「離島の人、ジャンプ入手困難説」は本当か? 硫黄島まで行って聞いてみた

2017/10/12 19:01 ネタりかコンテンツ部

こんにちは、鹿児島ライターのちえです。

 

みなさんは、日本で一番読まれているマンガ雑誌が何かご存じですか?

 

 

そう! 『週刊少年ジャンプ』ですよね!!

 

最盛期と比べて発行部数は落ちたものの、出版不況と言われる現在でも、1号あたり200万部近く売り上げています。

 

ジャンプと言えば、お笑い芸人「千鳥」の大悟さんが「子どもの頃、ジャンプを買うのに契約書を交わした」とテレビで話していました。

 

岡山県の離島・北木島(きたぎしま)育ちの大悟さん。島内でジャンプの購入者は限られており、無駄な仕入れを防ぐためにお店側が購入の確約をする契約書を渡してきたそうです。「来週も買ってもらえないと、余ってしまって困るから」ということですね……。

 

そこで思いました。

 

他の離島でも、同じようなエピソードを持つ人がいるのでは?

 

 

周囲を海に囲まれた離島。千鳥の大悟さん以外にも、ジャンプを手に入れるのに苦労した人がいるはず。

 

というわけで今回は、離島出身の人に聞いてみました!

 

 

ジャンプ世代の大山さんに聞いてみた

 

1955年生まれ、鹿児島県の硫黄島出身の大山さん。現在は鹿児島市在住ですが、仕事で硫黄島へ行き来しているそう。マンガに夢中になった少年時代は、ちょうどジャンプの黎明期!

 

――子どもの頃、どうやってジャンプを手に入れていましたか?

鹿児島市に住んでいる親戚のお姉さんが、読み終わったジャンプをまとめて段ボールに入れて送ってくれていたよ。雑貨屋は島に4軒あったけど、生活に必要なものや食料が少しあるだけで、マンガや雑誌なんて置いてないからね!

 

▲子どもの頃の大山さん

 

 

――どんなマンガが好きでしたか?

当時、ジャンプより先に創刊されたマガジンやサンデーが王道の少年マンガだったけど、ジャンプには『ハレンチ学園』という当時思春期だった自分にはとても気になるマンガが連載されていてね(笑)。『男一匹ガキ大将』も好きだったなぁ。

 

――どのように島に届くのですか?

月6回くらい島に船が来るので、その日は港で待ち構えていました。荷物が届くと自分たちで港に取りに行かないといけないから。港が整備されていなかった昔は、港の中まで船が入れなくてね。

 

――えっ!? じゃあ、どうやって受け取るんですか?

少し離れた場所に停めて、艀(はしけ)という小舟で渡すんですよ。小舟から運ばれた荷物が砂浜に並べられたのを見て「この箱かな!? あの箱かな!?」って目を輝かせてたな。届いてない時はすごくがっかりして。届いていたら夢中で読んだ。友だち同士で回し読みもしたよ。

 

▲港の様子。海中から湧き出した温泉が海に流れ込んで、黄色や茶色に染まる

 

▲ゆったりと時間の流れる島の日常風景

 

 

――当時の大山さんにとって、ジャンプとはどんな存在でしたか?

ジャンプを読んで「海の向こうにはジャンプのマンガに出てくるような風景があるのかも」なんて想像してたよ。島は小さな限られた世界だからね。高校進学で島を出るまで、本当に楽しみにジャンプを読んでたなぁ。(※硫黄島には高校がないため、ほとんどの子どもが15歳で一度島を出る)

 

▲高台から眺めた集落の様子。この集落に島のほとんどの人が住んでいる

 

▲硫黄島の東海岸

 

 

大山さんの少年時代から数十年の歳月が流れましたが、今の硫黄島の子どもたちも、ジャンプの入手に苦労しているのでしょうか。

 

ということで、実際に硫黄島まで行って聞いてきました!

 

 

硫黄島は鹿児島の港からフェリーで約4時間。周囲約19km程度の小さな離島です。

 

 

今の硫黄島の子どもたちは、ジャンプを読むの?

 

硫黄島の小学生たち。左からまさと君、がくと君、しおん君。

 

先に答えを言ってしまいますと、硫黄島には現在18人ほどの小学生がいますが、ジャンプを毎週読んでいる子は、なんと0人だそうです! ジャンプではなく、単行本などで好きなマンガを読むことが多いのだとか。

 

――マンガはどこで買っていますか?

しおん君:硫黄島には売っていないので、鹿児島市に行った時に本屋さんで。大体みんなそうやって買っています。僕は『ONE PIECE』を集め始めたところ。まだ最初の方だけど、少しずつ楽しみに集めています。次は来年の1月に鹿児島市に行くから続きを買いたい!

 

がくと君:僕も鹿児島市に行った時に買ってる。自分で買ったのは『Splatoon(スプラトゥーン)』のマンガ。あと、休みになると鹿児島市の友だちの家に泊まりに行くんですけど、そこは『ONE PIECE』が全巻そろっていて、読ませてくれるのでとても楽しみです!

 

まさと君:僕は『ドラえもん』とか『テレまんがヒーローズ』のマンガを持ってるよ。

 

――マンガを買うお金はどうしているの?

しおん君:夏にラジオ体操に行くとスタンプを押してもらえるんだけど、スタンプが貯まると図書カードがもらえるんです。みんなそれで好きな本やマンガを買ってるよ。

 

がくと君:僕は(美容室などに行かず)家で髪を切ってもらうと、親から500円もらえるので、それを貯めて買ってます。

 

硫黄島でジャンプや単行本のマンガが売られていないのは大山さんの頃から変わりなく、みんな鹿児島市に行く限られた機会を楽しみにしているようです。

 

ちなみに、島の多目的施設の図書室には、『ブラック・ジャック』や『火の鳥』などのマンガが置いてあり、子どもたちによく読まれているのだとか。

 

 

持ってきたジャンプをみんなに見てもらいました。『ONE PIECE』と『銀魂』はみんな知っているみたいです。

 

 

お土産で『ドラゴンボール』や『SLAM DUNK』の単行本を数冊持って行ったら、夢中で読んでくれました。集中力がスゴイ。

 

 

近くにいた大人の方たちがジャンプを見ながら「今の連載作家は見覚えのない人ばかりだな~」と話していましたが……、

 

 

「通販のページは変わってない!」と盛り上がりました。

 

 

中学生にも聞いてみた

 

こちらは、硫黄島の男子中学生3人組。「休みの日はどんなふうに過ごすの?」と聞いてみると「ダラダラしています。あとは寝たり、YouTube見たり、プール行ったり」と中学生らしい回答。

 

受験生のしゅんた君(写真一番右)は「前はスマホアプリでマンガを読んでいたけど、壊れちゃって……。でも受験だから新しいスマホは買いません!」とのこと。えらい!

 

好きなマンガについては、『進撃の巨人』や『テラフォーマーズ』など、ジャンプ以外のマンガが話題に上がりました。ほかには、「マンガよりもアニメ派」とか「好きなマンガがアニメ化されるとがっかりする!」という意見も。

 

大山さんの時代と比べて娯楽の選択肢が増えてきていますね。

 

 

本土であっても、田舎は入手しづらい!?

 

ジャンプ歴40年の正木さん。「コンビニでジャンプの梱包が解かれるのを待って買ったことがある」と話すほどの筋金入りのジャンプ好き。子どもの頃は、離島ではなく、本土の田舎の集落に住んでいたそう。

 

正木さん:集落に1軒だけジャンプを仕入れてくれるお店があったんだけど、2冊しか仕入れてなくて……。発売日に買いに向かうと、前を歩いていた同じ集落のジャンプ好きの友だちに先に買われて売り切れちゃって(笑)。そういう時は一日遅れで学校の近くのもう少し大きなお店で買っていました。

 

続きの気になる連載マンガ。発売日に買えるかどうかって大きな問題ですよね。

 

 

硫黄島以外の離島出身者にも聞いてみた

屋久島出身・30代女性「屋久島はマンガの発売日が本土より遅くなります。ある時、本土の友だちと電話で話していたら、まだ読んでいないマンガのネタバレをされてイラっとしました(笑)」

 

口之島出身・60代男性「マンガは読んでいない。たまにテレビでアニメをやっていたけど、台風や故障で映らなくなっている間に最終回を迎えてしまったりした」

 

甑島(こしきしま)出身・40代男性「ジャンプやマガジンは手に入るから読んでいたけれど、単行本は手に入らなくて本土に行った時に買うのが楽しみだった」

 

やはり離島ならではの、マンガやアニメにまつわる悩みがあったようですね。

 

 

みなさんが子どもの頃はどうでしたか?

誰もが子ども時代、マンガに夢中になったエピソードがあるのではないでしょうか。

 

マンガの発売日に学校が終わるとそのまま本屋へ走ったり、少しだけ発売が早いコンビニを見つけて発売日の前日に見に行ったり……。

 

周りの人と「どんなマンガを買ってた?」「どうやって買ってた?」なんて話してみると、お互いの子ども時代が見えてくるようで楽しいかもしれませんね!

 

ライター:ちえ(@kirishimaonsen)

編集:ノオト

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