットの心ない書き込みと脅迫で精神的苦痛を負っている」と裁判所に訴えています。まあ、財産を失った人もいますからね。一個人の記憶の中だけで管理していたというのはあまりにもずさん。にわかには信じられないというのが当然の反応だし、怒って当たり前ですよ。

通常、取引場では複数の管理者が暗号キーを分散して保有するマルチシグネチャで不正の予防をするとともに、万一のときの継承プランも装備しています。それすらなくて一個人が管理するとなると最悪、

ウォレットにお金が一銭もなくても誰も知りようがない

という恐怖の取引場が生まれてしまいますからねぇ…。でもそれがQuadrigaCXの実態だったのであります。

24歳からクローン病?

宣誓供述書では「想定外の死」と書かれていますけど、「クローン病は24歳からの持病だった」とも書かれており、そうであるならばなおのこと急に悪化したときのことを生前一度も考えていなかったというのは不自然に感じます。クローン病はストレスで悪化することもある病気。銀行とバトルで取り付け騒動って、そりゃストレスの塊なんてもんじゃないわけで、身内じゃなくたってそんなのわかるし、不死身と考えるほうがどうかしてるよって思ったのだけど、供述書の末尾に丸っこいガーリーな署名があるのを見て、なんだかなあ、と…。

北米大陸ではさっそく「カナダのマウントゴックス」と呼ばれてますよ。

コールドストレージに関する宣誓供述

気になるコールドストレージのくだりを翻訳しておきましょう。

190201quadriga_nowhere_to_be_found宣誓供述書 Image: Jennifer Robertson Affidavit

62. Gerry(CEOの愛称)が会社の業務用に使っていたノートPCは暗号化がかかっており、パスワード、リカバリーキーは私も知らない。何度も家中探したが、どこにも書き残されていなかった。専門家のChris McBryan氏にQuadrigaの企業および事業の履歴データのリカバリの支援を要請したが、Gerryの携帯とほかのコンピュータから数コインを回復できたきりで、業務用のメインコンピュータからは何ひとつ回復できていない。引き続き回復努力中。

190201quadriga_nowhere_to_be_found_cont宣誓供述書 Image: Jennifer Robertson Affidavit

64. Quadrigaはコインをサーバーには保管していないが、これは取引場では一般的に行われているハック予防策。

65. Gerryの死後、Hanin氏とMatthews氏から聞いた話では、社の預かり金、コイン、財務会計管理のことはGerryが全部ひとりで担当していたようだ。コインはほぼすべてをコールドストレージに保管していた。

66. Gerryの死後、Quadrigaはずっとコールドストレージにアクセスを試みてきた。これはHanin氏と、外部の専門家Chris McBryan氏(元Insp、現McKalian Sensors)にも委託してGerryのプロファイリングを行ってコンピュータにハックを試みた。暗号化のかかったUSBキーも当該専門家に渡しが、アクセスはできていない。

67. Hanin氏によると、データベースの履歴をもとに算出したコールドストレージのコイン保有高は1億8000万カナダドル(約150億円)相当。

永久に失われたはずのお金が動いてる?

この宣誓供述と死亡診断書を見ても「dead or alive」の疑惑の声は鳴りやむ気配もなく、Redditでは「亡くなったのならお金が動くはずないよね」と、QuadricaCXのお金の動きを見張ってるユーザーまでいて、「発表直後に大口口座で取引があった!まだ生きてる!」と騒いでますよ。まあ、CCNも書いているように、コールドウォレットと断定はできないわけですが。

Kragen取引場のJesse Powell CEOもQuadricaCXのとばっちりで随分迷惑している様子。「こんな都合よく創業者が死んでキーが消えるなんて話、信じろってほうがムリ。カナダ王立騎馬警察が強制捜査するならKragenに連絡してくれ」、「なんで死亡診断書が葬儀屋なんだ。警察とか、遺体をこの目で見たという人間が現れるまで俺は信じない」とツイートしています。激おこ。

死亡直前に遺書

Powell CEOが疑うのも無理はなくて、コットンCEO、実は亡くなる2週間前に遺書を書いてるんです。上の動画にあるように、死亡が12月9日。遺書が11月27日。夫人を遺産執行人に指名し、2州に保有する家、自家用機1機、そして愛犬チワワ2匹の世話代として10万カナダドル(約836万円)を残して。こんな死に方もあるんですね…。

死亡から1か月余りも発表なし

もうひとつおかしな点があります。パスワードを墓場まで持っていったのなら、死亡直後に取引を制限しないと、まずいですよね? ところが違うんです。QuadricaCX社がCEOの死亡を発表したのはなんと1月14日。

それまでずっと取引はなんの制限もなく続行されていました。この点も激怒されている、もうひとつの理由です。不吉な予兆はあって、大くじらが1匹、市場閉鎖になる前に損を出しながら売り逃げています。そう、そんなもん。

Sources: Jennifer Robertson Affidavit via Coindesk, CCN

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