犬の尻尾のつくりや役割、尻尾の病気まで

2018/12/9 09:00 わんちゃんホンポ

激しく左右に揺れたかと思えば、だらんと垂れていたり、怖いことがあったときは足の間に収めてしまったり。そんな犬の尻尾の動きを、日々チェックしている方は多いのではないでしょうか。尻尾は、言葉を話せない愛犬が、私たちに感情を伝えてくれるツールの一つです。

しかし、尻尾の役割はそれだけではありません。そして、激しく動く割りに意外と脆い器官でもあります。ここからは、犬の尻尾のつくりや役割、関係する怪我や病気について述べて参ります。

犬の尻尾のつくり

犬の尻尾と後ろ足

犬の尻尾は尾骨という小さな骨と神経、そして筋肉の集まりでできています。尾骨は6〜23個で構成されており、尻尾の先に行くにつれて小さく細くなっています。特に尾の付け根部分には、神経が集まり敏感で、触られるのを嫌がる個体もいます。尻尾の種類は、細長かったりフサフサとボリュームがあったり、元々短かったりと、犬種や個体により様々です。

犬の尻尾の役割

フローリングでくつろぐ犬の尻尾

犬の尻尾は、人間が犬の感情を読み取る際によく注目されますが、生きるにあたってより根本的な役割を持ちます。

バランス

犬の尻尾は体のバランスをとるために使われています。特に走っているときのカーブや方向転換では、尻尾でバランスを取ることにより、スピードを緩めずに転換することを可能にしています。また、泳ぐときにもこのバランス感覚が使われます。

寒さや虫からの防御

寒い所で暮らしていた犬は特に、尻尾が大きくフサフサした形になっています。また、寒いときに犬が丸くなるのを見たことがある方は多いでしょう。これらは暖をとるためです。寒いときに犬は、体を丸めて尻尾で体全体を包むようにして寝ます。尻尾が防寒具のような役割を担っているのです。

また、従来は虫から下半身を守る働きもしていたと考えられています。牛が近寄るハエに対して、よくしている行動ですね。下半身には大切な器官が多いので、小さな虫から守るように動かしていたようです。尻尾を股の間に入れる動作は肛門や陰部などを守るためかもしれません。

犬の尻尾の病気

湖を見つめる犬の後ろ姿

犬の尻尾はデリケートな部分。小さな骨と神経が集まっているつくりなので、ちょっとしたことが怪我や病気に繋がります。誤って踏んだり挟んでしまったり、また引っ張ったりということがないよう気をつけましょう。特に小型犬、超小型犬の骨は非常に細く脆いため、注意が必要です。

以下、尻尾に関する怪我や病気の例をご紹介します。

尾椎間脱臼

脱臼とは、骨があるべき関節からずれてしまったという症状。尻尾部分では比較的よく見られ、踏んだり挟んだり引っ張ったりといった負荷が加わったときに起こります。日常的に犬の居場所をよく注意して見てあげましょう。

脱臼すると、尻尾が変な方向に向いていたり、動かなくなったりします。神経系にダメージがあった場合は、更に症状が多様化し、排泄の補助などが必要になる場合も。治療としては、元の関節の状態に戻し患部を固定するか、重症の場合は外科的治療になることもあります。

尾椎骨折

尻尾部分の骨折のこと。これも比較的起こりやすい怪我のひとつです。日常における外部からの異常な負荷により骨折が起こります。第三者からのものでなくとも、犬自身による高いところからの着地失敗により、尾椎骨折となることも。

骨折すると痛みが出るため、下半身を触られるのを嫌がるようになります。治療としてはギプスなどでの固定が主ですが、尻尾は無意識に動いてしまう部分なので、治りが遅くなります。

馬尾症候群

犬の馬尾

馬尾とは、脊髄と尻尾の境目辺りにある神経の束部分。この神経は、後脚や膀胱、肛門など多くの下半身器官に繋がっており、馬尾に異常が起こると様々な症状が出ます。これが馬尾症候群です。外傷によって起こりやすく、一部先天的なものも含まれます。

尻尾が動かなくなったり、痛みが出たり、また排泄に支障があったり、後脚の動きに異常が生じたりといった症状が出ます。安静にさせ、様子を見る場合と、外科的治療を行う場合があります。

肛門嚢炎

尻尾自体ではないものの、尻尾が下がったままになっていたり、触ると嫌がったりするときに疑う病気。肛門腺に分泌液が溜まったまま放置しておいたことにより、細菌感染が起こり炎症となった状態です。定期的に肛門腺絞りを行っていれば心配はないでしょう。

肛門嚢炎になると、尻尾の付け根あたりに痛みが生じます。更に酷くなると肛門腺が破裂したり膿がたまったりと重症化することも。初期は抗生剤、重傷時は外科的治療を行う場合もあります。

犬の尻尾の扱いには注意して!

尻尾を振って遊ぶゴールデンレトリバー

犬の尻尾について述べて参りました。尻尾は犬にとって、またコミュニケーションを取る上では飼い主である私たちにとっても大切な器官なのです。

また、尻尾は私たちが考える以上に脆い部分です。その扱いには日頃から注意するようにしましょう。また、怪我や病気の早期発見のためにも、優しく触るなど毎日のチェックを欠かさないようにしましょう。

私たちにはない尻尾。構造をよく知り、ケアをしてあげることが大切ですね。


(獣医師監修:平松育子)

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