紙の本にアクセスする機会も増加する? Amazonの「Prime Reading」は便利だと認めよう

2017/10/13 18:00 日刊サイゾー

Amazon「Prime Reading」より Amazon「Prime Reading」より

 Amazonプライム会員向け新サービス「Prime Reading」の日本での提供が始まり、話題を集めている。

 すでに多くの人がプライム会員に登録して、映画やドラマなどの見放題「プライム・ビデオ」を利用しているハズである。映画見放題の時点で「あなどれないサービス」であることを実感した人は多いだろう。

 何しろ、最新作だけでなく「見たいとは思っていたけど機会がなかった」とか「もう一度見たいとは思っていた」作品を絶妙に突いてきている。『トラック野郎』シリーズは全作品があるし『男はつらいよ』も投入された。アニメも、見逃した最新作だけでなく『重戦機エルガイム』とか『戦闘メカザブングル』とか、これぞをいう作品をうまーく投入しているのだ。

 そこに新たに投入された「Prime Reading」。これ以前から、Amazonは定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」を実施している。

 現段階では「Prime Reading」は「Kindle Unlimited」に比べると、読むことのできる本の数は少ない。ただ、利用方法にもよるだろうが「Prime Reading」はタダだからと決して手を抜いていない。

 とりわけ雑誌は「AERA」(朝日新聞出版)や「DIME」(小学館)などをはじめ「山と渓谷」(山と溪谷社)まで入っていたり。単行本も含め「買うとなると考えるけど、タダなら読んでおこうか」と思わせるラインナップになっているのである。

 年間数千円の対価としては、オトク感の強いプライム会員。とはいえ、出版業界に身を置いていると、いまだAmazonに対する忌避感は根強い。地方都市や、街場の書店が減っていくことへの危機感はよく話されるのだが「Amazonが便利!!」という話はまず表立って聞かれない。

 先日、出版労連が毎年行っている催し・出版研究集会で講師の一人だった永江朗さんが「毎日、Kindleストアで、その日のバーゲン(割引)本をチェックしている」と話していた。するとなぜか、けっこうな数の人がギョッとした顔をしていた。

 決してAmazonが万能かつ聖人君子ばりの企業とはいえない。けれども便利かつ安価なサービスを利用しないばかりで、忌避感だけを抱いているのはどうかと思う。筆者もKindleを利用しているが、万能とは言い難いものの紙の本を持ち歩くよりも軽くて便利である。

 おそらく出版業界では、多くの人が「Prime Reading」によって、より本が売れなくなることへの恐怖を抱いているのではなかろうか。けれども、むしろこれによって紙の本に触れる機会も増えるのではないか。

 というのは、電子化され読み放題になっているのは一部だけ。同じ作者の作品を読もうと思ったら、有料で紙の本を買うしかなかったりするのだ。そして、クリックだけで本が届くというシステムは、財布からお金を取り出すよりもハードルが低いのも事実。

 膨大なまだ見ぬ本にアクセスする機会を提供しているくれるAmazon。それは、書店の店頭での「偶然の出会い」よりも頻度が高い。賛否があろうとも「これは便利だ!!」とサービスに耽溺してみないと、対抗策だって思いつかない。
(文=昼間たかし)

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