都知事兼任代表・小池百合子は”希望の党失速”にどうケジメをつけるのか

2017/10/20 12:00 デイリーニュースオンライン

「都知事」小池百合子はどう希望の党敗戦にけじめをつけるのか 「都知事」小池百合子はどう希望の党敗戦にけじめをつけるのか

 うっかり都知事選挙で小池百合子さん(65)に投票してしまった私ですが、その後のいけてない都政運営をみるとすごく気分が落ち込みます。小池百合子さんはもう少し都政を真面目にやってほしいですし、都庁の中で汗をかいている人たちを信じて、より良い都政を実現してほしいと思っております。

 というのも、カバンに5000万円が入らなかった猪瀬直樹さん(70)然り、公用車で温泉ホテルにいった舛添要一さん(68)然り、問題が起きるたびにメディアでわーわー騒いで、記者会見で釈明させ吊し上げて都知事を下ろすまではいいんです。でも、50億円かけて都知事選挙しても、出てくる後継者がしっかりした人でなければ、なんだ猪瀬直樹のほうが良かったじゃないか、舛添要一で問題なかったんじゃないかとなるわけです。そのときは、みんな問題だって言ってたじゃないですか、だって収入印紙も貼ってない5000万円の借用書を記者会見でつまんで見せる猪瀬直樹さんを見て誰が信じるんですか。

 今回、仮に小池百合子さんが都知事の椅子から下ろすよという話になっても私は何も驚かないわけですけれども、一番大事なのはその次であり、下りるプロセスと一緒に考えていかなければなりません。何しろ、野党第一党であった民進党の代表に就任した前原誠司さん(55)を抱き込んで、非自民党の受け皿を作るという乾坤一擲の策を実現したまでは良かったのでしょう。が、都民ファースト旗揚げの頃からの子飼いであった音喜多駿さん(34)にも見切りをつけられ暴露大会に及び、本人も横田一さんからの質問でうっかり「排除いたします」という強い言葉を使った以上は、潮が引くように国民の期待感は消え失せるのも当然じゃないでしょうか。

 本来は小池人気に依存して圧勝するはずであった東京選挙区や比例東京ブロックは、当初は23人候補を立て、場合によっては小池さんも立って24戦のうち16勝は堅い、そして17議席ある比例東京のうち8議席を伺い、東京だけで24勝できる、という腹で希望の党はもくろんでいました。これ、実はわずか3週間前の資料にそう書いてあるわけですよ。

 ところが、小池さん本人が日和って衆院選出馬を見送り。希望の党への期待感は剥げ落ちてしまい、小池人気を頼んで立候補した新人候補たちは全滅。圧勝を狙ったお膝元・東京は、おそらく希望の党は全敗待ったなしの情勢です。唯一の望みは、希望の党とは本来無関係だった21区の長島昭久さん(55)が勝てるかどうかで、彼だって無所属で出ていれば普通に勝っていた選挙を小池さんの不始末のせいで落としたと言っても過言ではないぐらいの状況になってしまい、非常に残念な状態です。

 どうやら比例東京ブロックは希望の党は3議席に留まりそうで、もしも長島さんが小選挙区で落選すると惜敗率の予想で言えば長島昭久、松原仁(61)、次いで柿沢未途(46)か伊藤俊輔(39)各氏が党内で争う形になります。結局、長島さんと松原さんしか通らなかったという話にでもなると、文字通り何のための民進党と希望の党の縁組だったのか、分からなくなってしまいます。

■小池劇場の結末はどうなる?

 民進党からの合流組しか希望の党は議席を確保できないぞとなると、小池さんの意志がどうであれ党代表の座を維持することなどできないでしょう。日本発の女性首相を狙い、大勝負に出た小池百合子さんは、そこだけ見ればビッグチャレンジですし、素晴らしいことだとは思うのです。しかし、身一つで出た都知事と違い、組織と集金力がなければ政権交代可能な議席確保など到底覚束ない状況の中で、候補者調整も党の方針や政策もとりまとめきれないようでは、むしろここでコケてくれたほうが国民としては良かった、ということなのかもしれません。いまの都政と同じようなことを国政でやられても困るので。

 無理に無理を重ねて候補者を立てた分、反動は大きくなります。何しろ、政権交代可能な数だけ候補者を立てると組織を急造した結果、東京だけでも比例単独での出馬は10名、このうち比例ブロックの議席確保はおそらく2議席か3議席でしょうから、3議席として二倍の6議席分から溢れた候補者は600万円の供託金は没収となります。東京だけで数千万、全体で数億の無駄金が打ち込まれたことになり、じゃあそのカネの出所はどこだったんですっけね、というスキャンダルが降り注ぐのはそう遠くない将来じゃないかと思っております。

 そうなると、いきなり高く積み上げられた塔が一気に崩壊するようなもので、希望の党の母体でもある都民ファーストはどうするのか、また、小池さん自身はこの公示後から都の公務でなぜかフランス・パリに行くまでほとんど都の仕事をしていないことは大いに批判されることでしょう。豊洲市場の移転問題や、感情2号線建設、五輪施設問題も含めて、東京都の抱える問題を全部ひっくり返してしまい、猪瀬さんや舛添さんがやらかした小悪が霞む大変な惨禍を都民に与えたのは他ならぬ小池さんだという話になってしまいます。

 小池さんの親衛隊で東京10区から立候補した若狭勝さんは、公示前の調査では優勢に選挙を進めると目されましたが、小池人気の失速の影響をもろに被り、大きく獲得表の予測を落としていまでは比例復活もむつかしいのではないかと言われるレベルになってしまいました。未来の女性首相側近一番手から、一気にアルバイトへ転落することになりかねません。

 政治というのはそれだけ風向き一つで大きく変わる世界だと言われればその通りですが、先にも述べたとおり、小池さんを都知事から下ろすぞ、リコールだ、都民ファーストを割って不信任案可決で追い込むぞという動きになるであろうことは、分かります。でも、次の人間の目星も立てないまま、感情を先行させて猪瀬直樹さんや舛添要一さんをメディアで公開処刑して溜飲を下げた結果、出てきてしまったのが小池百合子さんなわけです。

 東京都民として「次は誰にするんだよ」という話もありますし、小池さんを希望の党の中から総括してもらわないといけません。ちゃんと都政をやってほしいと。パフォーマンスに走らず、必要な政策を着実に打ってくれる仕事に集中してほしいと。側近政治がいかんというよりは、真の意味で然るべき意思決定ができるほうへ、統治のあり方をシフトしてほしいのです。

 いきなり都議会公明党対策と思しき副知事人事をやったり、情報公開が大事だと言いながら黒塗りの資料しか開示されないような真似が続くと、さすがに有権者も気づくでしょうし、メディアから追い風を受けて舞い上がった小池百合子さんが、突然の逆風に見舞われて墜落するその後まで都民は尻拭いをしなければならなくなります。

 なんとも残念な話ですけど、これが現実なんですよね、東京都が掲げた希望の。

文・やまもといちろう

※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。

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