カップラーメンを「10倍おいしく食べる方法」

2018/6/15 00:00 日刊大衆

 お湯を注げば、あっという間にラーメンが出来上がる……まるで魔法のような“日本食”といえば、カップラーメンだ。「カップラーメンが登場したのは1971年。日清の『カップヌードル』が最初の製品でした。それ以来、カップラーメンは貧乏な学生から時間に追われる社会人、いえ、老若男女問わず“腹ごしらえの一品”として食べ続けられています」(グルメ誌ライター)

 かれこれ47年間も、日本人に愛されてきたカップラーメン。しかし、実は多くの日本人がまだ知らない、その上を行く本当のおいしさがある――。「もちろん、すぐにできて食べられるというのがカップ麺の最大の特徴ですが、実は、それだけではない。ちょっとした知識と工夫を凝らすことで、カップ麺の旨さはさらに増すんです」

 こう語るのは、日本最大のインスタントラーメン専門店『やかん亭』の経営者で、“麺クリエイター”の大和イチロウ氏だ。そこで今回、本誌は学生時代から一日一麺をモットーに全国各地の即席めんを食べ続けている大和氏監修のもと、カップラーメンを「10倍おいしく食べる方法」を徹底調査。おいしい作り方から、お手軽なチョイ足しレシピまで“激ウマ”の秘訣を伝授しよう。

■沸騰したお湯で作るのが基本中の基本

「まず基本中の基本ですが、カップ麺は沸騰したお湯で作ってください。いくら腹が減っているかといって、沸騰前のお湯を注いでは、本来のおいしさが出ません」(大和氏=以下、コメントはすべて同氏) グツグツに煮えたぎったお湯こそが、カップ麺の本領を引き出すのだ。

 さらに、「意外と忘れがちなのが、出来上がった後、カップの底をかき混ぜることです。特に最近のカップ麺は重めのオイルで、粘質の高いタレを使っている商品が多い。底のほうに、うま味が溜まっているので、全体に浸透させる必要があります」 ほとんど麺を食べ終わった頃に、濃い味のスープになる……こんな失態を繰り返してはならないのだ。

 そして、さらにおいしさを追求するなら、こんな作り方もあるという。「実際、海外ではカップ麺を電子レンジで温める国もあります。というのも、カップ麺の弱点はお湯を注いで3分待つ間、どうしても湯温が下がってしまう。熱い湯のまま仕上げたほうが断然おいしくなるんです」

 日本のカップ麺はレンジ対応に作られていないが、「カップ麺にお湯を注いで1分ほど経った頃に、レンジ対応の器に移してチンすればOK。麺の食感が生麺に近くなりますよ」 ひと手間かけるだけで、カップ麺はさらに激ウマ進化するのだ。

■日本酒やコーヒーをちょい足しすれば

 しかも、それだけではない。カップ麺ほどチョイ足しがハマる食品はないという。「袋麺に比べて、カップ麺は基本的に濃いめに作ってあるんです。ゆえに、味がキツイと感じている方も多いはず。そんなときは、おちょこ半分ほどの“日本酒”をチョイ足しするんです」 日本酒とは意外な組み合わせだが、よく考えれば料理酒と同じ。チョイ足しすることでマイルドになり、うま味も増すという。

 チョイ足しレシピでは、他にもこんな料理法がある。『日清ラ王 濃熱とろ豚骨』や『日清ラ王 淡麗鶏だし塩』は、コーンスープとの相性が抜群。「臭みがなくなり、甘みが増すんですね」

 また、大食漢に人気のカップラーメン『でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン』や『スーパーカップ 熟成味噌』など、デカいサイズの味噌ラーメンには、インスタントコーヒーのチョイ足しがオススメ。「一つまみ程度で結構ですので、インスタントコーヒーを入れると、味噌のコクの深さに香ばしさがプラスされて食欲を駆り立てる味になります。また、味噌ラーメン特有の後味のしつこさも、これで解消されます」

 袋麺でもお馴染みの『サッポロ一番 塩ラーメン』には、ワサビをチョイ足し。「もともと、塩ラーメンは口当たりが良くてマイルドな味つけなんですね。だから、だんだん物足りなさを感じる方も多い。そこでワサビを足すことで、爽やかな風味が加わり、最後の汁まで飽きずに味わえますよ」

 一方、『サッポロ一番 しょうゆラーメン』や『マルちゃん正麺 醤油』など、しょうゆラーメンには梅干しを加えると激ウマ!「和の酸味が、しょうゆラーメンのとがった味をまろやかにしてくれるんです。食べてみると分かりますが、どこか懐かしい感じの味になりますよ」

 そして、最も意外なチョイ足しはコレ。『日清カップヌードル カレー味』のおいしさを10倍にするのが、ズバリ八丁味噌だという。「名古屋飯には欠かせない八丁味噌。大豆麹で作られた八丁味噌とカレー味がマッチすると、カレーが和風の味わいになるんですね。これは、ぜひ試してもらいたい。八丁味噌がなければ、豆味噌でも構いません」

 このように普段食べているカップラーメンに何か一つ加えるだけで、また違ったうま味を楽しめるのだ。

■製造メーカーによって特徴が違う

 さらにカップラーメンは製造するメーカーによって、それぞれ特徴が違うという。「最も老舗の日清は、まさにカップラーメンのパイオニア的な存在。常に飽くなきチャレンジ精神で、新商品を打ち出してきます。その分、当たり外れも大きいんですけどね」

 新しい技術を常に投入したことも忘れてはならない。「特に1992年に発売された『ラ王』は革新的でした。カップ麺の世界に生麺を持ち込んだ功績は、非常に大きいと思います」

 一方、『マルちゃん正麺』や『緑のたぬき・赤いきつね』シリーズでお馴染みの東洋水産は、当たり外れが少なく、着実においしいカップ麺を作ってくる。「地味と言えば地味なんですが、ホスピタリティに溢れた優しいメーカーですね。基本的に年齢層が高めの方でも食べられるカップ麺を作っており、『マルちゃん正麺』なども、吸引力が弱くなった老人の方でも食べられるように、細めの麺にしているんです」

 健康にこだわるカップラーメンを作り続けているのが、エースコックだ。「ラーメンにヘルシーを持ち込んだメーカーですね。代表的なのが1983年に発売された『わかめラーメン』。これによってカップラーメンを食べる女性が増えたのは間違いありません。現在も『スープ春雨』しかり、ローラさんがCMに出ている『モッチッチ』を見ても分かる通り、女性向けにカロリー抑え目の健康志向を重視していますね」

 ファミリー層をしっかりと押さえているのが、『サッポロ一番』シリーズで知られるサンヨー食品だ。「とにかくスーパー向けのカップ麺が多い。子どもに人気の『ポケモンヌードル』など、キャラ物もよく発売していますね。ヒット商品『和ラー』なんかも和風を好む年配層向けの商品です」

 こうした知識も持ったうえでカップラーメンを食べるとツウの気分にもなる?

■オススメの激ウマ麺は!?

 では最後に、大和氏が「激ウマ」と太鼓判を押すカップラーメンを紹介しよう。「まずは毎年、この時期のみに発売される期間限定の『辛辛魚』です。ご存じ、石神井公園(練馬区)にある人気ラーメン店『麺処井の庄』さん監修で、激辛ファンにはたまらない。荒々しい刺激の中でも、魚と辛味のバランスが抜群で、本当にうまい」

 しかも今年は発売10周年。スープと辛魚粉を増量し、より力強く仕上げられているそうだ。「激辛では日清さんが発売した『ラ王 汁なし担々麺』も素晴らしい味です。四川風のタレで、麻婆豆腐などに使われる花椒を加えて、ピリピリとした辛さが本当に癖になるんですよね」

 同じく担々麺では、セブンイレブン限定で発売されている『セブンプレミアム鳴龍 担担麺』も評価が高い。「東京大塚にある『鳴龍』さんは2時間待ちでも入れない人気店。それがカップ麺となったおかげで、家で3分で食べられるだけでありがたい。ラー油とゴマの酸味の効いたラーメンで、スープも一滴残さず飲み干したくなる旨さです」

 先にも紹介したが『和ラー』シリーズの“秋田きりたんぽ鍋風”も、大和氏のお気に入り。「スーパーに行くと必ず買ってしまう。秋田の比内地鶏をベースに野菜のうま味が見事なハーモニーを奏でています。まさに、きりたんぽ鍋でラーメンを食べている感じになりますよ」

 そして今年、ついに、あの伝説のラーメンがカップ麺にもなった。「東京のラーメン界に豚骨革命を起こした“桂花ラーメン”のカップ麺が発売されたんです。熊本の豚骨は博多や久留米とはまた少し違って、にんにくを潰した黒マー油を使い、豚骨特有の臭みを消して、あっさりベースなんですね」

 学生時代、東京に住んでいた大和氏にとって、豚骨ラーメンといえば“桂花ラーメン”しかなく、「懐かしい味で自分の青春を思い出します。そんな桂花ラーメンが今年で東京進出50周年。これはもう食べるしかない!」

 饒舌に熱く語ってくれるあたりに、カップラーメン愛を感じずにいられない。さあ、今すぐお湯を沸かして、カップラーメンを食べようではないか。

■袋麺の10倍おいしい食べ方

 カップラーメンだけでなく、インスタントラーメンこと「袋麺」の存在も忘れてはいけない。進化著しいこの分野は、最近になって食べる量が増えたという人も多いはずだ。「袋麺もカップラーメン同様、おいしい作り方の基本は、まず沸騰したお湯に入れること。そして、次に大事なのは麺をほぐすタイミングなんです」

 早すぎても遅すぎてもダメ。達人のほぐすタイミングは「茹でる時間の3分の2程度」だという。「3分で茹でるラーメンなら2分ぐらい。5分かかるラーメンは3分半ぐらいがベストです。さらに、ほぐすときは麺を全部ほぐすほうがおいしくなります。麺の隅々まで熱とお湯が当たるようにするんです」(前同)

 基本的なおいしい作り方が分かったところで、インスタントラーメンに合う“チョイ足し”も聞いた。「駄菓子が一番です。たとえば『うまい棒』は万能の調味料で、とんこつラーメンに明太子味のうまい棒などは相性抜群。とにかくおいしいです。さらに『よっちゃんイカ』を日清のカップヌードルに入れると、シーフード味とはまた違った海鮮風味になって、かなり激ウマです!」(同)

 カップラーメンにも通じるのだが、実は「コブ茶」のチョイ足しも超おススメだ。量は、耳かき一匙ほどで充分。「これには理由があって、ラーメンは動物性。そこに植物性のうまみ成分が重なると、うまみが5倍から10倍まで膨らむんです。これは科学的にも実証されているんですよ」(同)

 インスタントラーメンを侮るなかれ。チョイ足しを駆使すれば、立派な男の手料理になるのだ。

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