セラピードッグがストレスを受けた子供の心の回復を助けるという研究結果

2019/1/8 09:00 わんちゃんホンポ

セラピードッグの効果を科学的に探る研究

芝生の上の男の子とゴールデンレトリーバー

病院や様々な施設を訪問して、人々の気持ちを落ち着かせるセラピードッグの効果は、すでに多くの人が知っています。けれど、少し意外なことにその効果を科学的に証明した具体的な方法はまだ確立されていません。

このたび、4つの組織が共同で「子供がストレスを受けたときに、セラピードッグがその回復を助ける能力についての実験」を行い、その結果が発表されました。

研究をリードしたのは、アメリカのイェール大学心理学部の研究者チームです。イェール大学からは他に、犬の心理学の研究施設である、犬認知センターが共同で研究を行っています。

実験に参加するセラピードッグを提供したのは、セラピードッグの育成や認定基準を定めている、非営利団体『グッドドッグ財団』です。

そして研究資金を提供したのは、コンパニオンアニマルの福祉や健康を守るための研究を行っている、非営利団体ヒューマン・アニマル・ボンド・リサーチ研究所です。

参加している組織の性格から、この研究が人間側のメリットだけでなく、セラピードッグの福祉についても十分に考えられていることがわかります。

子供たちと犬たちが参加した実験の内容

ラブラドールレトリバーを抱きしめる女の子

実験に参加したのは、10歳から13歳の78人の子供たちでした。比率は女子55.1%、男子44.9%でした。

犬たちはオス4匹メス4匹の計8匹で、全ての犬がセラピードッグ認定団体から認定されているか、同等の行動評価に合格した犬たちです。犬たちはあらかじめ研究施設の環境に慣れるよう訓練されており、実験環境でも落ち着いていられます。

子供たちは初対面の人の前で、スピーチを行うというストレスにさらされるためのテストを受けます。こうしてストレスを受けた子供たちは、次の3つのグループにランダムに分けられ、それぞれに違う対応を与えられました。

1つ目のグループは、セラピードッグと触れ合う15分の時間を与えられました。
2つ目のグループは、柔らかくふわふわした毛布を与えられました。
3つ目のグループは、部屋で待つ時間を与えられました。

こうして比べると、犬と触れ合う以外の子供たちが気の毒な気がしますが、ふわふわ毛布は「触覚刺激によるストレス制御」、待つ時間を持つことは「待機によるストレス制御」と、それぞれに理に適っているものです。

子供たちのストレスレベルは、唾液中のコルチゾールのレベルを使って測定されました。

実験の結果は?

寄り添って座るジャーマンシェパードと男の子

さて実験の結果ですが、これは容易に予想できる通り、犬と触れ合った子供たちのストレスレベルは他の2組の子供に比べて、有意にポジティブな回復が見られました。さらに犬と触れ合った子供の不安スコアは、他の2組よりも有意に低いものでした。つまりストレスにさらされた後に、より早く自信を回復し、不安な気持ちが消えたということです。

このように15分という短い時間であっても、犬と触れ合うことで、子供の肯定的な感情が高められ、不安レベルを下げることが分かりました。

犬との触れ合いの中でどのような部分がこれらの利益をもたらすのか、また他のストレス回復等の方法に比べてどのくらいの程度の違いがあるのかを明確にするためには、さらなる研究が必要だと述べられています。

まとめ

一緒に寝ている女の子と犬

イェール大学をはじめとするアメリカの研究チームが、セラピードッグが子供たちのストレスの回復に対して、明確に高い効果があるという研究結果を発表したことをご紹介しました。

人々はすでに体感として感じていることですが、こうして具体的に数値化されることで、科学的な裏付けができることはとても大切なことです。

また、この研究を行ったイェール大学の研究チームは、子供とロボットの相互作用についても研究を行っているのですが、セラピードッグの効果が明確に分析されることで、セラピーロボットへの応用も期待されます。

ロボットであれば、動物アレルギーのある人も利用ができるため、セラピーの範囲が大きく広がります。セラピードッグの研究は、未来への夢が広がる研究と言えますね。

《参考》
https://www.businesswire.com/news/home/20181127005260/en/

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