漂白剤のお風呂に週に2回 道化師様魚鱗癬と闘う1歳児(米)

2018/6/23 05:00 Techinsight

ハーレークイン魚鱗癬と闘う1歳児(画像は『GoFundMe 2018年4月21日付「Nashville/Medical Equipment」』のスクリーンショット) ハーレークイン魚鱗癬と闘う1歳児(画像は『GoFundMe 2018年4月21日付「Nashville/Medical Equipment」』のスクリーンショット)

2016年10月、米ワシントン州に住むアリシア・バーバーさん(27歳)は双子を妊娠した。しかし胎児の1人は妊娠中に死亡し、残った1人は妊娠7か月の時に「道化師様(ハーレクイン)魚鱗癬」と診断された。医師からは「出産しても生き残る可能性は2%しかない。中絶を考えたほうがよい」と告げられたが、その子が今年5月に1歳の誕生日を迎えた。『USA TODAY』『Metro』などが伝えている。

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ワシントン州チャッタロイに住むジェイミソン君は、先天的異常により皮膚表面の角層が非常に厚く、まるで魚のうろこのような皮膚を持って生まれた。出生数50万人に1人の割合と言われる難病の道化師様魚鱗癬は根治療法がなく、皮膚が乾燥すると表面がひび割れ、固まりとなって剥がれ落ちる。

帝王切開で出産後、我が子を初めて目にしたアリシアさんは、ジェイミソン君の赤く腫れあがった唇や目、普通と全く違ったその容姿を見てかなりのショックを受けたという。アリシアさんは当時を振り返り、こう語っている。

「出産前に、医師からこの病気の患者の写真を見せてもらったりして心の準備はしてきました。それでも出産までは怖かった…。そしてあの子を最初に見た時、我が子を思い切り抱きしめてあげたい。『大丈夫だよ』って言ってあげたい。そしてこの子はきっと病気と闘ってくれると思ったのです。それでも私は感情をコントロールすることができませんでした。喜び、希望、恐れ、悲しみ、全ての感情が一気に噴き出したのです。」

その後、極度のうつ状態に陥ったアリシアさんは、ジェイミソン君の面会に行くのを止めてしまうほど心を病んでしまった。そしてジェイミソン君が生後3か月を迎えた昨年の8月から5か月間、アリシアさんは我が子を里親に預け、“彼の母になるため”のカウンセリングを受けたという。

時間をかけてジェイミソン君の病気と向き合うことを決意したアリシアさんは、今ではウエイトレスの仕事も辞め、建築現場で働くジェイミソン君の父コルトンさん(26歳)の協力を仰ぎながら付きっきりで彼のケアにあたっている。決して裕福とは言えないが、6歳と7歳の息子もジェイミソン君が他の子と違うことをきちんと理解し、サポートしてくれているという。

ジェイミソン君のケアは半端な気持ちでは務まらない。彼の皮膚は発汗や体温調節がうまくできないため、2時間おきに体温の測定が必要だ。さらに皮膚が硬くなり身体の動きが制限されるため、フィジカル・セラピーには1日3時間を費やす。

また感染症にもかかりやすいため皮膚を清潔に保つことが何よりも大切で、毎日2回、45分間の入浴が欠かせないのだ。そしてジェイミソン君の入浴中には、ピーリング・グローブを使って古い角質を擦って落とし、2時間ごとに保湿クリームを塗らなければならない。さらに過酷なのが週2回、15分の漂白剤を使っての入浴だ。アリシアさんはその様子を次のように述べている。

「漂白剤は市販のものを使っています。この入浴はかなりの痛みを伴うので、医師の指示で痛みの緩和のためにモルヒネを使っています。しかしながらジェイミソンは呼吸器の疾患も抱えているため、漂白剤が与える影響を考えると怖くなります。それにモルヒネにより、彼の動きが鈍くなるのも気になります。何よりつらいのは頭から漂白剤をかける際にジェイミソンが誤って飲み込んでしまったり、液体が目に入ってしまう時です。痛みで泣き続けるジェイミソンを見て、私まで涙することも何度かありました。ジェイミソンを少しでもリラックスさせるために、最近は私やコルトンが一緒に漂白剤のお風呂に入るようにしています。」

ジェイミソン君のケアに忙しいアリシアさんだが、今月29日からテネシー州ナッシュビルで開催される道化師様魚鱗癬の患者や家族のためのイベントに参加する予定だという。アリシアさんは「同じ境遇で苦しむ患者や家族との交流を心待ちにしています」と声を弾ませる。また『GoFundMe』で募金を呼び掛けており、ジェイミソン君が漂白剤の代わりに「ナノ・バブラー(Nano Bubbler)」という酸素の泡を使って皮膚をきれいにする機器の使用ができないか、保険会社らとの話し合いも続けているようだ。

アリシアさんは最後にこう語っている。

「ジェイミソンの赤い肌を見て『子供をこんなに日焼けさせて、親としてなっていない』などと言ってくる人もいます。また『気持ち悪い』と吐き捨てて去っていく人もいます。でもこの病気についてもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。ジェイミソンには友達と普通に笑ったり、走ったり、遊んだりと素晴らしい人生を送って欲しいと心から願っています。」

画像は『GoFundMe 2018年4月21日付「Nashville/Medical Equipment」』『Metro 2018年6月20日付「Mum bathes her baby in bleach twice a week to help him fight infection」(Picture: Alicia Barber / SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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