昔懐かしい自動販売機が残る、昭和遺産の「ドライブイン」を訪れてみた

2018/1/16 11:31 ネタりかコンテンツ部

ドライブ中の休憩や食事に便利な「ドライブイン」。最近では「道の駅」にその役割をとってかわられ、数がめっきり減ってしまった印象もあるが、全国にはまだまだレトロなドライブインも残っている。中でも希少なのは、「オートレストラン」と呼ばれる自動販売機がメインのドライブインだ。

 

今回は、数多くのドライバーたちを癒してきた「食」や「娯楽」の残るオートレストランのドライブインを訪れ、その現状を確かめてみることにした。

 

埼玉県行田市にある「鉄剣タロー」へ

 

訪れたのは埼玉県行田市にある「鉄剣タロー」。国道17号線バイパスに位置しており、24時間営業している。

 

見るからに年季が入った佇まいで、看板のフォントには懐かしさとあたたかみがあり、何となく歪んでいるように見える点も味わい深い。

 

 

店内は広々としており、ゲームゾーンと数台の自動販売機が設置されている。

 

 

奥の壁に施されたペイントは何ともファンキーな感じ。「不良」や「闇金」などをテーマにした映画のセットとしても使われているそうだ。

 

 

こちらはゲーム機コーナー。

 

 

その8割は麻雀ゲームだ。やたらとボタンが充実しているのだが、どうして麻雀ゲームにこんなにボタンが必要なのだろうか?

 

 

こちらは、反射神経を測るマシーンとのこと。初めて見た。

 

 

なお、節電スタイルとなっているため、プレイ後はコンセントを抜くことを忘れてはならない。

 

 

こちらは、かつてUFOキャッチャーとして稼働していたマシーン。現在は植木の種などが並べられ、自由に持ち帰られるようになっていた。コインを入れずとも景品とり放題、という気前の良さである。

 

メインの自動販売機ゾーンへ

それでは鉄剣タローのメインゾーン、自動販売機コーナーを見ていこう。

 

 

まずはアイスクリームの自販機。パチンコ台のような、何とも派手で楽し気な雰囲気が良い。

 

 

こちらはハンバーガーとトーストサンドの自動販売機。ザ・昭和な佇まいである。商品を補充する業者が来ないのか、「売り切れ」となっていた。

 

 

そして、うどんの自動販売機。街中ではなかなか見かけないが、オートレストランではお馴染みの存在だそうだ。こちらも残念ながら売り切れだった。

張り紙には、

体調不良のため、うどんは当面少しずつしか作れません。売切になったらごめんなさい。せっかくお越しいただいたお客様には申し訳ないと思い、頑張りましたが、もう限界なので、すみません。

と書かれていた。

丁寧な字であり、管理人の方の誠実な人柄が伝わってくる。それゆえに、「もう限界なので……」の一言には無念さがにじみ出ている印象があり、何とも切ない気持ちになる。

やはり、カップ麺やファストフード店全盛の時代、こういったものは淘汰されてしまうのだろうか。売り切れであっても煌々と光り続けている自販機の灯りが、悲壮感をより一層強くする。

 

その後、麻雀ゲームを満喫し、日も暮れたので帰ろうとした時だった。

 

 

奥から管理人らしき人物が現れ、トーストサンドの補充を始めたのだ。こんなドラマティックな展開があっていいのだろうか。これはまさに奇跡。

 

 

この機会を逃さないよう、すかさず管理人の方に話しかけてみた。

 

筆者:「うどんを食べることはできないですよね?」

管理人:「15分ほど待っていただけたら作りますよ」

 

体調不良にもかかわらず、無理を言ってすみません……。ありがとう、管理人さん。

 

 

おまけに自動販売機の中を見せてくれた。仕組みはよくわからないが、こういう機械の裏側を覗き見るのはとても興奮する。

 

 

そしてお待ちかね。鉄剣タロー特製のうどんとトーストサンドである。

 

 

薄切りの食パンに、ハム、マーガリン、マスタード、マヨネーズなどがサンドされている。熱々サクサク食感のパンと、マスタードが効いたマヨネーズの相性は抜群。1分もかからず作られたとは思えないクオリティである。

 

 

うどんの麺は硬めで提供され、噛み応えがある。熱々の汁がたっぷりと入っているため、よくかき混ぜた上で数十秒待つとちょうど良い気がする。

 

 

具材も豊富。チーズが入ったちくわ天をはじめ、

 

 

カニカマ天にナルトなど、何とも贅沢だ。

 

 

身体にじんわり染みわたるうまさ。管理人さん手づくりの味に、身も心も温まる。

 

 

食べ終わった容器は、綺麗に片づけられていた。利用者みんなで、しっかりマナーを守ってきたことがうかがえる。

 

 

長年、トラックの運転手さんや長旅のドライバーたちを癒してきた鉄剣タロー。今では、希少な昭和の遺構として見学に訪れる人も少なくないそうだ。

訪れた人々によって書き綴られたメッセージノートは、現在27冊目。時代を超えて、多くの人に愛され続けている証拠だ。

 

 

まるでタイムスリップしたかのような唯一無二の雰囲気とホッとする食を味わいに、あなたもぜひ鉄剣タローを訪れてみてはいかがだろうか?

 

文・取材:小野洋平(やじろべえ)

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