ホテル好きが憧れるバンコクの隠れ家 「ザ・サイアム」の驚嘆すべき魅力とは

2017/12/15 12:00 CREA WEB

ホテル好きが憧れるバンコクの隠れ家 「ザ・サイアム」の驚嘆すべき魅力とは ホテル好きが憧れるバンコクの隠れ家 「ザ・サイアム」の驚嘆すべき魅力とは

 世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第171回は、大沢さつきさんがリュクスを極めたバンコクのホテルにステイします!

豪華なブティックホテルは
世界的なトレンド

際立つ白にシャープな黒のライン。アールデコ・モダンな「ザ・サイアム」のメイン棟。

 日本だけでなく、欧米のツーリストからも熱い視線を集めているタイ、バンコク。トレンドレストランの「ガガン」が注目されるずっと以前から、タイ料理は欧米のシェフたちに取り入れられてきたけれど……いまやバンコク自体が、空前のグルメブーム! 続々と評判のレストランがオープンしている。

 そして、料理同様に旅行者の人気を呼んでいるのが、隠れ家的なブティックホテルだ。20世紀初頭のロイヤルファミリーの別宅を改装した「チャクラポン ヴィラ」が、その走り。

 少ない部屋数で、行き届いたサービスを信条とするブティックホテルが、バンコクだけでなく、タイ中に広がりを見せている。クラシックな邸宅をホテルにしているところが多いけれど、中にはモダンなしつらえで人気を博しているところも。

ロビー。こぢんまりとしたホテルながら、抜ける空間を生かすことですっきり広々。

 今回ご紹介するザ・サイアムは、アールデコ・デザインで仕立てられたクラシック・モダンなホテル。いまやバンコクで、知る人ぞ知る超人気のラグジュアリー・ホテルだ。

 39の客室はすべてがスイートルームとヴィラ。バンコク初のアーバンリゾートとして、チャオプラヤ川沿いに立つ。オーナーの趣味が際立った、それも洗練されたセンスがなせる、ほかにはないホテルが、このザ・サイアム。

どことなくアンティークな雰囲気漂うレセプション。ウェルカムドリンクを飲みながら、チェックインの準備が整うのを待つ。

 この隠れ家ホテルは、かのマンダリン オリエンタル バンコクを筆頭に、グローバルブランドの5ツ星ホテルが軒を連ねるバンコクにあって、個性的かつスタイリッシュなホテルとして、いまやホテル好きには憧れの存在となっている。

左:タイ風に手を合わせて、腰を引いての会釈姿勢の「ミシュランマン」。ロビーラウンジの奥にあるアンティークショップで扱っている商品だ。
右:ロビーラウンジのコーナーにもアンティーク……。真っ白な空間に不思議と調和している。
ロビーラウンジに併設のカフェ。2017年11月現在、準備中で営業していないが、アンティークの動物が置かれていて、動物園のような楽しさを演出している。

森閑としたゲストスペースは
陽光がたっぷり射して居心地最高

いきなりのアトリウム仕様に、巨大な熱帯植物。ここはパリのオルセー美術館からヒントを得て生まれたというけど……吹き抜けの感じを取り入れたのかな?

 パブリックスペースから通路を隔ててレジデンス棟へ。一転、植物園のような熱帯植物のジャングルに迎えられる。3階分の高さの吹き抜けを突き抜けるグリーンと真っ白な壁とガラス、それらをくっきりと縁取る黒のラインが、とってもクールだ。

最上階の3階はこんな感じ。植物の巨大さが分かるかと。

 この吹き抜けを囲むように客室が並ぶ。1階にはライブラリーやジム、オーナーが蒐集した1000点以上ものアンティーク美術品もディスプレーされ、さながら邸宅を訪れたようなこころ持ち。いや、プライベートギャラリー、小さな美術館に来た気分にすらなってくる。

 いやいや、コレは、スゴイ……。

左:2階にあるレコードルームにも陽が射し込んで、心地よさ抜群。夜の帳が降りるころには、しっとりと落ち着いた部屋になっている。
右:1階のライブラリーの奥はフィルムライブラリーで、スクリーンを備えた小部屋もある。

 このアトリウム空間に配された客室、エントリークラスの「サイアムスイート」もまた、白と黒の空間。そこはかとなく上品に香るアールデコの雰囲気が、どこか郷愁を演出しているようで居心地がいい。

「サイアムスイート」の各部屋にはテーマがあって、陳列されているアンティークが少しずつ違う。「サイアムスイート」のリビングスペース。そしてバスルーム。光がたっぷり射し込む部屋の奥に、バスルームを配置しているあたりがニクい。気分は朝風呂!

 メイン棟とは別に建てられた個別のヴィラもまた、趣があって素敵。「プールヴィラ」はメゾネットタイプだが、吹き抜けを生かしたバスルームや、風が抜けるようにしつらえたリビングスペースが秀逸で、これまた居心地満点。さすがはビル・ベンスリーの設計だ。

メイン棟から独立して、川に向けて立つヴィラ。「プールヴィラ」は扉を開けるとすぐに、こぢんまりとしたプライベートプールが備わる。ベッドルームのアールデコは、漢字の掛物があるので、ちょっとシノワズリー(中国趣味)な感じ。決して広々としているわけではないが、必要にして十分の、むしろ居心地のよいサイズだ。

スゴ腕シェフによる
力の抜けた料理がなんともおいしい

シェフ・ダムリの実力は誰しもが認めるところだが、本人、いたって自然体。料理に対しては真摯だけど、リラックス大事というのが信条のようだった。

 ラグジュアリー・ホテルには“おいしさ”が欠かせませんが、そこも抜かりないのがザ・サイアム。ここのダイニングでは、バンコクでも指折りのタイ料理が食べられる。

「伝統的な料理、というものには興味がないんです。もちろん、敬意は払いますけれど、いまの私たちには所詮知りようのない味ではないですか。レシピがあるといっても、想像の域を出ません。そういう意味では、過去の料理です。斬新な料理というものにも興味がありませんね。何を食べているか分からない料理なんて、私はイヤですね」

タイシルクで一代を築いたジム・トンプソンの家を移築したダイニング。アールデコ・モダンなザ・サイアムにあって、ここだけはクラシカルな趣が漂う。随所に飾られたアンティークと同じ感覚?

 ニコニコしながら、ズバッと本音をいうシェフ・ダムリ。彼の料理はすべて、お母さんから教わったものだという。でも、家庭料理って雰囲気ではないのにビックリさせられもするのだけれど……。

手をかけすぎずに調理された一皿は絶品。そしてプレゼンテーションの美しさは……家庭料理じゃないでしょ。

「直接、自分が知っている“おいしさ”なんですよ。母からは、もうひとつ大切なことを教わりました。料理は、ニコニコしながら作りなさい、とね。楽しく作らなければ、おいしいものは作れませんからね」

 と、ニコニコ顔のシェフ・ダムリなのでした。

ポップモダンなダイニングもあり。気分に応じて、ダイニングの雰囲気を選べるのがいいね。ダイニングから2階のバーフロアに行く階段の踊り場には、クールなワインセラー。

合法的なトリップ! を
「オピウム スパ」で

メイン棟の地階に広がる“快楽”のスペース「オピウム スパ」のラウンジ。

 タイだからして、ザ・サイアムもご多分にもれずスパが充実している。客室数39にして、この広さのスパを確保しているところがスゴいというほどのスケール感だ。そして、この地階に展開するスパの名前がなんと「オピウム スパ」。オピウム=アヘン……、“合法的に快楽の世界へトリップ”といったことらしい。

あまりに優雅な空間でのトリートメント。なので、完全、姫さま気分。

 その実力は折り紙つきで、2015年に「コンデナスト・トラベラー」の「世界のベスト・シティスパ」に選ばれている。

 広い館内には全5室のトリートメントルームが設けられ、いずれもゆったりとした作り。個別に小さなサウナまでついていて、プライバシー保護完璧な感じです。いわゆるトリートメントをするベッドとタイ古式マッサージをするスペースとを併設しているから、それだけでもゆったりとした空間だ。

スパのレセプション空間だけは、“感じよく”を意図してか、半地下の明るいスペース。チャオプラヤ川をうまく使うと、バンコク名物の交通渋滞に遭わずに済む!

 このザ・サイアム、ウィマンメーク宮殿や王宮に近いロケーションにあるので、閑静で高級感溢れるのだが……いかんせん、不便ではある。と、そこはさすが、渋滞で有名な道路ではなく、チャオプラヤ川をシャトルボートで行き来するという移動手段が用意されている。暁の寺を見に出かけたり、夕飯を食べに出たりが、思う以上に気楽にできるのだ。

 このボートに乗ってのサンセット・クルーズもお薦めで、残念ながらシャワーに見舞われ夕陽は拝めなかったが、体験者によると見事な景色とのこと。好天に恵まれたら、ぜひ、試してほしい。

The Siam(ザ・サイアム)
所在地 3/2 Thanon Khao, Vachirapayabal, Dusit, Bangkok
電話番号 02-206-6999
http://www.thesiamhotel.com/
※ホテルはプリファード ホテルズ&リゾーツのレジェンド・コレクションに加盟。iPrefer対象で、iPreferモバイルアプリを使うと、最安値の料金での宿泊が可能。

【日本での問い合わせ先】
プリファード ホテルズ&リゾーツ 予約センター

フリーダイヤル 0120-984-450

文=大沢さつき

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