【もうすぐ終演】言語化不能と話題の「フエルサ ブルータ」のすごさを頑張って伝えてみる

2018/3/29 18:01 ネタりかコンテンツ部

こんにちは。ライターの砂流(すながれって読みます)です。

突然ですが皆さん、「フエルサ ブルータ」ってご存知ですか?

 

 

フエルサ ブルータとは、360度全方位でパフォーマンスが繰り広げられるという体験型のエンターテインメント。普通の演劇やサーカスと異なり、座席や舞台がなく、超至近距離でいろんなことが目まぐるしく展開されていきます。これが、本当にわけがわからないレベルですごいんですよ。

 

 

 

例えば、突然人が降ってきたり、

 

 

全力で走っている侍がダンボールをぶち壊したり、

 

 

天井からプールが降りてきたと思ったら、ダンサーが泳ぎ始めたり、

 

 

芸者っぽい人が吊るされて踊っていたり、

 

 

お客さんが紙吹雪の入ったピザの箱のようなもので叩かれたりもします。

 

▲動画だとこんな感じ

 

どうですか……? 面白そうでしょ……!?

 

僕はこれが好きすぎて、もう4回ほど観に行きました。毎回違う知り合いを連れて行くようにしているので、自分のことを勝手に“フエルサ ブルータ アンバサダー”ぐらいに思っています。

 

ただ、アンバサダーとしてはもっともっと多くの人にその魅力を知ってもらいたい。というわけで今回は、フエルサ ブルータを最もよく知る日本人の一人に話を聞いてきました。

 

話を聞いた人

 

今回話を聞いたのは、フエルサ ブルータWA製作委員会の萩原 慶太郎さんです。萩原さんは、2014年の来日公演から関わっているというフエルサ ブルータマスターです。

 

萩原 慶太郎

フエルサ ブルータWA製作委員会のプロデューサーの1人。前回の2014年来日公演でプロデューサーとして活躍し、今回の世界初公開の最新作「WA!!」の実施にも携わる。普段よりライブエンターテインメント分野におけるデジタルマーケティングの施策などを担当。

 

 

日本に恋をしたアルゼンチンの芸術監督がつくった体験型エンタメ

 

ーー ずばり、フエルサ ブルータとは何なのでしょうか?

フエルサ ブルータは、日本の裏側に位置するアルゼンチンで生まれた体験型エンターテインメントです。フエルサ ブルータという言葉はスペイン語で「獣の様な力」という意味。その言葉通り、力強く圧倒的なパフォーマンスが特徴となります。

これまで世界各国で上演され、延べの体験人数は約500万人。日本に来るのは二度目です。初回は2014年、赤坂サカスの広場の特設会場にて上演されました。その際は海外で既に公演されていた演目をそのまま持ってきたんですが、今回の「フエルサ ブルータ WA !! -Wonder Japan Experience(以下、WA !!)」は、フエルサ ブルータシリーズの最新作にして、ここ東京での公演がワールドプレミアとなります。作品そのものが、日本にインスパイアされた演目になってますからね。

 

ーー ラテンなノリの中で、侍や芸者、阿波踊りなどの和が数多く登場し、驚きました。

芸術監督のディキ・ジェイムズは、2003年に『ビーシャ・ビーシャ』というフエルサ ブルータの前身にあたる公演で初めて来日。そこから14年、地球の裏側のアルゼンチンから日本に通い続けました。日本各地のお祭りを見るなど日本の文化に触れ、そこからインスパイアされたという全ての要素が、今回の「WA !!」には詰まっているんですね。

 

▲ディキ・ジェイムズ芸術監督

 

日本に恋をしたとも言える芸術監督が率いる多くのアルゼンチンスタッフが、日本から着想したファンタジー作品を情熱をもって創作するという行為は、本当に嬉しいことですよね。しかもその制作には、本当に長い時間がかかっているんです。

 

ーー それはもう期待するしかないですね。

ただ、初期のコンテを見たときには正直戸惑いもありました。例えばフエルサ ブルータのダンスといえば、基本的に情熱的で力強く、リズミカルな南米特有のダンスだったのですが、コンテを見ると「阿波踊り」が入ってる。阿波踊りも情熱的な踊りとはいえ、フエルサ ブルータの持つリズムにどのように絡むのか。正直想像がつかなかったですね。

 

ーー たしかに。要素を詰め込みすぎて失敗する企画は、本当に多いですからね。

でも、そういう不安を持っていた私たちに対してディキは、力強く「世界中の誰もが知っている、侍、芸者、忍者、歌舞伎、浮世絵、折り紙などの日本文化の要素は、あらゆる人にファンタジーを感じさせる強い力を持っています」と主張してくれました。そして阿波踊りについても、「こんなに美しくソウルフルなダンスが日本にはあるんだ!」と熱く語ってくれたんです。

 

 

ーー 実際に演目を観ると、日本とラテンが見事に融合していて、非常にカッコいい演出になっていました。

「日本ってこんなにカッコいいんだ!」という誇りを持てる演出になっていると思います。監督は、日本人が忍者・芸者・サムライというと「やっぱり海外から見た日本のイメージってそれなんだ」と感じてしまうことも理解しています。でも彼曰く、「これは日本そのものを表現しているのではなく、日本に着想したファンタジーなんだ」と。

そういう国や時間や価値観を超越し、まったく新しいものを発想する姿勢こそ、世界的な演出家の所以なんだなと強く感じました。

 

写真や動画はいつでもOK! なぜなら体験に価値があるから

 

ーー フエルサ ブルータは、役者さんのセリフやアナウンスもないまま怒涛の勢いで演目が進んでいきますが、ストーリーなどは裏側にちゃんと設定されているのでしょうか。

もちろんストーリー自体はしっかりと設定されています。でも、僕たちから明かすことは決してありません。観る人に自由に感じてほしい、自由に想像してほしい、という願いがあるからです。この“自由”こそが、フエルサ ブルータの全ての演目に共通する要素でもあるんです。

まずお客さんは全員スタンディングで、自由な角度と位置で観ることができます。さらに空間全部を縦横無尽に使うことで、本当に自由な演出表現をしています。お客さんを掻き分け大きな舞台装置が出てきたり、突然パフォーマーが宙に舞い始めたり、お客さんと一緒に空を飛んだり、雨や風が吹いたり、巨大なプールが出現したり……。

演出のスピードもとにかく速い。気づいたら次、というスピードでバンバン進んでいくことで、「あれは何だったんだろう」と思わせる効果も生まれます。

 

ーー たしかに、脳みそが追いつかないレベルの速さでした。

そしてもう1つ、フエルサ ブルータにおける大きな自由と言えるのが、「写真や動画はいつでも撮ってOK」としていることです。演出の邪魔になってしまったり、いわゆるネタバレになってしまったりという理由で、普通は禁止されますよね。

でもフエルサ ブルータは、360度全てで展開され、風、光、水、音などを五感で感じることで初めて完成する演目です。だから写真や動画では全部を切り取りきることはできないし、収まりきらない。事前に写真や映像で予習しても、実際の体験には到底敵いません。その自信があるからこそ、自由になっているのです。

 

ーー 写真や動画に限らず、フエルサ ブルータはその魅力を人に説明しにくいというか、いろんな要素がありすぎ、一言では説明できずに困ることがあります。

僕もよく「一言でいうと何?」と聞かれますが、「一言では無理」と返しています(笑)。

 

ーー あ、萩原さんでもそうなんですね。

 

 

一言じゃなくても難しいし、形容しがたいですよね。そもそも、フエルサ ブルータって、日本では馴染みのない「体験型パフォーミングアーツ」に分類されるものになるんですね。

 

ーー 体験型パフォーミングアーツというのは?

ショーなんだけど、アートでもありライブでもあるという、ジャンルレスな舞台芸術のことです。でも、こういう説明をされても上手く想像ができないですよね。特に日本人は、ストーリーがないと安心できなかったり、席に座って見ないと落ち着かなかったりという文化の違いもありますから。

フエルサ ブルータはそういうものを全て取っ払っているので、より内容を伝えづらい。「すごい!」というお褒めの言葉をSNSでいただくのですが、「すごい!」ほど透明なものはないんですよね……。むしろいろいろな形容詞に当てはまるほうがイメージが伝播しやすいので。そこは課題でしたね。

 

ーー すごい以上の形容ができない。そんな課題もあるんですね……。

 

 

ちなみにフエルサ ブルータでは、出演者のその日の役割は、毎回開演の1時間前に決められるんですよ。

キャプテンなどがパフォーマーのその日の体調やテンションなどを見て、「あなたの今日のテンションは良いから、今日はこの役をやってみようか」といった感じで切り替えていくんです。

 

ーー え? ということは、パフォーマーの人たちは全ての役を覚えているんですか?

はい。男性は男性、女性は女性の役を全てできるようにトレーニングしています。この辺りは即興文化のアルゼンチンだからこそですね。日本人は振り付けなどのルールや型に強くこだわりますが、南米の人たちは、ソウルやスピリットといった部分を1番大切にしています。

 

ーー だから何度見ても毎回新鮮な印象になるんですね。

そうですね。あと、公演の内容や演出も、当日のお客さんの反応を見ながらちょこちょこ変えています。ダンスの振りもテンションも湧き出るものが違うので、300公演以上やっていますが、同じ回は1つとしてありません。

 

アナログだからこそ想像を越える

 

ーー 大量の紙吹雪やワイヤーパフォーマンスなど、アナログな要素も多いですよね。最新の技術を使ったデジタルなショーが注目を浴びることが多い中で、これだけアナログな演出の舞台というのは珍しいなと思いました。

もちろんデジタルなショーも、素晴らしいものが多いと思います。関わっている人の熱量などは、アナログもデジタルも違いはないでしょうね。ただ、デジタルは全てプログラミングされているだけに、毎回の変化というものが基本はありません。

 

▲身体を張って紙吹雪を舞わせるスタッフさん。こういうところもアナログです

 

その点アナログの舞台は、見る人はもちろん、僕らスタッフの想像の範疇を越える変化をみせることがあります。

例えばお客さんが異常に盛り上がる回では、その理由はわからなくとも、お客さんの熱にあてられスタッフも乗ってくることで、舞台そのものの空気が変わっていきます。この辺りは、デジタルでは計算できない魅力と言えます。

そういうお客さんたちの気持ちが、演目を構成するものすごく重要な要素になっているところも、フエルサ ブルータの面白さだと思っています。

 

ーー なるほど、よくわかりました。それでは最後に、萩原さん的おすすめのフエルサ ブルータの楽しみ方を教えてください。

 

 

アートとして鑑賞するもよし、友達とただ飲んで騒ぐもよし、家族で行くもよし。100人いたら100通りの楽しみ方があります。

というより、どう楽しむかではなく「あなたがどう楽しみたいかを決められる」のがフエルサ ブルータの魅力だと思っています。

また、2020年に向け日本がいろいろ海外に向け発信をしているこのタイミングで、日本の裏側にあるアルゼンチンの一流スタッフが日本にインスパイアされたステージをやっているということを、ぜひ知ってほしいですね。日本が考える日本像と、海外の思っている日本像は確実に違います。ディキが日本にインスパイアされてから14年。片道30時間かけて何度もやってきてようやく完成した作品を、ぜひとも体験してもらいたいと純粋に思っています。

 

まとめ

 

以上、僕が大好きなフエルサ ブルータについて、その魅力の一部を伝えることができたでしょうか。

ただ、ここまで語ってもまだまだ全然伝わりきっていないと思うので、気になった方はぜひ会場に足を運んでみてください。フエルサ ブルータの公演は品川プリンスホテル・ステラボールで絶賛上演中です。公演期間は、5月6日まで! もうすぐ終演してしまいます!

ちなみに僕のオススメは、開演前にお酒をちょっと飲んでから、ほろ酔い気分で楽しむこと。あと、濡れてもいいような格好で行くのと、動き回りやすいようにスニーカーで行くこと。

公演終了までに僕ももう1回は行こうと思うので、会場で一緒に盛り上がりましょう!

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