最終回「ブラックスキャンダル」山口紗弥加、安藤政信、松井玲奈、三者三様の狂気と異常な純愛世界

2018/12/7 09:45 エキレビ!

読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマF「ブラックスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック/ワンミュージックレコード 読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマF「ブラックスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック/ワンミュージックレコード

昨日放送の第10話で最終回を迎えた『ブラックスキャンダル』(日本テレビ系)。正直、ラストが難解だった。よくありがちな、視聴者に解釈を委ねる終わり方。でも、それにしてはヒントが少なすぎた。盛り上げて盛り上げて、最後だけ思いっきり不親切に終わったという印象。

でも、逆に言えば妄想し放題ということでもある。それに、揺るぎのない事実が一つだけある。みんな、どこかイカれてるのだ。サイコパスもいれば、狂人もいる。まともじゃない登場人物ばかりだった。

全員狂人


●勅使河原純矢
勅使河原純矢(安藤政信)こそがサイコパスだ。この男、言ってることがいちいちおかしい。5年前、矢神亜梨沙(山口紗弥加)の不倫スキャンダルを捏造した理由を問われ、いけしゃあしゃあと返答した。
「君の愛を信じてたんだよ。俺が不幸になるより自分が不幸になるほうがマシだって、君ならそう考えると信じていた」

純矢は新たな芸能事務所を立ち上げ、新人発掘オーディションを開催すると記者発表会を行った。壇上で発表するのは純矢本人。イベントの詳細を説明すべくスクリーンに動画を流すと、そこに映し出されたのはビルから飛び降りる水谷明日那(中村静香)と、現場から立ち去る純矢を捉える映像だった。
客席にいる亜梨沙を確認した純矢は、余裕の態度を崩さない。その理由は、すでに純矢が口にしている。亜梨沙が自分へ向ける無償の愛を本気で信じている。足元を見て、たかをくくっている。異常な自信と自己愛だ。

●矢神亜梨沙
姉・明日那の復讐のため、水谷快人(若葉竜也)は壇上の純矢を刺しに行った。その寸前、身を挺して純矢を救ったのは亜梨沙だった。瀕死の状態で、亜梨沙は想いを口にした。
「やっぱり人間、一生に一人……だよね、好きになるのは。浮気や心移りはいっぱいあるけど……仕方ない。それが人間だから! でも……好きになるのは、一生に一人。……あなた以外、あなたじゃないの」
亜梨沙は純矢にキスを求め、絡め合う純矢の舌を噛み切った。

さっきの言葉は罠ではなく亜梨沙の本心だ。純矢はキスで女を狂わせる。明日那も阿久津唯菜(松井玲奈)もそうだった。ならば、純矢の舌を噛み切って自分だけのものにしたい。目的としては阿部定事件のそれに近い。

これは、復讐ではない。復讐心なんてこれっぽっちもない。亜梨沙による純愛。彼女からすると、復讐に燃える水谷は邪魔者。自分だけのものにすべく身を挺して純矢を救い、愛する人の舌を噛みちぎった。

このドラマのエンディングは、大きくなったお腹をさする亜梨沙の笑顔である。宿っているのは純矢との子どものはずだ。
第8話で亜梨沙と純矢は結ばれた。あの時、2人の間でこんなやり取りがあった。

亜梨沙 私、あなたのこと忘れたことなんてなかったのに。一日も忘れたことなんてなかったのに。
純矢 紗羅、ごめん。俺だって紗羅を忘れたことないよ、本当に。でも、俺には今、唯菜がいるし……。本当にごめんね。

純矢が阿久津唯菜(松井玲奈)の名前を出した時、一瞬、亜梨沙は目を“クワッ!”と見開いた。直後、「最後にするから、今日だけ紗羅でいさせて」と亜梨沙は純矢を求めた。
エンディングの笑顔を見て、全部わかった。純矢を手に入れられずとも、純矢との子どもは宿したい。計算通り行ったからこその笑み。8話で唯菜は亜梨沙に「一度抱かれたら、もっともっと忘れられなくなる!」と激昂したが、その通りなのだ。亜梨沙は静かに狂っている。

●阿久津唯菜
舌を噛み切られ、昏睡状態の純矢。彼の病室に現れたのは、赤いハイヒールを履いた唯菜だった。純矢に殺されたかと思いきや、まだ生きていた。彼女はベッドごと純矢を運び去り、どこかへ消えた。

唯菜の行動の解釈が一番難しい。いかようにもできる。
(1)意識を取り戻さない純矢の顔を撫でた唯菜は、まだ純矢を愛している。これから、唯菜は愛する純矢を独り占めして生きていく。死んだかのように生きる純矢を唯菜が連れ去り、これから成長する純矢の子種は亜梨沙が育てていくというエンディングだ。
(2)純矢を連れ去った唯菜は、愛する純矢と心中することを望んだ。
(3)自分を殺そうとした純矢への復讐でやって来た唯菜は、純矢を連れ去り、自らの手で純矢を殺めるつもりだ。
(4)すでに唯菜は死んでいる。向こうの世界から現世へやって来た唯菜。唯菜は純矢を迎えに来ていたのだ。

亜梨沙との関係性を考えると、(1)の線が最も近いと筆者は思っている。何にせよ、どれにしたってまともじゃない。唯菜の狂気に関しては、熱心な視聴者なら把握済みだろう。

筆者もこのドラマには、心に掻き傷を残された。モヤっとするし、胸のつかえが取れない。観ればいつも疲れてしまう作品だ。昨晩の最終回は、取り分けそうだった。
なのに、亜梨沙も唯菜も晴れやかな表情なのだ。彼女たちなりに純愛を貫き、彼女たちなりにハッピーエンドを迎えてる。狂人たちの世界だったのだ。
(寺西ジャジューカ)

木曜ドラマF『ブラックスキャンダル』
脚本:佐藤友治ほか
監督:長沼誠ほか
音楽:井筒昭雄
主題歌:「ドグマン」(ゲスの極み乙女。)
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、中間利彦、茂山佳則(AX-ON)、西紀州(AX-ON)
制作協力:AX-ON
制作著作:読売テレビ
※各話、放送後にHuluにて配信中

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