国産ワインと日本ワインの違いは? ワイン通を気取るなら知っておきたいこの違い

2018/11/9 15:54 日刊SPA!

AOCシャンパーニュはものすごく厳しい規則がありますが、そのぶんクオリティが担保され、世界中で愛飲されています AOCシャンパーニュはものすごく厳しい規則がありますが、そのぶんクオリティが担保され、世界中で愛飲されています

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第23回 ―

 国産ワインと聞いて、どんなイメージがあるでしょうか。日本で栽培したぶどうを使って日本で醸造したワインというイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、海外から濃縮したぶどう果汁を日本で醸造しても国産ワインと言っていいのです。実際、この方法で作られているワインも多く、別に粗悪と言うわけでもありません。安価に飲みやすいワインが店に並ぶのですから、メリットもあります。

 とはいえ、濃縮果汁を醸造する際に、通常は許されない水を加えるわけですから、クオリティの高いワインにはなりません。日本で本気で作っているワインのレベルがそのようなイメージになってしまうのは困ります。

◆日本版ワイン法施行で明確になったワインの定義

 ヨーロッパでは昔から、原産地を呼称するには厳しい規定を定めています。関係ないところで作ったスパークリングワインを「シャンパン」と呼ぶことはできないのです。フランスの原産地統制呼称「AOC」は1935年に制定されています。原産地を名乗るためには、その地域で収穫されたぶどうを使ったうえ、ぶどう品種やアルコール度数、生産量、醸造方法などの規制をクリアする必要があるのです。そのおかげで、粗悪なワインが減り、消費者が美味しいワインをきちんと選べるようになりました。

 日本でも同様の課題は認知されていましたが、2015年にやっと「果実酒等の製法品質表示基準」という国税庁告示第18号が交付されました。そして、3年後の2018年10月31日に施行されたばかりです。これがいわゆる日本版ワイン法と呼ばれているものです。

 日本ワインは、日本で国産ぶどうのみを原料として、日本で醸造されたワインということになります。この条件をクリアすれば、まず裏のラベルに「日本ワイン」と表示されます。

 さらに、特定の条件をクリアすれば表ラベルに地名やぶどう品種を記載することも可能です。

◆日本版ワイン法施行は美味しいワインが増えるチャンス

 例えば、東京ワインと呼ぶのであれば、東京で収穫したぶどうを85%以上使用し、東京の醸造所で作る必要があります。「東京産ぶどう使用」とぶどうをアピールしたいなら、その地域で収穫したぶどうを85%以上使用している必要があります。ぶどうは別の収穫地だけど、醸造所のある場所を利用し、「東京醸造ワイン」と記載することもできます。その場合は、ぶどうは別のところで採れたことを記載する必要があります。ぶどう品種も同様で、記載している品種を85以上使っている必要があります。ヴィンテージも同様で、同じ収穫年のぶどうを85%以上使用している必要があります。

 日本ではフランシスコ・ザビエルやペリーがワインを持ち込んでいますが、日本ワインが本格的に作られ始めたのは1877年。実は、まだ約140年しか経っていないのです。しかし、近年日本ワインのクオリティは急激に向上し、世界的なワインコンクールで金賞を受賞する銘柄まで出てきています。日本版ワイン法の施行は、作り手からすると面倒なことも増えることになりましたが、日本のワインのブランディング向上にもつながります。飲み手側からすると美味しいワインがわかりやすくなります。

 最近は、レストランやバーでも日本ワインを扱っているお店が増えています。今晩の夕食には、日本ワインを合わせてはいかがでしょうか。

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、朝出勤する会社勤めが無理ということで20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープンし、国内外5店舗を展開。2年前には海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げた

このネタ読んでどう思う?

投稿ありがとうございます。
よかったらログインしてコメントも書きませんか?閉じる

このネタへのコメント1

コメントを投稿するにはログインが必要です。

ログインしてコメントを書く

カテゴリ別アクセスランキング

トップ