テレビゲームが生んだ名探偵・神宮寺三郎。シリーズ最新作は“ヤング神宮寺”が主役

2018/12/9 08:30 日刊SPA!

『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』 『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』

◆ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』
Nintendo Switch、PS4/アークシステムワークス/6990円(+税)/12月13日発売予定

 12月13日に『探偵 神宮寺三郎』シリーズの最新作『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』が発売されます。シャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロ、江戸川コナンなど古今東西、名探偵は数多くいますが、テレビゲームが生んだ名探偵といえばやはり神宮寺三郎。

 歌舞伎町に事務所を構え、タバコの煙をくゆらせては推理を巡らし、助手の洋子くんともワケあり……。ファミコンからスタートしたとは思えないほど、大人の格好良さがありました。もし、自分の身に危険が迫っていたら、他の名探偵よりも神宮寺にお願いしたい、そんな気がします(探偵によっては被害が拡大するので……)。

 シリーズは、1987年の『新宿中央公園殺人事件』で幕を開けます。公園で発見された女性の絞殺死体。犠牲者の周りには足跡が一切なく、身元も不明……。その真相を神宮寺が追及していきます。

 2作目は、横浜というエキゾチックな街並みがゲームのムードに見事にマッチした『横浜港連続殺人事件』(1988年)。当時、「こんな大人っぽいゲームあるのか……」と驚いたのを覚えています。山下公園の女神像を見ると、今でも『横浜港連続殺人事件』が無性に遊びたくなります。

 3作目の『危険な二人』(1988~1989年)はディスクシステムの前後編構成。鈴鹿サーキットのバイクレース中の替え玉騒動と、時を同じくして起きたホテルでの殺人……。人間関係と利害が複雑に絡み合うなか、徐々に事件の全貌が露わになっていく引き込まれる内容でした。

 そして4作目『時の過ぎゆくままに…』(1990年)は、神宮寺が新宿中央公園で一匹の犬を見たことから始まる回想の物語。過去パートと現在パートを行き来するという凝ったつくりで、刑事ドラマの“日常回”のようなハートフルな雰囲気が印象的でした。

 ここまではファミコン期の作品。その後PS1・セガサターンの『未完のルポ』(1996年)を挟んで、シリーズ最高傑作と言われる『夢の終わりに』(1998年)が登場します。人を蝕む強力なドラッグをテーマにした『夢の終わりに』。神宮寺の悔恨と決意、犯人と対峙するラストシーンには鳥肌が立ちました。

 今回の新作『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』は、シナリオを『夢の終わりに』の稲葉洋敬さんが担当し、その前日譚ともなっています。

 探偵業を営む祖父・京助の死の真相を知るため、3年ぶりにニューヨークへと降り立った若き日の三郎。祖父の足取りを追ううち、三郎は「ダイダロス」という謎めいた言葉に導かれていく……。

 これまでとは違い、青年の神宮寺三郎が主役の本作。“ヤング神宮寺”といった感じで、ゴツくない、そのスリムな姿が新鮮です。

 周囲をぐるりと見渡せ、現場での臨場感たっぷりな「360度ビュー」探索や、三郎の思考を具現化し、証言や証拠を整理していく「思考の樹」などシステム面も刷新され、事件を視覚的に把握しやすくなっています。

 かつてはヒット作も多かった探偵アドベンチャーですが、シリーズが続いている作品はほとんどなくなってしまいました。誕生から31年。探偵・神宮寺三郎には今後も50年、80年と年輪を重ねていってもらいたいものです。たまに世界の有名探偵が一堂に会する小説や映画がありますが、そうそうたる顔ぶれのなかに、しれっとタバコを吸いながら混ざるような存在になってくれたらゲームファンとしては嬉しいなあと。

【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイト「ディファレンス エンジン」

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