見えない存在感に惹きつけられる、記憶と歴史を感じる繊細アートをポーラ美術館で

2018/8/13 00:00 オズモール

◆見えない存在感に惹きつけられる、記憶と歴史を感じる繊細アートをポーラ美術館で
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(C)KAORU HIRANO
夏真っ盛りの今日この頃ですが、お盆を過ぎたら暑さも和らぎ、秋の足音が近づいてきますね。秋といえば「アート(芸術)」。絵画や彫刻もステキですが、圧倒的な世界観と、型にとらわれない表現方法で作者の感性が光る現代美術も見逃せません。今回は現代アート初心者の編集Cが、箱根にある「ポーラ美術館」で開催中の「平野薫-記憶と歴史」展を鑑賞してきました。

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(C)KAORU HIRANO
(写真左上)untitled -rain Hiroshima-(写真左下・右)untitled -rain Nagasaki-
繊細さのなかにある確かな存在感にハッとする、“誰か”を感じる、糸に戻された傘とは
現代芸術家・平野薫さんが手がけるのは、古着や布製の小物を糸の一本一本にまで解き、それを再構成するというとても繊細なインスタレーション。作品のモチーフとなるものは、新品ではなく誰かが使っていたものなのだそうです。身に着けることでそれに残された人の気配や記憶が、この繊細な作品で表現されています。

今回の個展では、もともとの素材である「糸」の状態に戻された3本の傘が展示されていて、もちろん、この傘たちもかつて実際に使用されていたもの。近づいてよく見ると、色あせや糸のよれがところどころに。“誰か”が使っていた気配を感じさせます。

さらに、平野さんがこの作品を通して表現したのは、モノに染みこんだ“歴史”。故郷・長崎、留学経験のあるドイツ、現住地である広島で実際に使われていたという傘は、歴史的にも深い意味を持つ場所でもあるところ。

繊細でとても美しい作品ですが、裏側にあるヒストリーやストーリーを考えると、もとの持ち主の気配がはっきりと感じられ、ほのかな不気味さも漂う…。ぜひ自分の目で作品を見に行ってみてほしいと思います。

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(C)KAORU HIRANO
(写真上・左・右)machine
糸でつながるアート作品!新作インスタレーションも必見

ほかにも、工業用ミシンとミシン糸をモチーフにした新作インスタレーションが展示されています。こちらの作品も、人の気配をしっかりと感じさせるようです。

廃業した工場から引き取ったというミシン機は制御盤につながっていて、15分に1度自動で踏み板が動く仕組みに。使いこまれた機体とひとりでに動くミシンは、確かに誰かが使っていた気配をたたえていました。床に配置された膨大な量のミシン糸も、使われて減ったであろうものがあちらこちらに。

使っている人、身に着けている人がその場にいなくとも、誰かと一緒にいたという記憶があるだけで、ものには存在感が生まれてくるし、その積み重ねが歴史を形成する…そんなことをじっくりと考えさせられるような素晴らしい作品でした。

◆ポーラ美術館でアート体験!随時開催中のワークショップ
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あなたもアーティストになれる!?マイ食器でおうちでもアートな時間を
展覧会を見てアートな気分が高まったら、自分でアート作品を作ってみるのはいかがでしょうか? 「ポーラ美術館」では、オリジナルの九谷食器を簡単に作れるワークショップを随時開催しています。

九谷の和絵具で模様をあらかじめ印刷した「KUTANI SEAL」という転写シールを選び、お皿に貼るだけでマイ食器が作れるという、とっても手軽に楽しめる内容のこちらのワークショップ。焼付けは九谷焼の本場・石川県の窯元で行うため、本格的な仕上がりがかなうのもポイントのひとつです。

「KUTANI SEAL」のデザインは、ポーラ美術館オリジナルのものも! こちらの美術館の展示品であるモネやルノワール、ゴッホなどが描いた名画を、このワークショップのために九谷焼風の図柄にアレンジしたもので、ゆるいイラストがとってもキュートです。選ぶお皿や、シールの種類・配置など、作る人によってデザインが変わるので、友達や恋人と一緒に作ってみるのもいいかもしれません。

美術館をまわってアートな気分が高まったら、アーティストになった気分で、自分だけの作品を作ってみてくださいね。
ワークショップ「KUTANI SEALでオリジナル九谷食器を作ろう」
開催場所/B1F「ミュージアムショップ」
所要時間/30分程度
価格/花豆皿 1944円、マグカップ 2484円
受付時間/10:00~15:30
※焼付けを行うため、約1カ月後のお届けとなります

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