「大恋愛」若年性アルツハイマーの苦しみの中で、希望を見出す戸田恵梨香と闇落ちした小池徹平8話

2018/12/7 09:45 エキレビ!

イラスト/Morimori no moRi イラスト/Morimori no moRi

11月30日に『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)の第8話が放送された。

尚と公平が「対等」で共鳴し合うわけがない


MCI患者の松尾公平(小池徹平)は、間宮尚(戸田恵梨香)にストーカーまがいに付きまとう。尚を振り向かせるため、公平が用いたキーワードは「対等」だ。
「健康な人といると相手に負担がかかるからこっちも気後れするし、対等じゃいられないんだよね」
病気になり、妻に逃げられ、職を失おうとしている公平は、いつしか妬みと憎しみに囚われた。人生は“公平”ではない。不公平を憎んだ彼が「対等」にこだわったのは自然の流れだった。

この日、夫・真司(ムロツヨシ)から今日何をしていたか問われた尚は、公平と会った事実を隠した。真司への罪悪感だけでなく、対等に話せる人を求める気持ちがどこかあった。過保護な真司の態度は、余計に尚を追い詰める。ただの足手まといになっていないか? 真司は以前のように自分を頼りにしてくれなくなった。そんな不安に囚われてしまった。

尚 小説のことだってそう。前までは、私に相談してくれてたのに。続編のタイトルだって、私に一番に教えてほしかったのに!
真司 言ったよ……。
尚 聞いてない!
真司 言ったって!
尚 ……じゃあ、言ったんでしょうよ!

ケンカでいつも自分から折れることの多い尚が、我を忘れるほど声を荒げた。大事な記憶が削れる自分に対して憤りが抑えられなかった。やはり、真司の負担になっている。耐え切れない尚は家を飛び出した。

一方、井原侑市(松岡昌宏)と尚の母・薫(草刈民代)の恋が動き始めた。第7話、侑市を大声で責める真司を諭したのは薫だった。
「私も医者だから思うんだけど医学にはまだ分からない事が多いのよ 医者も未知なる病気の前には無力なの」
侑市は尚の元婚約者で、薫は尚の母親。そして、2人とも医者だ。侑市と薫は同じ辛さで共鳴している。対等の男女が惹かれ合う恋愛だ。

恋愛には様々な形がある。侑市と薫の恋と、尚と真司の恋は違う。収入、社会的立場、今までの経験など、男女が対等でいるのは難しい。尚と真司は、始めから対等じゃなかった。かつては真司が負い目を感じ、今は尚が苦しんでいる。対等だったことなんて一度もない。いつかは2人でそれを乗り越える。「対等」を訴える公平の付け入る隙は始めから無かった気がする。

闇落ちした公平、現実に感謝し続ける尚


周囲に支えられて病に向き合う尚。病気への恐怖と孤独で闇落ちした公平。同じ病気なのに、環境によってこんなにも生き様が違う。
尚と公平の対比。それは、アルツハイマー病を抜きにしても人生のテーマだ。自分を取り巻く状況を真摯に受け止め、現実に感謝しながら毎日を過ごすことができるか? それが、幸せを掴めるか掴めないかの差になってくる。

尚と真司が仲良くしている姿を見て「屋上から飛び降りたくなった」と口にした公平。ダークサイドを生きている。尚は違う。「忘れてしまうこと」にさえ、希望を見出そうとしている。
「忘れちゃえるところが、この病気の唯一の救いでもあるのよ。だから、私はあなたを恨まない。恨んだところで忘れちゃうんだから」
今まで数多くの辛い目に遭ってきた公平。記憶を失うのは辛い。しかし、今回の騒動を尚が忘れるように、公平だって今までを忘れてしまえば憎み妬むことがなくなるはず。希望を見据える尚の言葉は、公平にとっての救いになる。そうだと信じたい。

正直、自分が公平の立場に立ったら闇落ちしない自信がない。公平と同じ轍を踏むかもしれない。みんながみんな、尚のように強くはいられない。
だからこそ、病気と対峙する当事者の感情を描くために、公平の存在は絶対に必要だったと思う。
(寺西ジャジューカ)

金曜ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』
脚本:大石静
音楽:河野伸
主題歌:back number「オールドファッション」
プロデューサー:宮崎真佐子、佐藤敦司
演出:金子文紀、岡本伸吾、棚澤孝義
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
※各話、放送後にParaviにて配信中

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